F.D.R. Jones《F.D.R.ジョーンズ》


I hear tell
there's a stranger in the Jones household
噂を聞いたよ*1
ジョーンズ一家に新顔がいるって

(Yes siree, yes siree)
(そうともさ、そうともさ)

That's what I'm told
I hear tell
there's a new arrival six days old.
聞くところによると*2
噂では
その子は生まれてたった6日目

(Yes siree, yes siree)
(そうともさ、そうともさ)

Worth his weight in gold.
Come right in,
and meet the son
Christenings done,
time to have some fun
その重さは純金並みの価値があるそうな
さあおいでよ、
その息子くんに会おうよ
命名式は終わった*3
愉快なひとときを過ごそうよ

(Yes siree, yes siree)
(そうともさ、そうともさ)

It's a big holiday everywhere
For the Jones family has a brand new heir
He's a joy, heaven-sent
And we proudly present
Mr. Franklin D. Roosevelt Jones
その日はどこでもお祝い騒ぎ
ジョーンズ一家に新しい後継ぎができたんだもの*4
この子こそ喜び、天からの授かりもの
ご紹介いたしましょう、
我らがフランクリン・D・ルーズベルト・ジョーンズ氏を!*5

When he grows up he never will stray
With a name like the one that he's got today
When he walks down the street
Folks will say "Pleased to meet"
"Mr. Franklin D. Roosevelt Jones"
この子が大きくなっても決して道を踏み外さない
今日彼につけられたこの名があるからには
彼が通りをゆく時には
みんなきっと言う、「お会いできて嬉しいです」
「フランクリン・D・ルーズベルト・ジョーンズさん!」

What a smile,
and how he show it
He'll be happy,
all day long
なんていい笑顔だろ、
この子がどんな風かごらんよ
この子はハッピーな気持ちにしてくれる
一日中ずっと

What a name,
I'll bet he knows it
With that handle,
how can he go wrong
なんていい名前だろ、
賭けてもいいよ、この子にはわかってる
ハンドルをしっかり握ってるから
どうして間違った方向に行くなんてことがあるだろう

And the folks in the town all agree
He'll be famous and famous as he can be
How can he be a dud,
or a stick in the mud
When he's Franklin D. Roosevelt Jones
町中みんなが賛成するよ
この子はこれ以上ないくらい有名になるって
どうして不良になんてなったり
泥沼にはまったりするもんか*6
この子がフランクリン・D・ルーズベルト・ジョーンズであるからには

Go to sleep my baby,
and maybe,
you'll balance the budget by and by
おやすみ、赤ちゃん
もしかして
もうすぐ国家予算を動かすようになるかも

You're a lucky baby
with Franklin D. for your name
あなたはラッキーな赤ちゃん
フランクリン・Dを名前にもらった子

Mrs. Jones' baby boy
is a welcome resident
Give him a fishing rod for a toy,
he's the future president
ジョーンズ氏の坊やは
大歓迎のお客様
おもちゃに釣竿をあげよ*7
彼こそ未来の大統領

When this rascal goes to school
ABC's won't matter
Teach him plain old 'rithmatic
and of course the Fireside Chatter
このいたずらっ子が学校に上がっても
ABCも無問題
算数の初歩も教えてあげよ
もちろん「炉辺談話」もね*8

My friends,
let's all shout Hooray!
我が友たちよ
みんなで万歳を叫ぼう!

(It's a big holiday everywhere
For the Jones family has a brand new heir)
(その日はどこでもお祝い騒ぎ
ジョーンズ一家に新しい後継ぎができたんだもの)

We'll be proud to affirm
when he serves his fourth term
Just you wait and see
我々は確信してる
この子は第四任期まで務めるって*9
今に見ててごらんよ

(Yeah!)
(そうとも!)

He'll make history!
この子は歴史に名を刻むよ!

(Yeah!)
(そうとも!)

'cause he's Franklin D. Roosevelt Jones!
だってこの子はフランクリン・D・ルーズベルト・ジョーンズだから!

*1 hear say...とも。「〜のことを言ってるのを聞く」「〜だと噂に聞く」という意味。
*2 hear tellと似たような使い方。ゴシップニュースなどで「その筋によると…」という意味でよく使われる言葉でもある。
*3 洗礼式とも。キリスト教徒、ひいてはその地域のコミュニティの一員となるための礼拝。この時にいわゆるミドルネーム、クリスチャンネームがつけられる。キリスト教徒がほとんどである欧米では、洗礼式=命名式であることもある。
*4 ここでのブランドは「その一家オリジナルの」とかそんな意味。
*5 もちろんアメリカ第32代大統領フランクリン・デラノ・ルーズベルトのこと。アメリカで史上唯一4期当選を果たした大統領。その後「大統領は2期まで」という条例が作られた。ニューディール政策によりアメリカを大恐慌から立ち直らせたことで評価が高い一方で、日本人が大嫌いで真珠湾攻撃を知ってたくせに黙ってたり、妻エレノアの反対を押し切り日系人収容所を作らせたことでも知られる。フーバー元大統領は「戦争したかっただけの狂人」とこき下ろしてさえいる。第26代大統領セオドア・ルーズベルトとは遠い親戚。
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*6 a stick in the mudは退屈で保守的な人間、古風な頑固者のこと。泥沼に突っ込んだ棒杭が動かないことからくる。
*7 FDRの妻エレノアの大叔父で、FDRの遠い親戚でもあるロバート・ルーズベルトは、熱心な釣りマニアとして知られた。
*8 FDRが毎週行っていたラジオ演説。これにより国民に大統領に対する親しみをもたせ、人気を高めた。
*9 もちろんFDRが四任期を務めたことに由来。

text & tune: Harold Rome(1908-1993)

1941年公開の「ブロードウェイ(Babes on Broadway)」というモノクロ映画の劇中歌。黒人のコスプレをした白人によって演じられる「ミンストレル・ショー」仕立てとなっている。
「ミンストレル・ショー」は19世紀アメリカで流行したエンターテイメント。ダンス・音楽・寸劇なんでもござれで、アメリカのあらゆるエンタメの原型とされるが、差別的な内容のものも多く、次第に廃れた。ジュディが演じる「ミスター・タンボ」はタンバリン奏者のこと。
「Mrs. Jones' baby boy/is a welcome resident...」からのメロディは、アメリカ民謡Yankee Doodle《ヤンキー・ドゥードゥル》(いわゆる「アルプス一万尺」)が使われている。

なお、本来は1983年に公開された「Sing Out the News」というミュージカルの歌。たちまち流行歌となり、ミルス・ブラザーズやエラ・フィッツジェラルド、キャブ・キャロウェイなど様々な歌手にカバーされた。とは言え、FDRは熱烈な白人至上主義者だったとも言われているので、この曲を黒人歌手が歌うのはだいぶひねくれている。

こういう大げさな名前をつけられた子が将来本当に大成するかどうかは、お察しください。

Judy Garland
収録アルバム: Spirit


おまけ:吹き替えもないし字幕もないの

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# by CockRobin96 | 2017-03-05 12:56 | Trackback | Comments(0)

Old Yeller《黄色い老犬》


Old Yeller
(老いぼれイエラーよ!)*1

Here, Yeller
Come back Yeller
Best doggone dog in the west
こっちだ、イエラー
戻ってこい、イエラー
西部で最高のあん畜生

Old Yeller was a mongrel
An ugly lop-eared mongrel
Fancy free without a family tree
老いぼれイエラーは雑種犬
みっともない垂れ耳の雑種犬
血統書いらずのおひとりさま

But he could up and do it
And prove there's nothin' to it
And that's how a good dog should be
でも奴は何かをぱっとやってのける
証明なんていらない
それがいい犬のやり方なのさ

Here, Yeller
Come back Yeller
Best doggone dog in the west
こっちだ、イエラー
戻ってこい、イエラー
西部で最高のあん畜生

Old Yeller was a hunter
A rarin', tearin' hunter
And then he chased he knew just how to run
老いぼれイエラーはハンターだ
獲物をズタズタにしたくてしょうがないハンター
追いかけるための走り方をよく知ってる

And when he hunted trouble
He always found it double
And that's when Old Yeller had fun
やっかいな獲物を仕留めたら
奴はいつだってお次を見つけ出す
それが老いぼれイエラーには楽しみなのさ

Here, Yeller
Come back Yeller
Best doggone dog in the west
こっちだ、イエラー
戻ってこい、イエラー
西部で最高のあん畜生

Old Yeller was a fighter
A rootin', tootin' fighter
In any scrap he knew just what to do
(Knew what to do)
老いぼれイエラーはファイターだ
ハチャメチャなファイターだ
ケンカの時はどうしたらいいのかよく知ってる*2
(よく知ってる!)

A rough and ready feller
Although his coat was yeller
His bold Texas heart was true blue
(True Blue)
荒っぽくてこすい奴
毛皮は黄色くても
テキサス魂は本物のブルー*3
(本物のブルー!)

Here, Yeller
Come back Yeller
Best doggone dog in the west
こっちだ、イエラー
戻ってこい、イエラー
西部で最高のあん畜生

Here, Yeller
Come back Yeller
Best doggone dog in the west
Best doggone dog in the west
こっちだ、イエラー
戻ってこい、イエラー
西部で最高のあん畜生
西部で最高のあん畜生さ

*1 yellerは直訳すると「黄色っぽい」という意味だが、白人と黒人の混血をこう呼ぶこともある。出所不明の雑種犬であることを揶揄してもいる。
*2 スクラップは普通ガラクタやきれっぱしのことだが、口語ではケンカのこともいう。
*3 true blueは純正品、本物、忠実なものという意味。もともとはラピスラズリを使った顔料が色褪せないことからきた言葉。

text: Hazel(Gill) George(1904-1996)
tune: Oliver Wallace(1887-1963)

フレッド・ギプソン(ギブソンではない)原作で、ディズニーに映画化された『黄色い老犬』のテーマソング。
「old」と呼ばれているが、この犬の場合は「親父」「おっさん」くらいに近いかもしれない。
以下はあらすじとネタバレ。
父が出稼ぎに出てしまい、母と残された兄弟が、ある日ふらりとやってきた黄色い野良犬を飼う羽目になる。野良犬は盗み食いは働くわ近所の雌犬をはらますわとやりたい放題のろくでもない奴だったが、熊に襲われた弟をかばったり、暴れ牛をこらしめたりもするので、兄は犬に一目置くようになる。ある日元の飼い主が犬を連れ戻しにくるが、悲しげな兄弟を見て断念する。しかしその後、狂犬病が大流行し(当時は予防接種なんかなかった)、狂犬病にかかったオオカミが母親を襲う。犬の活躍で母は助かるが、オオカミに噛まれた犬も狂犬病に感染する。凶暴化した犬を兄が泣く泣く撃ち殺すという、およそ犬好きは見ない方がいいというような映画。
最後に、雌犬の飼い主の少女が犬の遺児となった子犬を連れてくるという希望がかろうじてある。

一時期huluで公開されていた。ニコニコ動画でも公開されている。
差別語に富む歌詞のせいか、現在ではあまりディズニーミュージックに入れてもらえてない。

永遠のディズニー・ミュージック大全集


amazonでは残念ながら原語版DVDしかない模様。



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# by CockRobin96 | 2017-02-18 10:53 | Trackback | Comments(0)

Thou wilt keep him《御身その者を守り給わん》(自由部門)

第一回プラチナブロガーコンテスト

Thou wilt keep him in perfect peace,
whose mind is stayed on thee.
あなたはその者を全き平和のうちにお守りくださる、
その心をあなたに寄り添わせる者を。*1

The darkness is no darkness with thee,
but the night is as clear as the day.
The darkness and the light
to thee are both alike.
闇もあなたにとっては闇ではなく、*2
夜でも昼のように透みきっている。
闇も光も、
あなたには同じものです。*3

God is light,
and in him is no darkness at all.
O let my soul live,
and it shall praise thee.
For thine is the kingdom,
the power and the glory,
for evermore.
神は光、
そのうちに闇はない。*4
わたしの魂を活かしてください、
そして魂にあなたを賛美させてくださいますように。*5
み国と、
力と栄光はあなたのものだからです、
とこしえにかぎりなく。*6

Thou wilt keep in perfect peace,
whose mind is stayed on thee,
is stayed on thee.
あなたはその者を全き平和のうちにお守りくださる、
その心をあなたに寄り添わせる者を、
あなたに寄り添わせる者を。

*1 「堅固な思いを、あなたは平和に守られる/あなたに信頼するゆえに、平和に。」(イザヤ書26:03)
*2 このwithは関連、関係を表す。
*3 「闇もあなたに比べれば闇とは言えない。夜も昼も共に光を放ち/闇も、光も、変わるところがない。」(詩篇139:12)
*4 新共同訳では 「光は暗闇の中で輝いている」(ヨハネによる福音書1:5)となっているが、英語のバージョンでは多数のバージョンが「God is Light, and there is no darkness at all in him.」となっている。新共同訳がギリシャ語本を底本にしているせいかもしれない。
*5 「わたしの魂が命を得てあなたを賛美しますように。」(詩篇119:175)
*6 「主の祈り」の一部。→The Lord's Prayer《カリブ海の主の祈り》

text: 上記の通り、詩篇その他のちゃんぽん。
tune: Samuel Sebastian Wesley(1810-1876) Blessed be the God and Father《神とその御父が祝福されんことを》の作曲者でもある。

S・S・ウェスレーはメソジスト派の作曲者として知られるCharles Wesley(1707-1788)の孫息子。ただし、父サミュエルは10代のメイドに手を出して妻と離婚し、その後メイドを内縁の妻として4人もの子を産ませたクズ。ということで庶子という扱いにはなるが、祖父及び父親の音楽の才能を豊かに受け継ぎ、オルガン奏者及び合唱指揮者、また作曲家として活躍した。ミドルネームのセバスチャンは、父が敬愛するバッハから取られている。
メソジスト派の一族出身ではあるが、主な仕事はイングランド国教会のためのものであった。

Consortium
収録アルバム: Let Us Now Praise Famous Men


おまけ
Judith Bingham(1952-)というメゾソプラノ歌手で女流作曲家でもある人が、この曲を元にしてさらに展開させた合唱曲を作っている。
Robina Redgard-Siler
収録アルバム: Bingham: Choral Works

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# by CockRobin96 | 2017-01-28 22:42 | Trackback | Comments(0)

Rum & Coca Cola《ラム&コカ・コーラ》(自由部門)

第一回プラチナブロガーコンテスト

If you ever go down Trinidad
They make you feel so very glad
Calypso sing and make up rhyme
Guarantee you one real good fine time
トリニダード島に降りてみたことあるかい?*1
そこは素敵な気分にさせてくれるところ
カリプソ歌ってリズムをとって*2
本当に気持ちのいいひととき請け合いだよ

*Drinkin' rum and Coca-Cola
Go down Point Koomahnah
Both mother and daughter
Workin' for the Yankee dollar
*ラム&コカコーラを飲んで*3
 クマナ岬へ降りていこう*4
 お母さんも娘さんも
 金持ちアメリカ人をもてなすよ

Oh, beat it man, beat it
(急げお前ら、急げ!)

Since the Yankee come to Trinidad
They got the young girls all goin' mad
Young girls say they treat 'em nice
Make Trinidad like paradise
アメリカ人がトリニダードに来た時から
女の子たちはみんなのぼせっぱなし
女の子たちは言うよ、「皆さんが優しく扱ってくれるから
トリニダードが楽園みたいになるの」

*Refrain
*繰り返し

Oh, you vex me, you vex me
(ああ、じれったいネ、もう)

From Chicachicaree to Mona's Isle
Native girls all dance and smile
Help soldier celebrate his leave
Make every day like New Year's Eve
チャカチャカレからモノス島まで*5
現地娘たちはみんなダンスにスマイル
兵隊さんを世話して出立をお祝いして
毎日が大晦日みたいなお祭り騒ぎ

*Refrain
*繰り返し

It's a fact, man, it's a fact
(ホントにネ、ホントニソウだネ)

In old Trinidad, I also fear
The situation is mighty queer
Like the Yankee girl, the native swoon
When she hear der Bingo croon
昔のトリニダードは怖いね
とってもいかがわしいシチュエーション
アメリカ娘と同じに、現地娘はうっとりしちゃう
ビング・クロスビーよろしく低音で囁かれると*6

*Refrain
*繰り返し

Out on Manzanella Beach
G.I. romance with native peach
All night long, make tropic love
Next day, sit in hot sun and cool off
マンザネラビーチに出てみると*7
軍人さんが桃尻娘とロマンスしてる
夜通し熱帯エッチして*8
次の日はお日様に当たってクールオフ

*Refrain
*繰り返し

It's a fact, man, it's a fact
(ホントにネ、ホントニソウだネ)

Rum and Coca-Cola
Rum and Coca-Cola
Workin' for the Yankee dollar
ラム&コカ・コーラ
ラム&コカ・コーラ
金持ちアメリカ人をもてなすよ!

*1 トリニダード・トバゴ島を指す。キューバではない。
*2 カリプソはトリニダード島で発達した黒人音楽。またはこのスタイルの歌。レゲエのルーツとも。カリプソはもともとはギリシャ神話の英雄オデッセウスがオーギュギア島に漂着した時に七年間もの間引き止めた海の精の名。
*3 キューバ・リブレというカクテルに似ているが、キューバ・リブレはライムジュースを入れることもある。入れないこともある。
*4 地図上ではCumana。
*5 どちらもトリニダード島の端っこにある小島。地図上ではChacahacare、Monosと書く。
*6 der Bingoはビング・クロスビーの愛称。
*7 地図上ではManzanilla。
*8 make loveでそのまま「エッチする」。なんと直裁な。

text&tune: Lord Invader(Rupert Westmore Grant1914 -1961) & Lionel Belasco(1881-1967)によるオリジナルをアレンジしたもの

本来はもっと皮肉に満ちたあけすけな歌詞だったようだが、歌詞を改変され(一部改変しきれてない気がするが)アンドリュース・シスターズによって歌われたこの曲は大ヒットし、10 週間ヒットチャート1 位を記録した。
コカ・コーラが商標に引っかかるので、一時放送禁止になったとも。
Lord Invaderによるオリジナルバージョン。


おまけ
渋谷夜話 とってもかわいそうなトリニダードの男達

The Andrews Sisters
収録アルバム: Civilization

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# by CockRobin96 | 2017-01-26 23:03 | Trackback | Comments(0)

Shanghai Lil《上海リル》(自由部門)

第一回プラチナブロガーコンテスト

I've covered every little highway
And I've been climbing every hill
あらゆる小路を巡り歩き
あらゆる山を登ってきた

I've been looking high
and I've been looking low
Looking for my Shanghai Lil
あちらを探し
こちらも探す*1
僕の上海リルを探して*2

The stars that hang high over Shanghai
Bring back the memory of a thrill
上海の上空にかかる星たちが
あのときめきを想い出させる

I've been looking high
and I've been looking low
Looking for my Shanghai Lil
あちらを探し
こちらも探す
僕の上海リルを探して

I learned to love her
The little devil
was just a butterfly
彼女に惚れてることに気づいてしまった
あの小悪魔は
まるで蝶々のよう*3

But you'd discover
something on the level
Shining in her eye
皆が見つけたのは
目の高さにある何か*4
彼女の瞳で輝くものだけ

Oh, I've been trying to forget her
But what's the use, I never will
ああ、彼女を忘れようとしたんだ
けれど無駄だった、できっこない*5

I'll be looking high
and I'll be looking low
'Till I find my Shanghai Lil
あちらを探し続け
こちらを探し続けるだろう
僕の上海リルを見つけ出すまで

*1 high and lowは直訳すると「高く低く」だが、「山を越え谷を越え」転じて「あちらこちら」を意味する慣用句。本当に山を越えたり谷を越えたりはしてない。
*2 LilはLillyの愛称とも取れるが、Little(Li'l。おチビさん)のことでもある。つまりこのリルは男に使えなくもない。1932年公開の映画「上海特急」でマレーネ・ディートリッヒ演じる悪女「上海リリー」へのオマージュもあるかもしれない。
*3 「蝶々夫人」の影響か、欧米の人々はアジア系美少女に蝶々を感じるらしい。そして日本人と中国人の区別つかん奴が山ほどいるらしい。我々もフランス人とドイツ人の区別つかないしお互い様だが。
*4 on the levelは「平地」「水平」「本気」「本当」「同規模」「同レベル」とか色々な意味がある。とりあえず「目の高さにある何か」と訳したが、「何かだけが見つかった」とかいう意味かもしれない。
*5 what's the useで「何に使うのそれ? →使えないよねそれ=無駄」という意味の慣用句。

text: Al Dubin(1891-1945)
tune: Harry Warren(1893-1981)

1933年のレビュー映画「フットライトパレード」の劇中劇の歌として初出。当時の上海はイギリス、フランス、アメリカ、日本の租界(外国人居留地)があり、「魔都」「東洋のパリ」などと呼ばれ、中国最大の金融都市として繁栄し、様々な人種のるつぼとなっていた。
中国と縁深い日本でもこの曲は気に入られ、日本人歌手によって様々な日本語訳で歌われた。
ディック・ミネによる訳詩

I've been looking high/and I've been looking lowを「ある時は空を駆け ある時は汽車に乗り」って意訳するの好き

1951年、この歌をオマージュした津村謙による「上海帰りのリル」という歌が発表され、ヒットした。

他の人による「上海リル」概説
「フットライトパレード」あらすじ

Dick Robertson, Gene Kardos & His Orchestra
収録アルバム: We Call It Jazz!, Vol. 53


CDのみ


おまけ

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# by CockRobin96 | 2017-01-15 10:25 | Trackback | Comments(0)