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Minnie the Moocher《ミニー・ザ・ムーチャー》

ベティの家出版

ブルース・ブラザーズの劇中歌

Folks, Now here's the story 'bout Minnie the Moocher,
She was a red-hot hootchie-cootcher,
She was the roughest, Toughest frail,
But Minnie had a heart as big as a whale
皆の衆よ、これがはぐれミニーの物語*1
その娘はお熱い踊り子で*2*3
最高にガサツでタフな突き出し女*4
でもミニーはクジラみたいにでっかい心の持ち主だった

Ho-de-ho-de-ho,
(Ho-de-ho-de-ho,)
Hi-de-hi-de-hi-de-hi,
(Hi-de-hi-de-hi-de-hi,)
He-de-he-de,
(He-de-he-de,)
Ho-de-ho-de-ho,
(Ho-de-ho-de-ho)

She messed around with a bloke named Smoky,
She loved him though he was cokie,
He took her down to Chinatown,
He showed her how to kick the gong around,
(Showed her how to kick the gong around)
ミニーがいちゃつく野郎はスモーキーという名だった*5 *6
ミニーはスモーキーが大好きだったけど、奴はジャンキーだった
奴はミニーをチャイナタウンへ連れてって
アヘンの吸い方を教えてやったのさ*7

Hi-de-hi-de-hi-de-hi-de-hi-de-hi-de-hi,
(Hi-de-hi-de-hi-de-hi-de-hi-de-hi-de-hi,)
He-de-he-de-he-de-he-de-he-de-he,
(He-de-he-de-he-de-he-de-he-de-he,)
Ho-de-ho-he-doddy-hay, (Ho-de-ho-he-doddy-hay,)
Ho-de-ho-de-ho, (Hi-de-hi-de-ho)

Now, she had a dream about the king of Sweden,
He gave her things that she was needin',
He gave her a home built of gold and steel,
A diamond car with a platinum wheel
ミニーが夢見たのはスウェーデンの王様のこと
王様はミニーが欲しいものをなんでもくれた
王様は金と鋼鉄で建てた家もくれた
プラチナの車輪のついたダイヤモンドの車も

Oh, skip-bop-doop-bop-lay-de-doo,
(Oh, skip-bop-doop-bop-lay-de-doo, )
Skee-bop-de-google-eet-skee-bop-de-goat,
(Skee-bop-de-google-eet-skee-bop-de-goat, )
Skeet-dot'n-dot'n-dot'n-dot'n-dottee-oh,
(Skeet-dot'n-dot'n-dot'n-dot'n-dottee-oh, )
Hi-de-hii-de-ho,
(Hi-de-hii-de-ho)

Now, He gave her his townhouse and his racing horses,
Each meal she ate was a dozen courses,
She had a million dollars worth of nickels and dimes,
And she sat around and counted them all a billion times
王様がくれたのはお屋敷に競走馬
ミニーが食べたのは12コースもの料理
ミニーが持つのは億万長者くらいのニッケル貨や小銭*8
それを無限に数える以外何もしなかった*9

Ho-de-ho-de-ho,
(Ho-de-ho-de-ho,)
Hi-de-hi-de-hi,
(Hi-de-hi-de-hi)

*1 moocherは浮浪者、せびり屋、騙されやすいカモ、ヤク中などの意味がある。ミニーちゃんはその全部でもある。かわいそう。
*2 red hotはセクシーという意味もある。
*3 hootchy-kootchyとも。腰をくねらせるベリーダンサーのことだが、性的にそそる女という意味でもある。
*4 frailは脆い、か弱いという意味だが、男に騙されて金を取らずに相手してしまう新米娼婦のことも指す。ダメじゃん。
*5 mess around with...で(性的に)いちゃつく、困らせる、ふざけあう、弄ぶという意味がある。ミニーがスモーキーに懐いてつきまとっていたという意味かもしれない。
*6 smokyは煙たい、ススまみれという意味だが、黒人、アヘン常習者という意味もある。フルネームはSmoky Joeとされ、キャブの他二曲Kickin' the Gong Around《アヘンを吸いながら》、Ghost of Smokey Joe《スモーキー・ジョーの亡霊》にも登場し、ミニーを探し回る亡霊となっている。ちなみにblokeは「あの男」「奴」という意味だが、コカイン(coke)と韻を踏む言葉でもある。
*7 kick the gong aroundで「アヘンを吸う」。アヘン窟へ入る時に銅鑼でも叩いたのか?
*8 お札とか金貨とか見たことないから想像できないんだね。かわいそう。
*9 sit aroundで「何もせずぼーっとしている」。アヘンで完全にぶっ飛んでしまっている。

text & tune: Cab Calloway(1907-1994)

バージョンによっては、最後に「Poor Min(かわいそうなミニー・ミン)」という歌詞がつく。全て過去形になっているので、ミニーは現在すでに死亡しているとも取れる。
あとものすごいスラングまみれで絶対教育上よろしくない。

キャブは1930~1940年代にかけて一世を風靡したアフリカ系アメリカ人のジャズシンガーであり、バンドリーダー。当時の様子は映画『コットン・クラブ』でうかがうことができる(キャブのそっくりさんも劇中歌に登場している)。父は弁護士、母はオルガニストという恵まれた家庭に育ち、音楽の教育を受け、姉のブランチと共にジャズシンガーへの道を邁進する。ルイ・アームストロングに教えてもらったスキャット唱法を多用する独特の芸風により「ハイデホー・マン」というあだ名がついた。ベティのアニメの他、音楽番組や音楽映画にも多数出演し、多くの映像記録が残っている。サンキューキャブ。
1950年以降は映画や演劇にステージを移し、1980年以降は映画『ブルース・ブラザーズ』及び子供向け番組『セサミ・ストリート』でリバイバルする。86歳で家族に見守られ逝去するという充実した人生であった。彼の功績をたたえ、彼の名を冠した奨学金基金やアートスクール、オーケストラが設立されている。

あまりに音楽記録が多いので、これはそのうちの1バージョンに過ぎない。
色々聴き比べてみても面白いかもしれない。
Cab Calloway Cotton Club Orchestra
収録アルバム: Inspired By The Motion Picture "Cotton Club"


おまけ:キャブが活躍した、従業員やエンターテイナーは全て黒人で客は全て上流階級の白人というナイトクラブ「コットンクラブ」を舞台に、己の才能を武器にのしあがりを目指す若者たちの群像と当時の世相を活写したコッポラ監督の映画。


おまけその2:あらゆるアメリカ音楽をオマージュした、あらすじがあってないような音楽映画。大御所が多数出演してることでも有名。キャブは主人公のブルース兄弟を孤児院で面倒を見てくれたおじさんという役で登場。ブルース兄弟がライブコンサートに到着するまでの時間稼ぎとして、Minnie the Moocherを歌う。

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by CockRobin96 | 2017-05-20 10:49 | Trackback | Comments(0)

F.D.R. Jones《F.D.R.ジョーンズ》


I hear tell
there's a stranger in the Jones household
噂を聞いたよ*1
ジョーンズ一家に新顔がいるって

(Yes siree, yes siree)
(そうともさ、そうともさ)

That's what I'm told
I hear tell
there's a new arrival six days old.
聞くところによると*2
噂では
その子は生まれてたった6日目

(Yes siree, yes siree)
(そうともさ、そうともさ)

Worth his weight in gold.
Come right in,
and meet the son
Christenings done,
time to have some fun
その重さは純金並みの価値があるそうな
さあおいでよ、
その息子くんに会おうよ
命名式は終わった*3
愉快なひとときを過ごそうよ

(Yes siree, yes siree)
(そうともさ、そうともさ)

It's a big holiday everywhere
For the Jones family has a brand new heir
He's a joy, heaven-sent
And we proudly present
Mr. Franklin D. Roosevelt Jones
その日はどこでもお祝い騒ぎ
ジョーンズ一家に新しい後継ぎができたんだもの*4
この子こそ喜び、天からの授かりもの
ご紹介いたしましょう、
我らがフランクリン・D・ルーズベルト・ジョーンズ氏を!*5

When he grows up he never will stray
With a name like the one that he's got today
When he walks down the street
Folks will say "Pleased to meet"
"Mr. Franklin D. Roosevelt Jones"
この子が大きくなっても決して道を踏み外さない
今日彼につけられたこの名があるからには
彼が通りをゆく時には
みんなきっと言う、「お会いできて嬉しいです」
「フランクリン・D・ルーズベルト・ジョーンズさん!」

What a smile,
and how he show it
He'll be happy,
all day long
なんていい笑顔だろ、
この子がどんな風かごらんよ
この子はハッピーな気持ちにしてくれる
一日中ずっと

What a name,
I'll bet he knows it
With that handle,
how can he go wrong
なんていい名前だろ、
賭けてもいいよ、この子にはわかってる
ハンドルをしっかり握ってるから
どうして間違った方向に行くなんてことがあるだろう

And the folks in the town all agree
He'll be famous and famous as he can be
How can he be a dud,
or a stick in the mud
When he's Franklin D. Roosevelt Jones
町中みんなが賛成するよ
この子はこれ以上ないくらい有名になるって
どうして不良になんてなったり
泥沼にはまったりするもんか*6
この子がフランクリン・D・ルーズベルト・ジョーンズであるからには

Go to sleep my baby,
and maybe,
you'll balance the budget by and by
おやすみ、赤ちゃん
もしかして
もうすぐ国家予算を動かすようになるかも

You're a lucky baby
with Franklin D. for your name
あなたはラッキーな赤ちゃん
フランクリン・Dを名前にもらった子

Mrs. Jones' baby boy
is a welcome resident
Give him a fishing rod for a toy,
he's the future president
ジョーンズ氏の坊やは
大歓迎のお客様
おもちゃに釣竿をあげよ*7
彼こそ未来の大統領

When this rascal goes to school
ABC's won't matter
Teach him plain old 'rithmatic
and of course the Fireside Chatter
このいたずらっ子が学校に上がっても
ABCも無問題
算数の初歩も教えてあげよ
もちろん「炉辺談話」もね*8

My friends,
let's all shout Hooray!
我が友たちよ
みんなで万歳を叫ぼう!

(It's a big holiday everywhere
For the Jones family has a brand new heir)
(その日はどこでもお祝い騒ぎ
ジョーンズ一家に新しい後継ぎができたんだもの)

We'll be proud to affirm
when he serves his fourth term
Just you wait and see
我々は確信してる
この子は第四任期まで務めるって*9
今に見ててごらんよ

(Yeah!)
(そうとも!)

He'll make history!
この子は歴史に名を刻むよ!

(Yeah!)
(そうとも!)

'cause he's Franklin D. Roosevelt Jones!
だってこの子はフランクリン・D・ルーズベルト・ジョーンズだから!

*1 hear say...とも。「〜のことを言ってるのを聞く」「〜だと噂に聞く」という意味。
*2 hear tellと似たような使い方。ゴシップニュースなどで「その筋によると…」という意味でよく使われる言葉でもある。
*3 洗礼式とも。キリスト教徒、ひいてはその地域のコミュニティの一員となるための礼拝。この時にいわゆるミドルネーム、クリスチャンネームがつけられる。キリスト教徒がほとんどである欧米では、洗礼式=命名式であることもある。
*4 ここでのブランドは「その一家オリジナルの」とかそんな意味。
*5 もちろんアメリカ第32代大統領フランクリン・デラノ・ルーズベルトのこと。アメリカで史上唯一4期当選を果たした大統領。その後「大統領は2期まで」という条例が作られた。ニューディール政策によりアメリカを大恐慌から立ち直らせたことで評価が高い一方で、日本人が大嫌いで真珠湾攻撃を知ってたくせに黙ってたり、妻エレノアの反対を押し切り日系人収容所を作らせたことでも知られる。フーバー元大統領は「戦争したかっただけの狂人」とこき下ろしてさえいる。第26代大統領セオドア・ルーズベルトとは遠い親戚。
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*6 a stick in the mudは退屈で保守的な人間、古風な頑固者のこと。泥沼に突っ込んだ棒杭が動かないことからくる。
*7 FDRの妻エレノアの大叔父で、FDRの遠い親戚でもあるロバート・ルーズベルトは、熱心な釣りマニアとして知られた。
*8 FDRが毎週行っていたラジオ演説。これにより国民に大統領に対する親しみをもたせ、人気を高めた。
*9 もちろんFDRが四任期を務めたことに由来。

text & tune: Harold Rome(1908-1993)

1941年公開の「ブロードウェイ(Babes on Broadway)」というモノクロ映画の劇中歌。黒人のコスプレをした白人によって演じられる「ミンストレル・ショー」仕立てとなっている。
「ミンストレル・ショー」は19世紀アメリカで流行したエンターテイメント。ダンス・音楽・寸劇なんでもござれで、アメリカのあらゆるエンタメの原型とされるが、差別的な内容のものも多く、次第に廃れた。ジュディが演じる「ミスター・タンボ」はタンバリン奏者のこと。
「Mrs. Jones' baby boy/is a welcome resident...」からのメロディは、アメリカ民謡Yankee Doodle《ヤンキー・ドゥードゥル》(いわゆる「アルプス一万尺」)が使われている。

なお、本来は1983年に公開された「Sing Out the News」というミュージカルの歌。たちまち流行歌となり、ミルス・ブラザーズやエラ・フィッツジェラルド、キャブ・キャロウェイなど様々な歌手にカバーされた。とは言え、FDRは熱烈な白人至上主義者だったとも言われているので、この曲を黒人歌手が歌うのはだいぶひねくれている。

こういう大げさな名前をつけられた子が将来本当に大成するかどうかは、お察しください。

Judy Garland
収録アルバム: Spirit


おまけ:吹き替えもないし字幕もないの

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by CockRobin96 | 2017-03-05 12:56 | Trackback | Comments(0)

Rum & Coca Cola《ラム&コカ・コーラ》(自由部門)

第一回プラチナブロガーコンテスト

If you ever go down Trinidad
They make you feel so very glad
Calypso sing and make up rhyme
Guarantee you one real good fine time
トリニダード島に降りてみたことあるかい?*1
そこは素敵な気分にさせてくれるところ
カリプソ歌ってリズムをとって*2
本当に気持ちのいいひととき請け合いだよ

*Drinkin' rum and Coca-Cola
Go down Point Koomahnah
Both mother and daughter
Workin' for the Yankee dollar
*ラム&コカコーラを飲んで*3
 クマナ岬へ降りていこう*4
 お母さんも娘さんも
 金持ちアメリカ人をもてなすよ

Oh, beat it man, beat it
(急げお前ら、急げ!)

Since the Yankee come to Trinidad
They got the young girls all goin' mad
Young girls say they treat 'em nice
Make Trinidad like paradise
アメリカ人がトリニダードに来た時から
女の子たちはみんなのぼせっぱなし
女の子たちは言うよ、「皆さんが優しく扱ってくれるから
トリニダードが楽園みたいになるの」

*Refrain
*繰り返し

Oh, you vex me, you vex me
(ああ、じれったいネ、もう)

From Chicachicaree to Mona's Isle
Native girls all dance and smile
Help soldier celebrate his leave
Make every day like New Year's Eve
チャカチャカレからモノス島まで*5
現地娘たちはみんなダンスにスマイル
兵隊さんを世話して出立をお祝いして
毎日が大晦日みたいなお祭り騒ぎ

*Refrain
*繰り返し

It's a fact, man, it's a fact
(ホントにネ、ホントニソウだネ)

In old Trinidad, I also fear
The situation is mighty queer
Like the Yankee girl, the native swoon
When she hear der Bingo croon
昔のトリニダードは怖いね
とってもいかがわしいシチュエーション
アメリカ娘と同じに、現地娘はうっとりしちゃう
ビング・クロスビーよろしく低音で囁かれると*6

*Refrain
*繰り返し

Out on Manzanella Beach
G.I. romance with native peach
All night long, make tropic love
Next day, sit in hot sun and cool off
マンザネラビーチに出てみると*7
軍人さんが桃尻娘とロマンスしてる
夜通し熱帯エッチして*8
次の日はお日様に当たってクールオフ

*Refrain
*繰り返し

It's a fact, man, it's a fact
(ホントにネ、ホントニソウだネ)

Rum and Coca-Cola
Rum and Coca-Cola
Workin' for the Yankee dollar
ラム&コカ・コーラ
ラム&コカ・コーラ
金持ちアメリカ人をもてなすよ!

*1 トリニダード・トバゴ島を指す。キューバではない。
*2 カリプソはトリニダード島で発達した黒人音楽。またはこのスタイルの歌。レゲエのルーツとも。カリプソはもともとはギリシャ神話の英雄オデッセウスがオーギュギア島に漂着した時に七年間もの間引き止めた海の精の名。
*3 キューバ・リブレというカクテルに似ているが、キューバ・リブレはライムジュースを入れることもある。入れないこともある。
*4 地図上ではCumana。
*5 どちらもトリニダード島の端っこにある小島。地図上ではChacahacare、Monosと書く。
*6 der Bingoはビング・クロスビーの愛称。
*7 地図上ではManzanilla。
*8 make loveでそのまま「エッチする」。なんと直裁な。

text&tune: Lord Invader(Rupert Westmore Grant1914 -1961) & Lionel Belasco(1881-1967)によるオリジナルをアレンジしたもの

本来はもっと皮肉に満ちたあけすけな歌詞だったようだが、歌詞を改変され(一部改変しきれてない気がするが)アンドリュース・シスターズによって歌われたこの曲は大ヒットし、10 週間ヒットチャート1 位を記録した。
コカ・コーラが商標に引っかかるので、一時放送禁止になったとも。
Lord Invaderによるオリジナルバージョン。


おまけ
渋谷夜話 とってもかわいそうなトリニダードの男達

The Andrews Sisters
収録アルバム: Civilization

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by CockRobin96 | 2017-01-26 23:03 | Trackback | Comments(0)

Shanghai Lil《上海リル》(自由部門)

第一回プラチナブロガーコンテスト

I've covered every little highway
And I've been climbing every hill
あらゆる小路を巡り歩き
あらゆる山を登ってきた

I've been looking high
and I've been looking low
Looking for my Shanghai Lil
あちらを探し
こちらも探す*1
僕の上海リルを探して*2

The stars that hang high over Shanghai
Bring back the memory of a thrill
上海の上空にかかる星たちが
あのときめきを想い出させる

I've been looking high
and I've been looking low
Looking for my Shanghai Lil
あちらを探し
こちらも探す
僕の上海リルを探して

I learned to love her
The little devil
was just a butterfly
彼女に惚れてることに気づいてしまった
あの小悪魔は
まるで蝶々のよう*3

But you'd discover
something on the level
Shining in her eye
皆が見つけたのは
目の高さにある何か*4
彼女の瞳で輝くものだけ

Oh, I've been trying to forget her
But what's the use, I never will
ああ、彼女を忘れようとしたんだ
けれど無駄だった、できっこない*5

I'll be looking high
and I'll be looking low
'Till I find my Shanghai Lil
あちらを探し続け
こちらを探し続けるだろう
僕の上海リルを見つけ出すまで

*1 high and lowは直訳すると「高く低く」だが、「山を越え谷を越え」転じて「あちらこちら」を意味する慣用句。本当に山を越えたり谷を越えたりはしてない。
*2 LilはLillyの愛称とも取れるが、Little(Li'l。おチビさん)のことでもある。つまりこのリルは男に使えなくもない。1932年公開の映画「上海特急」でマレーネ・ディートリッヒ演じる悪女「上海リリー」へのオマージュもあるかもしれない。
*3 「蝶々夫人」の影響か、欧米の人々はアジア系美少女に蝶々を感じるらしい。そして日本人と中国人の区別つかん奴が山ほどいるらしい。我々もフランス人とドイツ人の区別つかないしお互い様だが。
*4 on the levelは「平地」「水平」「本気」「本当」「同規模」「同レベル」とか色々な意味がある。とりあえず「目の高さにある何か」と訳したが、「何かだけが見つかった」とかいう意味かもしれない。
*5 what's the useで「何に使うのそれ? →使えないよねそれ=無駄」という意味の慣用句。

text: Al Dubin(1891-1945)
tune: Harry Warren(1893-1981)

1933年のレビュー映画「フットライトパレード」の劇中劇の歌として初出。当時の上海はイギリス、フランス、アメリカ、日本の租界(外国人居留地)があり、「魔都」「東洋のパリ」などと呼ばれ、中国最大の金融都市として繁栄し、様々な人種のるつぼとなっていた。
中国と縁深い日本でもこの曲は気に入られ、日本人歌手によって様々な日本語訳で歌われた。
ディック・ミネによる訳詩

I've been looking high/and I've been looking lowを「ある時は空を駆け ある時は汽車に乗り」って意訳するの好き

1951年、この歌をオマージュした津村謙による「上海帰りのリル」という歌が発表され、ヒットした。

他の人による「上海リル」概説
「フットライトパレード」あらすじ

Dick Robertson, Gene Kardos & His Orchestra
収録アルバム: We Call It Jazz!, Vol. 53


CDのみ


おまけ

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by CockRobin96 | 2017-01-15 10:25 | Trackback | Comments(0)

Sachiko《サチコ》

試聴すらない

Back in the land of Hirohito,
かつてヒロヒトの国で*1
I’ve got the cutest koibito
僕は最高にキュートなコイビトをつかまえたんだ
No matter where I go,
僕がどこへ行くにも*2
her kisses haunt me so
彼女のキスが僕を悩ませる
Her name is Sachiko
その娘の名はサチコ

Within the sight of Fujiyama,
フジヤマの姿を眺めながら
I wooed this cherry blossom mama
この桜咲く女の子を口説いたのさ*3
And as the petals fell,
散り落ちる花びらの中で
they cast the magic spell on me and Sachiko
僕とサチコは魔法の呪文をかけられたんだ

*Someday, maybe today,
*いつの日か、今日にでも
 I'm going back there to stay
 僕はかの国で暮らすために戻ってくるよ
 And then I’ll have that yen
 だから「エン」を稼ぐよ
 to go oriental again
 東洋へ再びゆくために
 We parted saying sayonara
 僕らは「サヨナラ」と言いながら別れたけど
 But there is always a tomorrow
 でもかの国ではいつだって未来なんだ*4
 And when it comes I know
 その日が来たらきっと
 to greet me all of a glow,
 顔を真っ赤に輝かせて僕を迎えてくれる
 will be my Sachiko
 僕のサチコはそうしてくれる

*repeat
*繰り返し

*1 ヒロヒトはもちろん昭和天皇(悠仁)のお名前。一時期はオギノと並んで一番有名な日本人の名前だった。オギノはオギノ式のオギノ。なぜならカトリック(キリスト教シェア第1位)ではオギノ式以外の方法による避妊を禁じているからである。
*2 no matter what(which who whrereなど)で、「たとえ何〜であろうとも」という成句
*3 mamaは色っぽいオネーチャンというニュアンスがある。使用例→「あの娘はルイジアナ・ママ」
*4 アメリカと日本の時差は14時間〜17時間。日本が1月1日の朝であるとき、アメリカは地域にもよるが12月31日の午後あたり。

text & tune: Charles Milazzo(?-?)

進駐軍時代の日本で、当時大尉だったミラゾーによって作詞・作曲された。
アマゾンではプレミアがついているが、国会図書館または近所の図書館で試聴できるかもしれない。
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by CockRobin96 | 2016-09-27 23:01 | Trackback | Comments(0)

Lulu's back in town《ルルが街に戻ってくる》


Where's that careless chambermaid?
ドジな小間使いはどこに行った?
Where'd she put my razor blade?
僕のカミソリはどこに置いた?
She mislaid it, I'm afraid,
なくしちゃったんじゃないだろうな
It's gotta be foun'!
ああ、見つけたぞ!

Ask her when she cleaned my room
いつ僕の部屋を掃除したのか聞いたらば
What she did with my perfume;
小間使いときたら僕の香水をどうしたと思う?
I just can't lose it,
なくしちゃダメなんだ
I've gotta use it,
使わなきゃいけないんだ
'Cause Lulu's back in town.
だってルルが街に戻ってくるんだから
 
I Gotta get my old tuxedo pressed, 
昔のタキシードにアイロンをかけたよ
I Gotta sew a button on my vest, 
ベストにボタンをつけ直したよ
'Cause tonight I've gotta look my best, 
だって今夜は最高にカッコよく見せたいんだ
Lulu's back in town. 
ルルが街に戻ってくる

I Gotta get a half a buck somewhere, 
鹿皮の靴の片割れを見つけたよ
I Gotta shine my shoes and slick my hair, 
靴を磨いて髪もなでつけたよ
I Gotta get myself a boutonniere, 
タキシードに花も差したよ*1
Lulu's back in town.
ルルが街に戻ってくる
 
You can tell all my pets,
僕の子猫ちゃんたちに言っといてよ
All my Harlem coquettes;
ハーレム中のかわい子ちゃんたちに*2
Mister Otis regrets
残念ながらオーティス氏は*3
That he won't be aroun'.
おいでになれませんってね

You can tell the mailman not to call,
配達人に呼び鈴を押すなって言っといてよ
I ain't comin' home until the fall,
彼女をオトすまで帰らないよ*4
And I might not get back home at all,
もう二度と帰ってこないかもよ
Lulu's back in town.
ルルが街に戻ってくる

*1 ブートニアともいう。
*2 ニューヨーク市マンハッタン島北東部にある、黒人やプエルトリカン(黒人と白人の混血)が多く住む地域。イスラム教徒の大奥ではない。
*3 コール・ポーターの《残念ながらミス・オーティスは》のパロディ。主人公の名がオーティスというわけではない。ミス・オーティスは昼食会に来られず申し訳なく思っております、それというのも彼女は恋人を殺して…という伝言を、執事が丁寧な口調で淡々と語るという、ちょっと不気味な歌。
*4 the fallにはいろんな意味がある。「秋まで帰らないよ」かもしれないし、「ぶっ倒れるまで帰らないよ」かもしれない。まあ女を口説き落としたらどっちにしても帰らないわな。

text: Al Dubin(1891-1945)
tune: Harry Warren(1893-1981)

ディック・パウエル主演の映画『Broadway Gondolier』(日本未公開)の劇中歌。老若男女問わず愛されたポップソングで、セロニアス・モンクやファッツ・ウォーラーなど多くの歌手にカバーされた。
憧れのマドンナに会うために男がめかしこむというコミカルで他愛のない歌詞だが、殺人事件を扱った《ミス・オーティス》へのオマージュが入っている。当時の流行歌だったというだけかもしれないが。
ドイツの劇作家ヴェデキントの作品で、通称『ルル二部作』と呼ばれる戯曲がある。周囲を次々と不幸に陥れる悪魔的な美少女ルルが、放蕩の果てに娼婦に落ちぶれ、切り裂きジャックに殺害されるというストーリー。まあこのルルとは関係ないかもしれないが、一応。

白黒時代のルーニー・テューンズ『Buddy The Gee Man』では、まるまる一編BGMになっている。なおルルは出てこない。

セサミ・ストリートで歌われた《ルル》。このルルって化け物やんけ!


The Mills Brothers
収録アルバム: Sweet and Slow

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by CockRobin96 | 2016-07-15 21:15 | Trackback | Comments(0)

Pent up in a penthouse《ペントアップ・イン・ア・ペントハウス》


All pent up in a penthouse,
何もかもがペントハウスの中*1
The table is ready for two,
テーブルはふたり分
Our date was for seven,
僕らのデートは7時の約束
It's now past eleven,
今はもう11時過ぎ
Oh, baby, what's happened to you?
ああベイべ、一体どうしちゃったの?

All pent up in a penthouse,
何もかもがペントハウスの中
Cocktails all ready to shake,
どんなカクテルも用意できるのに
The dinner's untasted,
ディナーは手つかずのまま
The evening's been wasted,
一晩を無駄に過ごすなんて
Is this your idea of a break, huh?
これが君の暇つぶしなの?

I keep phonin' your apartment,
君のアパートに電話をかけ続けても
Keep on gettin' no reply;
返事は全然返ってこない
How long must I wait
一体どれだけ待ってればいいの?
While you celebrate
君が楽しく
With some other lucky guy?
他のラッキーな男とつるんでる間にさ

All pent up in a penthouse,
何もかもがペントハウスの中
By midnight if you don't arrive,
君が真夜中までに来ないなら
I'll rush to the window
窓にダッシュして
And I'll throw the table,
テーブルを投げ捨ててやる
The dinner, the cocktails,
ディナーも、カクテルも、
the orchids, and maybe myself,
蘭の鉢も、もしかすると僕も
Right down to the sidewalk and turn left,
真下の歩道に落ちたら、回れ左して
On Riverside Drive.
リバーサイド・ドライブに身投げしてやる!*2

Send me on out there!
僕をあそこに行かせてくれよ!
Yes, yes!
ほら、ほら!
Send me on out there!
僕をあそこに行かせてよ!
Oh, get it straight,
ああ、まっすぐに行かせてよ
get it straight,
まっすぐに行かせてよ
Oh, my!
ああ、もう!

That's your phone ringing, baby,
君の電話が鳴ってるよベイべ、
That's a light tinkle.
ライトがチカチカするよ*3

Come on with it, yes yes!
気をつけてよ、ほら*4

On Riverside Drive, yeah!
リバーサイド・ドライブで、イエア!

*1 男性雑誌…ではなく、マンションなどの最上階。特に金持ちもしくはオーナー向けのものとして、階全体をぶち抜いて一戸建て並みの広さにしてあったり、天井が高かったりする贅沢な部屋。多分この男はホテルの最上階を借り切ったのに彼女に振られたんやね。
*2 マンハッタンのハドソン川沿いにある、リバーサイドパークをぐるっと囲んだ車道。まあホテルの最上階から落っこちた時点で死んでる気がするが。
*3 救急車かな?
*4 本当にこんな意味かは不明。「Come on, out with it!」なら「さっさと言えよ!」、単に「with it」だと注意深いとか、現代的だとか、いろんな意味がある。

text: Tommie Connor(1904-1993) 「ママがサンタにキスした」の作詞者。
tune: Spencer Williams(1889 -1965)

実演しているFats Waller(1904 - 1943)は本名はThomas Wright Wallerというが、大食いのおデブさんだったので「ファッツ」の愛称で親しまれた。
2008年公開のアメリカ映画『僕らのミライへ逆回転』は、主人公の店のある場所が「ファッツ・ウォーラー生誕の地」という設定で、劇中にウォーラーの曲が多くつかわれている。寂れたレンタルビデオ店の店主が、うっかりビデオのデータを全部消してしまい、苦し紛れに名作を自作ビデオでリメイクしたらなぜか大ヒット。しかしさすがにハリウッドから訴えられて、最後にオリジナルで作ろうと思い立ったのが、おらが町のジャズピアニスト「ファッツ・ウォーラー」の伝記映画だった…という話。ファッツ役をやらされる黒人青年がヒョロガリなのがいとおかし。

Fats Waller & His Continental Rhythm
収録アルバム: The Fats Waller Collection 1922-43


CDのみだけど70分も入ってるのに1000円切っててオススメや!


おまけ

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by CockRobin96 | 2016-07-12 21:44 | Trackback | Comments(0)

Tiger Rag《タイガー・ラグ》

ミルス・ブラザーズ版 映画『ラヂオは笑ふ』(The Big Broadcast)の劇中歌

ベティさん版

Hold that tiger,
虎を捕まえろ!
hold that tiger
虎を捕まえろ!

Where's that tiger?
虎はどこだ?
Where's that tiger?
虎はどこだ?
Here's that tiger
虎はここだ!
Where's that tiger?
虎はどこだ?
Here's that tiger
虎はここだ!
Where's that tiger?
虎はどこだ?
There's that tiger
虎はあそこだ!

text & tune: 1917年にOriginal Dixieland Jazz Bandによって初演・登録された。

こんな歌詞が延々と続くご機嫌なラグ。ジャズのスタンダードにもなり、アート・テイタムやサッチモなど多くのミュージシャンにカバーされた。
そもそもラグタイムとは、20世紀初頭のアメリカで大流行した音楽。主にピアノで演奏され、似たような旋律を途切れなく繰り返すのが特徴で、自動ピアノのためのメロディとして採用された。このジャンルを得意としたScott Joplinは「ラグタイムの王様」と呼ばれる。歌詞がほとんどつかないので、このブログで取り上げる機会がほとんどないことは大変遺憾なり。

ちなみに初演であるOriginal Dixieland Jazz Bandによるバージョン。



The Mills Brothers
収録アルバム: Hollywood 1927-1950 - Le Plus Grand Thèmes Chantés Du Cinéma

ちなみにミルス・ブラザーズはかなり長い期間活動していたので、同じタイガー・ラグでも年代によってかなり違う。これは『ラヂオは笑ふ』と同じ1932年版。
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by CockRobin96 | 2016-07-08 21:05 | Trackback | Comments(0)

One Note Samba《ワン・ノート・サンバ(一音のサンバ)》Jobim


This is just a little samba
Built upon a single note
Other notes are bound to follow
But the root is still that note
これはほんの小さなサンバ
たった一音で成り立ってる
他の音もまとわりついてるけど
基本はこの一音だけ

Now this new note is the consequence
of the one we've just been through
As I'm bound to be the unavoidable
consequence of you
この新しい音は結果なの
わたしたちが奏で続けてきた一音の
わたしががんじがらめにされてるように
あなたのせいでね

There's so many people who can
talk and talk and talk
and just say nothing
or nearly nothing
I have used up all the scale I know
and at the end I've come
to nothing
or nearly nothing
とてもたくさんの人が
ああだこうだと言うけれど
何も言ってないのと同じことなの
ほとんど何もね
あらゆる音階を試したものだけど*1
とうとうわたしはたどり着いたの
何もないことに
ほとんど何もないことに

So I come back to my first note
as I must come back to you
Any one who wants the whole show
ré-mi-fá-sol-lá-ti-dó
He will find himself with no show
better play the note you know
This is just a little samba
Built a one single note
だからわたしは最初の音に戻る
あなたの元にきっと還るように
全音を演奏してみせたがる人は
(レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド)
何も演奏してなかった自分に気づくでしょう
みんなが知ってる音色を奏でるほうがずっといい
このほんの小さなサンバ
ただ一つの音で成り立ってる曲を

*1 scaleはウロコ、はかり、物差しの他、音階という意味もある。

text & tune: Antônio Carlos Brasileiro de Almeida Jobim(1927-1994) & Newton Mendonça(1927-1960)

詳細はOne Note Samba《ワン・ノート・サンバ(一音のサンバ)》Hendricksの方へ。

ジョビン自身の英語バージョンでは、最後の段落はちょっと違う。

So I came back to my first note
だからわたしは最初の音に戻る
As I must come back to you
あなたの元にきっと還るように
I will pour into that one note
この一音に注ぎ込むの
All the love I feel for you
あなたへの愛情をありったけ
Anyone who wants the whole show
全音を演奏してみせたがる人は
Re mi fa sol la si do
(レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド)
He will find himself with no show
何も演奏してなかった自分に気づくでしょう
Better play the note you know
みんなが知ってる音色を奏でるほうがずっといい

ボサノバ音楽がアメリカで流行った頃、勝手に違う歌詞をつけられてしまうことに業を煮やしたジョビンが、自分で英語歌詞を作ったという経緯がある。
でもヘンドリックス版の歌詞のほうが好きだな(小声)

Olivia Ong
収録アルバム: A Girl Meets Bossanova 2

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by CockRobin96 | 2016-06-22 21:18 | Trackback | Comments(0)

My Favorite Things《わたしのお気に入り》

映画の劇中

画像付き親切仕様

Raindrops on roses and whiskers on kittens
Bright copper kettles and warm woollen mittens
Brown paper packages tied up with strings
These are a few of my favorite things
バラの花びらの上の雨粒に、子猫のヒゲ
ピカピカの銅やかんに、あったかい羊毛のミトン*1
糸ひもでしばった茶色の紙包み
みんなわたしのお気に入りのほんの一部

Cream colored ponies and crisp apple strudels
Doorbells and sleigh bells and schnitzel with noodles
Wild geese that fly with the moon on their wings
These are a few of my favorite things.
クリーム色のポニーに、リンゴのサクサクパイ包み*2
ドアベルにソリのベルに、カツレツのパスタ添え*3
月夜に羽ばたいてゆく雁の群れ
みんなわたしのお気に入りのほんの一部

Girls in white dresses with blue satin sashes
Snowflakes that stay on my nose and eyelashes
Silver white winters that melt into springs
These are a few of my favorite things
白いドレスに青いサッシュを結んだ女の子たち*4
鼻とまつげに乗っかった粉雪
白銀色の冬が春になってとろけていくこと
みんなわたしのお気に入りのほんの一部

When the dog bites,
when the bee stings
When I'm feeling sad
I simply remember my favorite things
And then I don't feel so bad
犬に噛まれた時、
蜂に刺された時
悲しい気分の時、
ただお気に入りを思い浮かべるだけで
嫌な気分も吹き飛ぶの

*1 雪だるまがよくつけてる、指が分かれてない手袋。
*2 Apfelstrudel(アプフェル・シュトルーデル)と呼ばれる実在のお菓子。シュトルーデルは、薄い生地で詰め物を巻き込み、焼き上げる料理。一部の地域の人は@マークをシュトルーデルと呼ぶ。
 
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*3 原詩ではシュニッツェル。ドイツ・オーストリアの伝統料理。日本のトンカツに似ているが、トンカツはたっぷりの油に沈めて揚げるのに対し、シュニッツェルはラードやバターで揚げ焼きをする。フランスのコートレット、イタリアのコトレッタに相当。仔牛、鶏肉、豚肉なんでも良いとされている。
 パスタ添えのイメージ
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*4 サッシュはつやつやした生地を使った幅広の帯。

text: Oscar Hammerstein II (1895-1960)
tune: Richard Rodgers(1902-1979)

「お気に入り」と訳されているが、favorite自体が「一番大好きなもの」というニュアンスがある。つまり、一番大好きなものが沢山ある。一番大好きなものが沢山あるのはいいことだ。
古典的名作ミュージカル、『サウンド・オブ・ミュージック』の劇中歌。気難しい軍人のトラップ大佐を家長とするトラップ一家に、家庭教師として派遣されてきた修道女見習いのマリアは、持ち前の前向きさで一家に馴染んでいく。なお、舞台版と映画版では一部歌われるシーンが異なる(映画では雷に怯える子供達に歌うが、舞台ではマリアと修道院長が歌うらしい)。ジャズのスタンダードナンバーにもなり、コルトレーンなどにカバーされた。JR東海のCMソングとしてもよく知られる。最近『坂道のアポロン』でも使われた。

『サウンド・オブ・ミュージック』はマリア・フォン・トラップの自伝を元にしているが、あくまでも元にしているだけなので、史実とはかなり異なる。ドイツにはすでにマリアの自伝を映画化した『菩提樹』『続・菩提樹』があり、『サウンド・オブ・ミュージック』の評価はイマイチだったらしい。なお、当時お金に困っていたマリアは著作権を丸ごと売ってしまい、以降映画の成功による利益が全く受けられなくなった上、『サウンド・オブ・ミュージック』の原作改変っぷりにショックを受けたと言われている。踏んだり蹴ったりや!
史実のトラップ一家は、かつてはオーストリアの貴族であったが、恐慌により財産を失う。後妻であったマリアの勧めで12人の大家族で合唱団を始めたところ、話題となってヨーロッパ中に知られるようになった。その後ナチス政権下となったドイツからアメリカへ亡命し、各地を転々とした末ようやくアメリカの市民権を得て、バーモント州に落ち着いた。当時のトラップ一家の歌声を現在でも聞くことができる。

世界名作劇場の『トラップ一家物語』というのもあるが、こちらは原作の自伝に割と忠実な模様。

JR東海のCM集


アニメ『坂道のアポロン』の劇中の《わたしのお気に入り》



Julie Andrews
収録アルバム: My Favorite Things: The Very Best Songs from the Sound of Music


全曲《わたしのお気に入り》というロックなアルバム


トラップ一家合唱団の肉声を収録したアルバム

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by CockRobin96 | 2016-05-03 21:58 | Trackback | Comments(0)