Jerusalem《エルサレム》


ロイヤルウェディングでの《エルサレム》。列席者は楽譜を持って一緒に歌っている。

And did those feet in ancient time,
いにしえにかの方のみ足が、
Walk upon England's mountains green:
このイングランドの山々の緑の上を歩かれたというのか。*1
And was the holy Lamb of God,
かの聖なる神の小羊が*2
On England's pleasant pastures seen!
イングランドの快い牧場(まきば)にあらわれ給うたのか!

And did the Countenance Divine,
かつて神々しいそのみ顔で
Shine forth upon our clouded hills?
わが国の薄暗い丘を照らされたというのか?
And was Jerusalem builded here,
かつてこの地にエルサレムが建てられたというのか、*3
Among these dark Satanic Mills?
こんな黒ずんだ魔城のような工業地帯の合間に?*4

Bring me my Bow of burning gold:
わたしの燃える黄金の弓を持ち来たれ、
Bring me my Arrows of desire:
わたしの熱望の矢を持ち来たれ!
Bring me my Spear! O clouds, unfold:
わたしの槍を持ち来たれ! むら雲が立ち込めていく、*5
Bring me my Chariot of fire!
わたしの炎の戦車を持ち来たれ!*6

I will not cease from Mental Fight,
わたしは魂の戦いをやめることも
Nor shall my Sword sleep in my hand,
手の中の剣を休めることもないだろう
Till we have built Jerusalem,
わたしたちがエルサレムをうち建てるまで
In England's green and pleasant Land.
このイングランドの緑なす快き地に。

*1 アーサー王伝説では、復活後のキリストがブリテン島(つまりイギリス)にある「アヴァロン」という島を訪れたとしている。つまりキリストはイギリスに来ていたんだよ! という伝説を踏まえている。
*2 洗礼者ヨハネがイエスを指して「見よ、世の罪を除く神の小羊だ」(新約ヨハネによる福音書1:29)と言った故事にちなみ、小羊はキリストの象徴。またイングランドは羊がとにかく多い。→The Lamb《仔羊》
*3 実際の地域、また天上のユートピアではなく、キリストのいますところがエルサレムだとみなしている。
*4 当時、工業革命に沸くイギリスに対する皮肉とされる。また人間を歯車にした大英帝国そのものとする見方も。
*5 Oはofの省略かもしれない。その場合は「わたしのむら雲を湧かせる槍を持ち来たれ」。
*6 預言者エリヤが乗せられた、神から遣わされた炎の戦車のイメージ。(旧約聖書・列王記下2:11)→Swing Low, Sweet Chariot《静かに揺れよ、愛しい荷車》

text: William Blake (1757-1827) 預言詩『ミルトン』の序。
tune: Charles Hubert Hastings Parry (1848-1918) エルガーによる管弦楽伴奏アレンジもあり

イギリス第二の国歌と言われ、重要な式典では必ず歌われる。また、世界最大のクラシック音楽祭「BBCプロムス」では最終夜に必ず演奏される。もちろんウィリアム王子とキャサリン妃との結婚式やロンドンオリンピックでも歌われた。《聖都エルサレム》という邦題もある。
そうしようと思えばここが聖なる都エルサレムになるんや…

フォード・マドックス・ブラウン「可愛い羊ちゃん」
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Manchester Cathedral Choir
収録アルバム: Parry, H.: Choral Masterpieces - Songs of Farewell / I Was Glad / Jerusalem


エルガーの管弦楽アレンジ版
BBC Choral Society and BBC Chorus and BBC Symphony Orchestra and Sir Colin Davis
収録アルバム: The Last Night Of The Proms


おまけ
プログレッシブロックで知られるエマーソン・レイク&パーマーのプログレアレンジ

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by CockRobin96 | 2016-09-26 23:36 | Trackback | Comments(0)
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