Veni, veni Emmanuel《来たれ来たれインマヌエル(久しく待ちにし)》


Veni, veni Emmanuel;
Captivum solve Israel,
Qui gemit in exilio
Privatus Dei Filio.
Gaude! Gaude! Emmanuel,
Nascetur pro te, Israel!
来たれ来たれ、インマヌエル、*1
囚われのイスラエルを解き放ち給え、
試練に苦しむイスラエルを、*2
孤立した民を、神のみ子よ。*3
喜べ、喜べ! インマヌエルが、
あなたのために生まれ給うた、イスラエルよ!

Veni, O Jesse virgula,
ex hostis tuos ungula,
de spectu tuos tartari
educ et antro barathri.
Gaude! Gaude! Emmanuel,
Nascetur pro te, Israel!
来たれ、エッサイのひこばえよ、*4
敵どもの爪から、
迫る地獄の軍勢から、
冥界の淵から導き出し給え。
喜べ、喜べ! インマヌエルが、
あなたのために生まれ給うた、イスラエルよ!

Veni, veni, O Oriens;
Solare nos adveniens,
Noctis depelle nebulas,
Dirasque noctis tenebras.
Gaude! Gaude! Emmanuel,
Nascetur pro te, Israel!
来たれ来たれ、昇り出づる日よ、
待ち望んでいた慰めよ。
夜の霧をしりぞけ給え、
夜の闇をはらいのけ給え。
喜べ、喜べ! インマヌエルが、
あなたのために生まれ給うた、イスラエルよ!

Veni, Clavis Davidica!
Regna reclude caelica;
Fac iter tutum superum,
Et claude vias inferum.
Gaude! Gaude! Emmanuel,
Nascetur pro te, Israel!
来たれ、ダビデの鍵よ!*5
天の王国を開き給え、
我らの旅路を安らかにならしめ給え、
陰府(よみ)への道を閉ざし給え。
喜べ、喜べ! インマヌエルが、
あなたのために生まれ給うた、イスラエルよ!

Veni, veni Adonai!
Qui populo in Sinai,
Legem dedisti vertice,
In maiestate gloriae.
Gaude! Gaude! Emmanuel,
Nascetur pro te, Israel!
Amen.
来たれ来たれ、アドナイよ!*6
シナイの民の主よ、*7
低き人を高く上げ給え、
栄光の御威(みい)つの中へと。
喜べ、喜べ! インマヌエルが、
あなたのために生まれ給うた、イスラエルよ!
アーメン。

*1 ヘブライ語で「神は我らと共にある」の意。キリストの別称にも使われる。
*2 バビロン捕囚(ほしゅう)を指す。紀元前597-538年に、イスラエルのユダヤ人がバビロニアに捕囚された。支配階級や祭司階級、技術者階級が主に連れ去られたため、エルサレム神殿での祭儀が衰退し、代わりに安息日に集会を開くという礼拝形式が発達した。また祖国が衰えゆく事態を悲しみ、救い主を待ち望む風潮が生まれた。
*3 privatusは本当は全行のQui gemit in exilio(試練に苦しむ)にかかる。「(公的な権利を剥奪されて)孤立した」というほどの意味。「個人的な」「私的な」という意味は後からできたもの。
*4 エッサイは旧約聖書『サムエル記』及び『列王記』に登場する英雄、ダビデ王の父。ひこばえは切り株から生えた芽。
*5 キリストの権威の象徴。(イザヤ書22:22及びヨハネの黙示録2:7)
*6 ヘブライ語で「主」「ご主人様」の意。「あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。」(出エジプト記20:7)より、神の婉曲的な呼び方。
*7 モーセが神から十戒を与えられた聖なる山(出エジプト記19章)。

text: 9世紀のラテン語聖歌
tune: 13世紀のフランス民謡 Zoltán Kodály (1882-1967)による編曲

中世の聖歌であったが、19世紀にイギリスの司祭ジョン・メイソン・ニールと、友人で指揮者のトマス・ヘルモアによって再発見されて以来、広く愛唱されるようになった。日本語では「久しく待ちにし、主よ疾く来たりて……」で始まる秀逸な訳詞で知られる。主にクリスマスを待ち望むアドベント(降臨節、待降節)に歌われる。
編曲したコダーイはハンガリーの作曲家にして民族音楽研究家、また教育学者にして哲学者である。ハンガリーの慣習に従って姓名順にコダーイ・ゾルタンと表記することもある。

ダビデの家よ聞け。
あなたたちは人間に
もどかしい思いをさせるだけでは足りず
わたしの神にも、もどかしい思いをさせるのか。
それゆえ、わたしの主が御自ら
あなたたちにしるしを与えられる
見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み
その名をインマヌエルと呼ぶ。
災いを退け、
幸いを選ぶことを知るようになるまで
彼は凝乳(ぎょうにゅう)と蜂蜜を食べ物とする。
(イザヤ書 第7章13-14節)


日本語訳詞:
久しく待ちにし
主よ疾(と)く来たりて
御民(みたみ)の縄目(なわめ)を
解き放ち給え
主よ、主よ、御民を
救わせ給えや

朝(あした)の星なる
主よ、疾く来たりて
お暗(ぐら)きこの世に
御光を給え
主よ、主よ、御民を
救わせ給えや

ダビデの裔(すえ)なる
主よ、疾く来たりて
平和の花咲く
国を建て給え
主よ、主よ、御民を
救わせ給えや

力の君なる
主よ、疾く来たりて
輝く御座(みくら)に
永久(とわ)につき給え
主よ、主よ、御民を
救わせ給えや

ブグロー「受胎告知」
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L'accroche-Choeur, Ensemble Vocal Fribourg
収録アルバム: Noël des Anges



ドレスデン聖十字架少年合唱団
収録アルバム: O Magnum Mysterium


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by CockRobin96 | 2014-12-04 21:16 | Trackback | Comments(0)
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