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Cantique de Jean Racine《ジャン・ラシーヌの賛歌》



Verbe égal au Très-Haut,
いとも高きみ言(ことば)よ、*1
notre unique espérance,
我らの唯一なる望みよ。
Jour éternel de la terre et des cieux,
かの天地がとこしえとなる日、*2
De la paisible nuit
安息の夜から目覚め
nous rompons le silence:
我らは沈黙を破る。
Divin Sauveur,
神々しき救い主よ、
jette sur nous les yeux.
その眼差しを我らに投げかけ給え。

Répands sur nous
我らの上に行き渡らせ給え
le feu de Ta grâce puissante;
御身の限りない恵みの炎を。
Que tout l'enfer
あらゆる地獄のものを
fuie au son de Ta voix;
御身のみ声の響きより逃げ去らせ給え。
Dissipe le sommeil
眠りを散らし給え
d'une âme languissante
魂を衰えさせるものを。

Qui la conduit à l'oubli de Tes lois!
誰が御身のみ法(のり)を忘れ得ようか!

Ô Christ! sois favorable
おおキリストよ! 善きに計らい給え
à ce peuple fidèle,
この信仰に満ちた民を、
Pour Te bénir
御身を祝すため
maintenant rassemblé;
今集える者らを。
Reçois les chants qu'il offre à Ta gloire immortelle,
御身の不滅の栄光に献げたる歌を受け給え、
Et de Tes dons qu'il retourne comblé.
そして御身の賜物を満たし返し給え。

*1 「言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。(ヨハネによる福音書1:14)」より、神のみ言(ことば)とはキリストを指す。→Verbum Patris Umanatur《父の御言葉が人となる》
*2 「最後の審判の日」と解釈することもあれば、Jour(英語のDayに相当)を昼の日光と解釈し、キリストを「天地を照らす永遠の太陽」に例えていると解釈することもある。アンブロシウスの原詩では「lux ipse lucis et dies(光の光、日の光なり)」となっている部分を、ラシーヌが拡大解釈したとも取れる。

text: イタリアの聖人Ambrosius(c.339-397)の詩『Consors paterni luminis(光を分け与える父よ)』をJean Baptiste Racine(1639-1699)がフランス語に意訳したもの。
tune: Gabriel Fauré(1845-1924)

「ラシーヌの雅歌」とも。元々は、フォーレが音楽学校の卒業作品として作曲したもので、これによって作曲部門一等で卒業している。当時19歳だか20歳だかくらい。しゅごい。
ラシーヌは17世紀フランスの劇作家。本人は歴史劇作家のつもりだが、大体悲恋ものが多いので悲劇作家と認識されている。
比類ない美しいメロディーで、合唱団のレパートリーとして人気が高い。

オーケストラ伴奏版
Michel Plasson & Orféon Donostiarra
収録アルバム: Classical Chill Out


オルガン伴奏版
Eduard Vila i Perarnau
収録アルバム: O Vos Omnes


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by CockRobin96 | 2017-10-04 10:07 | Trackback | Comments(0)

O Holy Night《おお聖なる夜よ(きよらに星澄む今宵)》

Rutterによるアレンジバージョン

O holy night!
The stars are brightly shining
It is the night of the dear Savior's birth!
Long lay the world in sin and error pining
Till he appear'd and the soul felt its worth.
A thrill of hope the weary all rejoices
For yonder breaks a new and glorious morn!
おお、聖なる夜よ!
星々がまぶしくきらめく、
愛しい救い主が生まれたこの夜よ!
世は長らく罪と過ちに釘づけられていた、
主が現れ給いて、魂がその貴さを感じとるまで。
疲れし者らは希望にうち震えて歓ぶ、
彼方にて新しく栄えある朝が空けたから。

Fall on your knees
Oh hear the angel voices
Oh night divine
Oh night when Christ was born
Oh night divine
Oh night divine
膝をかがめ
天使の歌声をお聞きなさい
神々しき夜よ、
キリストが生まれ給うた夜よ
神々しき夜よ、
神々しき夜よ!

Led by the light of Faith serenely beaming
With glowing hearts by His cradle we stand
So led by light of a star sweetly gleaming
Here come the wise men from Orient land
The King of Kings lay thus in lowly manger
In all our trials born to be our friend
穏やかに照らす信仰の光に導かれ、
熱く燃える心もて主のゆりかごのそばに立つ。
甘くちらつく星の光に導かれ、
東方よりの賢者たちがここに来たように。*1
王の中の王がかくもつつましい飼い葉桶に眠る、
我らと同じ道を辿りて生まれ、我らの友となられるために。

He knows our need,
our weakness is no stranger,
Behold your King!
Before him lowly bend!
Behold your King!
Before him lowly bend!
主は我らの必要を知り給い、
我らの弱さを捨て置かれない。
見よ、あなた方の王を!
そのみ前にへりくだれ!
見よ、あなた方の王を!
そのみ前にへりくだれ!

Truly He taught us to love one another
His law is love and His gospel is peace
Chains shall He break for the slave is our brother
And in His name all oppression shall cease
Sweet hymns of joy in grateful chorus raise we,
Let all within us praise His holy name
まことに、主は我らに「人を愛せ」と教えられた、
その律法は愛、その福音は平和。*2
主は我らの同胞なる奴隷たちのために鎖を砕かれ、
その御名のもと苦難を終わらせ給うた。
我らは甘き喜びの聖歌の大合唱を高らかに歌い、
その聖なる御名を我ら皆で賛えよう。

Christ is the Lord!
Then ever, ever praise we,
His power and glory
ever more proclaim!
His power and glory
ever more proclaim!
キリストこそ主なり!
我らはとこしえに、とこしえに讃えん、
その力と栄光は
とこしえに限りなく宣べ伝えられん!
その力と栄光は
とこしえに限りなく宣べ伝えられん!

*1 →We Three Kings of Orient Are《我らは東方の三人の王(我らは来たりぬ)》
*2 神によって「律法」がモーセを通して伝えられたのに対し、新しく「福音」がイエスを通して伝えられた。
「そのうちの一人、律法の専門家が、イエスを試そうとして尋ねた。
「先生、律法の中で、どの掟が最も重要でしょうか。」
イエスは言われた。
「『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』
これが最も重要な第一の掟である。
第二も、これと同じように重要である。『隣人を自分のように愛しなさい。』
律法全体と預言者は、この二つの掟に基づいている。」
(マタイによる福音書22:35-40)

text: John Sullivan Dwight(1813-1893)
tune: Adolphe-Charles Adam(1803-1856)

《おお聖夜》、《さやかに星はきらめき》(由木康による訳詞 1896-1985)などの邦題がある。
元々はCantique de Noël《ノエルの賛歌》というタイトルで、Placide Cappeau (1808-1877) の詩にアダンの曲がついたものだったが、ドワイトがかなりいじくりまわして英訳したこちらの歌詞の方で有名になった。

中田羽後(1896-1974)による日本語歌詞:
清らに星澄む今宵
神の御子 天降(あも)りましぬ
穢(けが)れに染める世人(よびと)に
命を与えん為に
望みの明日(あした)を迎え
喜びの日を仰ぐ
ああ 誰(たれ)も
聞け 御使いの
歌声
空に渡るを
キリスト 生まれましぬ

信仰の光をたどり
我らも拝し奉(まつ)らん
奇(くす)しき星影踏みて
来たりし博士ならねど
馬槽(うまぶね)に眠る御子は
世の悩み負う主なり
ああ 主こそ
世の罪人の
友なれ
いざ来たりて
委(ゆだ)ねよ
汝(な)が重荷を

Harry Meehan
収録アルバム: Carols from Queen's




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by CockRobin96 | 2017-08-23 10:43 | Trackback | Comments(0)

Ave Maria de Lourdes《めでたしルルドのマリア(あめのきさき)》


Ô Vierge Marie
ああ、処女マリアよ
Le peuple chrétien
キリストの民らが
À Lourdes vous prie
ルルドにて貴女に祈ると
Chez vous il revient.
貴女ゆえに彼らは帰ってゆく*1
Ave, ave, ave Maria.
めでたし、めでたし、めでたし、マリア


À cette fontaine
この泉に
Venez et buvez
来たりては飲む
Dans leau pure et sainte
澄んだ聖なる水に
Allez vous laver.
行きては禊(みそ)ぐ
Ave, ave, ave Maria.
めでたし、めでたし、めでたし、マリア


A l'heure dernière
臨終の時も
Pour nous, les pécheurs
我ら罪びとのため
Veuillez, Sainte Mère,
どうか、聖なるみ母よ
Prier le Sauveur.
救い主にとりなし給え
Ave, ave, ave Maria.
めでたし、めでたし、めでたし、マリア


*1 けが人や病人らがこの泉に詣でると、治癒して帰っていったという逸話に基づく。

text & tune:?

本来は60連も続く長い連禱。フランスとスペインの国境にあるルルドに出現した聖母の奇跡を歌う。
ベルナデット(ベルナデッタ)・スビルーという少女が発見した湧き水に治癒効果があるとされ、カトリック教会から「奇跡」であると正式認定を受け、カトリック教徒の巡礼地となっている。日本でも幕末〜明治にかけてやってきたフランス人宣教師が熱心に紹介したので、よく知られている。カトリック系の教会や学校に行くと、この「ルルドの泉」を模した水場とマリア像がよく設置されている。

日本のカトリック聖歌集では「あめのきさき(天の后)」。が、原詩とかなりかけ離れているので、別にあった《Ave regina caelorum(めでたし天の女王)》などの聖母讃歌をつぎはぎしたオリジナル歌詞ではないかと考えられる。それとも他にもとになった歌詞があるのだろうか? 誰か教えてください。

天(あめ)のきさき 天(てん)の門
海の星と 輝きます
アヴェ アヴェ アヴェ マリア

百合の花と 気高くも 
咲き出にし 聖(きよ)きマリア
アヴェ アヴェ アヴェ マリア

奇(くす)しきばら 芳(かぐ)わしく 
恵みたもう 愛のみ母
アヴェ アヴェ アヴェ マリア

病める人に 慰めを
恵みたまえ 愛のみ母
アヴェ アヴェ アヴェ マリア

行く手 示す 明けの星
導きませ み母マリア
アヴェ アヴェ アヴェ マリア

神のみ母 わが望み
今もいつも 守り給え
アヴェ アヴェ アヴェ マリア


なお、同じメロディで英語歌詞のA Maiden Most Gentle《こよなく優しきおとめ》という曲もあるが、こちらの歌詞も全然違うクリスマスのキャロルを使っている。

Petits Chanteurs De Touraine
収録アルバム: Les plus beaux chants pour célébrer Marie


日本語歌詞版(CDのみ)


おまけ:
パリ木の十字架合唱団版
Les Petits Chanteurs à La Croix De Bois
収録アルバム: Ave Maria de Lourdes - Benedictus - Magnificat (Mono Version)

こっちの歌い方の方が好きなのだが、全然違う歌詞を使っている。しかもなんの歌詞がわからない。
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by CockRobin96 | 2017-05-14 11:38 | Trackback | Comments(0)

Les anges dans nos campagnes《天使らが野辺で(荒野の果てに)》自由部門


Les anges dans nos campagnes*1
天使たちがおらが里で
Ont entonné l’hymne des cieux,
天のみ歌を歌ってる
Et l’écho de nos montagnes
おらが山々のこだまが
Redit ce chant mélodieux :
この歌の調べに応えてる
Gloria in excelsis Deo
いと高き神に栄光あれ!

Bergers, quittez vos retraites,
羊飼いたちよ、逃げ隠れてないで
Unissez-vous à leurs concerts,
天使たちの演奏に加わりなさい
Et que vos tendres musettes
軽やかな音を出すお前たちのミュゼットに*2
Fassent retenir les airs :
この一節(ひとふし)を覚えさせて
Gloria in excelsis Deo
いと高き神に栄光あれ!

Ils annoncent la naissance
天使も羊飼いも生誕を告げ知らせる
Du Libérateur d'Israël
イスラエルを解き放つお方のことを
Et pleins de reconnaissance*3
感謝に満ち満ちて
Chantent ce jour si solennel
かくも厳かなこの日を歌う
Gloria in excelsis Deo
いと高き神に栄光あれ!

*1 カンパーニュはいわゆる「田舎」という意味だが、古くは単に「野原・平原」を指した。
*2 フランスの民族楽器。→Il est ne, le divin Enfant《この子こそ神のみ子(お生まれだイエスさまが)》
*3 reconnaissanceは語源は「認識する」という意味のラテン語regnosco。そこから転じて「偵察する」と「表彰する」の二種類の意味がある。

text&tune: 16世紀頃のフランス民謡

James Chadwick(1813-1882)による「Angels we have heard on high」で始まる英訳でも知られる。
「リベラ」による英語バージョン


日本語訳詩:
荒野(あらの)の果てに
夕日は落ちて
たえなる調べ
天(あめ)より響く
グロリア イン エクセルシス デオ

羊を守る
野辺(のべ)の牧人(まきびと)
天(あめ)なる歌を
喜び聞きぬ
グロリア イン エクセルシス デオ

御歌(みうた)を聞きて
羊飼いらは
馬槽(まぶね)に伏せる
御子(みこ)を拝みぬ
グロリア イン エクセルシス デオ

今日しも御子は
生まれ給いぬ
世界の民よ
よろこび歌え
グロリア イン エクセルシス デオ


ブグロー「天使の歌」
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Les Petits Chanteurs a la Croix de Bois
収録アルバム: Noël [Explicit]

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by CockRobin96 | 2017-01-07 10:51 | Trackback | Comments(0)

Il est ne, le divin Enfant《この子こそ神のみ子(お生まれだイエスさまが)》


*Il est ne, le divin Enfant,
*この子こそ、神さまのみ子
Jouez, hautbois, resonnez, musettes;
 奏でよう、オーボエを、響かせよう、ミュゼットを*1
Il est ne, le divin Enfant;
 この子こそ、神さまのみ子
Chantons tous son avenement!
 歌おう、この子を待ち望む歌を!*2

Depuis plus de quatre mille ans,
四千年以上も昔に*3
Nous le promettaient les Prophetes;
預言者たちが僕らに約束した
Depuis plus de quatre mille ans,
四千年以上も前から
Nous attendions cet heureux temps.
この幸福な時を待っていた

*Refrain
*繰り返し

Ah! qu'il est beau, qu'il est charmant,
ああ! なんて美しくて、なんて魅力的なんだろう
Que ses graces sont parfaites!
神さまのお恵みは完璧なんだ
Ah! qu'il est beau, qu'il est charmant,
ああ! なんて美しくて、なんて魅力的なんだろう
Qu'il est doux le divin Enfant!
なんてかわいらしい神さまのみ子さまだろう!
*Refrain

Une etable est son logement,
馬小屋がそのみ住まいで
Un peu de paille, sa couchette,
わずかな麦わらがその寝床
Une etable est son logement,
馬小屋がそのみ住まい
Pour un Dieu, quel abaissement!
神さまの家だとは、なんと身を落とされたことだろう!

*Refrain
*繰り返し

O Jesus! O Roi tout puissant!
イエスさま、全能の王さま
Tout petit enfant que vous etes,
そして小さな幼な子でもあられるお方よ
O Jesus! O Roi tout puissant!
イエスさま、全能の王さま
Regnez sur nous entierement!
僕たちを完全に統べ治めてください!

*Refrain
*繰り返し

*1 フランスの民族楽器。オーボエの仲間。バグパイプ(風袋)が付いている。
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*2 英語で言うところのアドヴェント。待降節、降臨節とも訳され、クリスマス前の4週間を指す。キリストの降誕を待ち望む季節、転じてその時期に歌われる聖歌。
*3 アダムからイエスの誕生までが約四千年間であるとされている。旧約聖書創世記の「アダムが930歳で死んだ」という記述を真に受ければではあるが。

text & tune: フランスの伝承曲

子供用のクリスマス曲として人気が高い。

讃美歌第二編による日本語歌詞:
おうまれだ イエスさまが、
笛ふけ太鼓を鳴らせよ、
おうまれだ イエスさまが、
みんなで歌をうたおう。

このよろこびの日を
神の民は預言し、
むかしむかしから
わたしたちも待っていた

おうまれだ イエスさまが、
笛ふけ太鼓を鳴らせよ、
おうまれだ イエスさまが、
みんなで うたをうたおう。

「たたえよう イエスさまの うぶやは うまごやだ」
という続きの歌詞があった気がするが、その先が思い出せない。

Les Petits Chanteurs de la Chapelle Sacrée
収録アルバム: Les Petits Chanteurs de la Chapelle Sacrée interprètent les plus beaux chants de Noël, Vol. 1 (Versions chantées)

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by CockRobin96 | 2016-12-17 11:02 | Trackback | Comments(0)

Tu es Petrus《汝はペトロ》


Tu es Petrus,
汝はペトロ、
et super hanc petram
この岩の上に
Aedificabo Ecclesiam meam
我はわが教会を建てん。

text: マタイによる福音書16:1
tune: Maurice Duruflé (1902-1986)

「あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。陰府の力もこれに対抗できない。 わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」(マタイによる福音書16:18-19)

ペトロは本名をシモンという。イエスにケファ(アラム語で岩や石の意、ギリシャ語に直すとペトロス)というあだ名をつけられた。イタリア語のピエトロ、英語のピーター、ロシア語のピョートル、フランス語のピエール、ドイツ語のペーター、スペイン・ポルトガル語のペドロに相当。元々は弟のアンデレと共に漁師をやっていたが、イエスに「人間をとる漁師にしよう」(マタイ4:19)と言われて弟子になった。カトリックにおいては初代教皇と目され、「十二使徒の頭」とされている。要するに、自称キリストの一番弟子。民間伝承ではキリストの弟子となった時すでに壮年であったとされ、キリスト教美術では鍵を持つ初老の男の姿で表現される。ただし鍵について言及しているのはマタイ書のみ。実は既婚者であった可能性が高いそうな(しかも妻連れて宣教の旅をしてた。カトリックの坊さんが結婚しない必要性はあったのか)。

伝説によれば、皇帝ネロによって十字架に逆さに磔にされ殉教したとされる。キリスト教徒迫害が激化するローマを離れようとアッピア街道を歩いていたところ、逆方向からイエスが現れたので、ペトロが「主よ、どこへいかれるのですか?(Domine, quo vadis?)」と問いかけると、「もう一度十字架にかけられるためにローマへ」と言われる。ペトロは考え直してローマに戻り、殉教するという物語である。ポーランドの作家ヘンリク・シェンキェヴィチにより『クオ・ヴァディス』として小説化され、映画にもなった。「主よ、どこへ行かれるのですか」は、ヨハネによる福音書13:36でペトロがイエスに言ったセリフでもある。

ルーベンス「初代教皇ペトロ」
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キリスト「この中に一人裏切り者がいまーすwwwwwww」
1 :名無しにかわってVIPが送ります:2012/04/04(水) 01:52:09.56 ID:xg9COqUI0
キリスト「そーwwwwwれーwwwwwはーwwwww」チラッ
ヨハネ「……」チラッ
マタイ「……」チラッ
バルトロマイ「……」チラッ
ユダ「……うぅ……」
ペトロ「あ、あぁ、私のことですか? もー、イエス様きっつー」
キリスト「そうだよお前だよ。鶏が鳴く前に三回も俺の事知らないとか言うだろ死ね」
ペトロ「えっ」

この岩の上に建てた教会が逃げた。


Michel Piquemal Vocal Ensemble
収録アルバム: Durufle: Requiem / 4 Motets / Prelude and Fugue


おまけ

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by CockRobin96 | 2016-10-14 22:28 | Trackback | Comments(0)

Joseph est bien marié《ヨセフは良き嫁をめとりぬ》


|: Joseph est bien Marié
ヨセフは良き嫁をめとりぬ、
 à la fille de Jessé. :|
エッサイの末裔(すえ)の娘を。*1
C'était chose bien nouvelle
いまだかつてなきこと、
D'être mère et pucelle.
母にしておとめなりとは。
Dieu y avait opéré:
これぞ神のみ業(わざ)、
Joseph est bien marié.
ヨセフは良き嫁をめとりぬ。

|: Et quand ce fut au premier
初めにありしは
 Que Dieu voulut nous sauver :|
神が人類を救わんとする思し召し。
Il fit en terre descendre
主は地に遣わし給うた、
Son seul fils Jésus pour prendre
そのひとり子イエスを
En Marie humanité:
マリアの内に人とならしめて。
Joseph est bien marié.
ヨセフは良き嫁をめとりぬ。

|: Quand Joseph eut aperçu
ヨセフはうち見たり、
 Que la femme avait conçu :|
身籠(みごも)りしかの女を。
Il ne s'en contenta mie,
ヨセフは花嫁に満ち足らず、
Fâché fut contre Marie,
マリアに激しく怒りて
Et se voulut en aller:
追い遣(や)らんとせり。
Joseph est bien marié.
ヨセフは良き嫁をめとりぬ。

|: Mais l'ange si lui a dit:
天使のみ告げなかりせば、
 Joseph n'en aie point dépit, :|
ヨセフはいかに恨みを募らせしか。
Ta sainte femme Marie
「マリアは聖なる女、
Est grosse du fruit de vie.
 大いなる生命の果実。
Elle a conçu sans péché:
 かの女は罪なくして身籠れり」と。
Joseph est bien marié.
ヨセフは良き嫁をめとりぬ。

|: Les anges y sont venus
天使らは来たり、
 Voir le Rédempteur Jésus. :|
あがない主イエスを拝みぬ。
De très belle compagnie,
いともよき群れは、
Püis à haute voix jolie
大いに声を張りあげて
Gloria ils ont chanté:
「栄光あれ」と歌えり。
Joseph est bien marié.
ヨセフは良き嫁をめとりぬ。

|: Or prions dévôtement
今こそ心より祈れ、
 De bon coeur et humblement. :|
真心と謙遜でもて。
Que paix, joie et bonne vie
平和、歓び、善なる命の
Impêtre Dame Marie
授け主なる聖母マリア、*2
A notre nécessité:
我らの望む時にはいつにても。
Joseph est bien marié.
ヨセフは良き嫁をめとりぬ。

*1 エッサイは旧約聖書の英雄王ダビデの父。「エッサイの株からひとつの芽が萌えいで/その根からひとつの若枝が育ち/その上に主の霊がとどまる。(イザヤ書11:1-2)」より、ユダヤ人は救世主はエッサイの血筋から現れると考えていた。新約聖書ではヨセフはエッサイの子孫、民間伝承ではマリアもやはりエッサイの子孫とされている。
*2 Impêtreはフランス語ではなくラテン語。「成し遂げる」「実現する」の意。

text & tune: 17世紀のフランス民謡

《ヨセフは良き妻をめとりぬ》とも。イギリスでキャロルと呼ばれるクリスマスの歌は、フランスでは「ノエル」(降誕)と呼ばれる。当時のフランスでは有名な歌だったようで、マルカントワーヌ・シャルパンティエのMesse de Minuit pour Noël《真夜中のミサ》のキリエ部分にこのメロディが使われている。

またジャン-フランソワ・ダンドリューなどにアレンジされてオルガン曲のバリエーションともなっている。

聖母マリアを崇敬するカトリックらしく、マリアへの賛美に重点がおかれているが、すでに身籠っているマリアに怒り狂うヨセフというCherry Tree Carol《さくらんぼの木のキャロル》と似たモチーフが使われている。フランスでは古くから寝取られ亭主(コキュ。ネットスラング風に言うとNTR)の艶笑話が人気で、民間劇などでもヨセフは漏れなく犠牲になっている。

フランス語全然できないけどグーグル翻訳でフランス語→英語で試しに訳してみました。間違ってたらコメントで教えてください。



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by CockRobin96 | 2016-08-29 21:33 | Trackback(1) | Comments(0)

O salutaris Hostia《おお救いの犠牲よ》Saint-Saëns


youtubeなかった

O salutaris Hostia,
おお、救いの犠牲(いけにえ)よ、*1
Quæ cæli pandis ostium:
天国への扉を開くものよ。

Bella premunt
攻め寄せて来ます
hostilia,
仇なす者らが

Da robur
我らに力を与え、
fer auxilium.
助けをもたらし給え。

Amen.
アーメン。

*1 キリストは屠殺され神へ捧げられる子羊に例えられる。→Victimae Paschali《我らの過越》
*2 イザヤ書22:22及びヨハネの黙示録2:7より、キリストは「ダビデの鍵」とも呼ばれる。

text: トマス・アクィナスによる聖餐式のための賛歌
tune: Charles Camille Saint-Saëns(1835-1921)

Messe solennelle《荘厳ミサ(ミサ・ソレムニス)》Op.4の中の一曲。
サン=サーンスは日本では《動物の謝肉祭》で有名な作曲家としてしか知られていないが、実はモーツァルトと並び称される早熟型の天才音楽家。2歳でピアノを弾き、3歳で作曲し、長じてはオルガニストとなった。また詩、天文学、絵画もこなす魯山人タイプのマルチプレーヤーで、嫌な奴でもあった。スイスのピアニストであったコルトーに向かって「へー君程度でもピアニストになれるの(嘲笑)」と煽ったという逸話がある。フランス音楽の普及に努め、フランクフォーレらと共に国民音楽協会を設立した。

単品じゃなくてSanctus & Benedictusと抱き合わせでソワール
Donald Hunt and Paul Trepte and Roy Massey and Worcester Cathedral Choir
収録アルバム: The World Of English Cathedrals

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by CockRobin96 | 2016-08-29 20:46 | Trackback | Comments(0)

Un flambeau, Jeannette, Isabelle《たいまつを持って、ジャネット、イザベル(たいまつ手に手に)》


Un flambeau, Jeannette, Isabelle
たいまつを持って、ジャネット、イザベル
Un flambeau! Courons au berceau!
たいまつを持って、ゆりかごへ急ごう!
C'est Jésus, bonnes gens du hameau.
これこそイエスさまよ、村の皆さん
Le Christ est né;
キリストがお生まれになったと
Marie appelle!
マリアさまがお呼びなのよ
Ah! Ah!
ああ、ああ!
Ah! Que la Mère est belle,
ああ! なんて美しいお母さまだろう!
Ah! Ah!
ああ、ああ!
Ah! Que l'Enfant est beau!
ああ! なんてきれいなみ子さまだろう!

C'est un tort, quand l'Enfant sommeille,
ダメよ、幼子が眠ってるのに
C'est un tort de crier si fort.
ダメよ、そんなに大声をあげたら
Taisez-vous, l'un et l'autre, d'abord!
お静かに、どなたもこなたも、今すぐに!
Au moindre bruit, Jésus s'éveille.
どんなにかすかな声でもイエスさまを起こしちゃうわ
Chut! chut!
シーッ! シーッ!
chut! Il dort à merveille,
シーッ! イエスさまがぐっすり眠ってる
Chut! chut!
シーッ! シーッ!
chut! Voyez comme il dort!
シーッ! 見て、なんてよく眠ってるんだろう!

Qui vient la, frappant de la porte?
誰なの、扉を叩いてるのは?
Qui vient la, en frappant comme ça?
誰なの、そんなふうに扉を叩くのは?
Ouvrez-donc, j'ai posé sur un plat
開けてよ、お皿を並べるわ
Des bons gateaux, qu'ici j'apporte
おいしいケーキを持ってきたのよ
Toc! Toc!
コン! コン!
Toc! Ouvrons-nous la porte!
コン! さあ扉を開けて!
Toc! Toc!
コン! コン!
Toc! Faisons grand gala!
コン! お祝いを始めよう!

Doucement, dans l'étable close,
そうっと、納屋に近づこう
Doucement, venez un moment!
そうっと、あとちょっと!
Approchez! Que Jésus est charmant!
もっと近寄って! イエスさまはなんて可愛いの
Comme il est blanc! Comme il est rose!
白くて、ばら色で!
Do! Do!
どう、どう
Do! Que l'Enfant repose!
どう、幼子よおやすみなさい
Do! Do!
どう、どう
Do! Qu'il rit en dormant!
どう、眠りながら笑ってるよ

text&tune: 16世紀フランス、プロヴァンス地方の民謡。本来は世俗的なダンス曲であったとされている。

ジャネットとイザベルを、洗礼者ヨハネとその母エリザベトに関連づける向きもあるが、多分考えすぎ。
最近フランスづいてるなあ。

日本語訳詞
たいまつ手に手に
馬屋(うまや)を照らせ
みどりごイエスきみ
生まれ給えば
あ、あ、きよきみ子は
あ、あ、眠り給う

静かに来れや
わが友来たれ
生まれしみどりご
眠り給えば
あ、あ、きよきみ子よ
あ、あ、眠り給え

いぶせき馬屋に
眠れるみ子の
やさしきみ顔に
平和宿れば
あ、あ、きよきみ子よ
あ、あ、眠り給え

Les Petits Chanteurs Du Mont-Royal, Rachel Laurin (Adeste Fideles)
収録アルバム: Adeste Fideles: Caroling With… (Chanton Noël Avec…)

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by CockRobin96 | 2015-12-12 20:21 | Trackback | Comments(0)

Noël des enfants qui n'ont plus de maison《家をなくした子どもたちのクリスマス》


Nous n'avons plus de maisons!
僕たちにはもう家がない!
Les ennemis ont tout pris,
敵軍がみんな奪っていった、
Jusqu'à notre petit lit!
僕たちの小さな寝床さえも!

Ils ont brûlé l'école et notre maître aussi.
奴らは学校も先生も燃やしてしまった、
Ils ont brûlé l'église et monsieur Jésus-Christ!
奴らは教会もイエスさまも燃やしてしまった!
Et le vieux pauvre
かわいそうなお年寄りの
Qui n'a pas pu s'en aller!
行くあてのない人たちも!

Nous n'avons plus de maisons!
僕たちにはもう家がない!
Les ennemis ont tout pris,
敵軍がみんな奪っていった、
Jusqu'à notre petit lit!
僕たちの小さな寝床さえも!

Bien sûr! papa est à la guerre,
パパはもちろん戦争に行っている
Pauvre maman est morte
かわいそうなママは死んでしまった
Avant d'avoir vu tout ça.
このありさまを見る前に
Qu'est-ce que l'on va faire?
僕たちはどうしたらいいだろう?

Noël! petit Noël!
ノエル! プチ・ノエル!*1
n'allez pas chez eux,
奴らの家には行かないで*2
N'allez plus jamais chez eux,
もう二度と奴らの家には行かないで
Punissez-les!
奴らに罰をお与えください!

Vengez les enfants de France!
仕返しせよ、フランスの子どもたち!
Les petits Belges,
小さなベルギー人たちに*3
les petits Serbes,
小さなセルビア人たち
Et les petits Polonais aussi!
そして小さなポーランド人たちも!
Si nous en oublions, pardonnez-nous.
もし僕たちが忘れてしまったらお赦しください*4
Noël! Noël!
ノエル! ノエル!

Surtout, pas de joujoux,
クリスマスプレゼントのオモチャがないのなら
Tâchez de nous redonner le pain quotidien.
せめて日々の糧(かて)をお与えください

Nous n'avons plus de maisons!
僕たちにはもう家がない!
Les ennemis ont tout pris,
敵軍がみんな奪っていった、
Jusqu'à notre petit lit!
僕たちの小さな寝床さえも!
Ils ont brûlé l'école et notre maître aussi.
奴らは学校も先生も燃やしてしまった、
Ils ont brûlé l'église et monsieur Jésus-Christ!
奴らは教会もイエスさまも燃やしてしまった!
Et le vieux pauvre
かわいそうなお年寄りの
Qui n'a pas pu s'en aller!
行くあてのない人たちも!

Noël!
ノエル!
écoutez-nous,
僕たちの声をお聞きください、
Nous n'avons plus de petits sabots:
僕たちはもう小さな木靴さえ望めないけど*5
Mais donnez la victoire aux enfants de France!
フランスの子どもたちに勝利をお与えください!

*1 ノエルはクリスマスという意味のほか、クリスマスに歌うキャロルの総称、また掛け声(→《初めてのノエル(まきびと羊を)》)。サンタクロースのことをフランスではプチ・パパ・ノエルと呼ぶので、サンタに「敵軍に罰をプレゼントしてやってください」という意味も込めているのかもしれない。
*2 主語がないので、もしかすると「僕らはもう二度と家に帰れない」という意味かもしれない。フランス語に詳しい人求む。
*3 ベルギーはフランスのお隣さんでフランス語圏でもある。中立国だったがとばっちりを食う形でドイツに侵攻された。セルビアはサラエボ事件がきっかけでオーストリア=ハンガリー及びドイツと敵対中。ポーランドは当時分割されてビスマルクにいびられていた。どさくさにまぎれて独立したがすぐまた分割された。
*4 よくわからん。「復讐を忘れたらごめんなさい」なのか「彼らのことを忘れててごめんなさい」なのか。
*5 サボともいう。オランダやフランスの庶民がよくはいていた木靴。フランダースの犬のネロ少年が履いてるアレ。

text&tune: Claude Achille Debussy(1862-1918)

1914年に第一次世界大戦が勃発し、パリはドイツによって史上初めての空爆を受けた。ドビュッシーはこの頃すでに大腸ガンに冒されており、一度疎開するもすぐにパリに戻り、翌年この曲を書く。敵軍とはもちろんドイツ軍のこと。偏屈な上に女癖は悪いが、幼い一人娘を溺愛していたドビュッシーは、娘を心配しつつ三年後に他界。その1年後、娘も幼くして病没した。

Jacques Jouineau, Odette Pigault, Maîtrise de la Radiodiffusion française
収録アルバム: Christmas Spirit, The Best Classical Choirs


絶版
パリ木の十字架少年合唱団 名演集
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by CockRobin96 | 2015-11-27 22:36 | Trackback | Comments(0)