Omie Wise《オーミー・ワイズ》


Poor Omie, poor Omie,
poor little Omie Wise,
How she was deluded
by John Lewis's lies.
オーミー、オーミー、
かわいそうなオーミー・ワイズちゃん
彼女はどんな風にだまされたのか
ジョン・ルイズの嘘に

He promised to meet her
at Adams's Spring.
He bring her some money,
some other fine things.
ジョンはオーミーに約束した、
アダムズ・スプリングで逢おうと
ジョンは彼女にお金と
財産を持って来るように言いつけた

Her a fool-like, she met him
at Adams's Springs;
He brought her no money,
no other fine things.
彼女は愚かにも
アダムズ・スプリングへ逢いに行った
男は金もなく、
財産もない彼女を連れて行った

He brought her no money,
but he flattered a case,
"We will go and get married;
 it will be no disgrace."
彼女はお金もなかったが、
男は女を嬉しがらせてやった
「俺たちはこれから結婚するんだ
 恥じる事なんて何もないよ」

She jumped up behind him
and away the did go,
Till he come to the river
where deep water flow.
オーミーは小躍りしながら
彼の後を付いて行った
やがて河にたどり着いた
その河は深く水が流れていた

"John Lewis, John Lewis,
 will you tell me your mind?"
"My mind is to deown you
 and leave you behind."
「ジョン・ルイズ、ジョン・ルイズ、
 何をしようとしているの」
「俺はお前を溺れさせ、
 後に置いて行くつもりさ」

"Take pity on my infant
 and spare me my life.
 And let me live shamed-like
 if I can't be your wife."
「お腹の子に情けを、
 命ばかりは助けて
 恥かきながらでも生きていたいの、
 あなたの妻になれなくていいから」

He kicked her and he shoved her
and he slammed her around,
Then he threw her in deep water
where he knew she would drown.
男は女を蹴り落とし
いたるところを殴りつけた
そして深い水に彼女を沈めた
そこなら女がきっと溺れ死ぬだろうから

*1 オーミーは「ナオミ」の愛称。ナオミは旧約聖書ルツ記に登場する、計算高くも心優しいルツの姑に由来する名前。また名字のワイズには「賢い」という意味もある。賢さを象徴する名でありながら、男に騙され妊娠した挙げ句殺されるという皮肉。

実際にあった事件をもとにしたというマーダーバラッドのひとつ。ノースキャロライナ州のランドルフ・カウンティに住むナオミ・ワイズ(1789-1808)は、近所のジョナサン・ルイズと恋仲になるが、1808年4月に行方不明になり、アッシュボロの川岸で遺体が見つかった。ジョナサンは逮捕され投獄されたが脱獄し、再び逮捕されたが証拠不十分で無罪となる。その後1820年に病死するが、その臨終に至りナオミ殺害を告白したという。ノースキャロライナにはナオミ・ワイズのお墓が今でも残っている。
バージョンによっては、ジョン・ルイズが犯行を告白したり、ナオミの遺体が他者に発見されるといった内容の歌詞がある。妊娠した恋人の女性を殺して川に投げ込むという類型は、『オハイオ河の岸辺で』や『ノックスヴィルの娘』などさまざまな歌にある。というかそんな歌が多いなんてアメリカ怖すぎだろ。


参考文献:東理夫『アメリカは歌う』(作品社)

オハイオ河の岸辺で


ノックスヴィルの娘




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by CockRobin96 | 2014-05-05 21:52 | Trackback | Comments(0)
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