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O Love, How Deep, How Broad, How High《大いなる愛に》


O love, how deep, how broad, how high,
beyond all thought and fantasy,
that God, the Son of God, should take
our mortal form for mortals’ sake!
愛よ、なんと深く、広く、高きかな
あらゆる思惑と夢想を超えたものよ
神が、その御子を遣わして
死すべき人のために死すべき人の姿をとられたとは

For us baptized, for us he bore
his holy fast and hungered sore;
for us temptation sharp he knew,
for us the tempter overthrew.
我らのために洗礼を受け、我らのために耐え忍ばれた
聖なる断食と痛ましい飢餓を
我らのために刺すような誘惑を味わわれ
我らのために誘惑するものを打ち倒された

For us he prayed; for us he taught;
for us his daily works he wrought:
by words and signs and actions thus
still seeking not himself, but us.
我らのために祈り、我らのために教え
我らのために日々の業を勤められた
み言葉とみしるしと行いによりてかくなされた
御身のためでなく、我らのためにこそ

For us to evil power betrayed,
scourged, mocked, in purple robe arrayed,
he bore the shameful cross and death;
for us gave up his dying breath.
我らのために悪しき力へ売り渡され
鞭打たれ、嘲られ、紫の衣で装わされた
恥辱の十字架と死をも耐え忍ばれ
我らのために息を引き取られた

(O love, how deep,
how broad, how high)
(愛よ、なんと深く、
広く、高きかな)

For us he rose from death again;
for us he went on high to reign;
for us he sent his Spirit here
to guide, to strengthen, and to cheer.
Alleluia.
我らのために死より再び目覚め
我らのために統べ治めるべく高き処へゆかれた
我らのために地へ聖霊を遣わされた
導き、力づけ、励まされるために
アレルヤ

All glory to our Lord and God
for love so deep, so high, so broad
the Trinity, whom we adore
forever and forevermore.
栄光が我らの主なる神にあれ
その愛の深さ、高さ、広さゆえに
三位一体に、我らの崇めるものに
とこしえに限りなくあれ

text: Robert Herrick (1591-1674)
tune: アメリカの作曲家で指揮者のPhilip R. Dietterich(1931-)による、Heinrich Schütz(1585-1672)の曲のアレンジらしいのだが、どの曲か不明。強いて言えばChrist ist erstanden《キリストはよみがえり》SWV470が怪しい気がするがアマゾンで買わないと聞けないからわからない。

「For us he rose from death again…」のくだりは、ドイツの古いイースターの聖歌Christ ist erstanden《キリストはよみがえり(主生き給えば)》が使われている。

この歌詞は聖歌としての方が有名で、ディートリッヒによるこの曲はほとんど知られていない。
もちろんアマゾンにもなかった。(正確にはCDに入ってたが売り切れ)

北村宗次による日本語歌詞:
大いなる愛に
神は御子送り
人の弱さをば
取りて生かしたもう

バプテスマをも受けて
神の御子世にて
サタンの試みと
強く戦えり

世に生き(我らに)
世に生きるわざを
(語るみ言葉は)
果たしつつ祈る
(深い主のみ旨)

売り渡す罪と
嘲りの中で
悩み苦しんで
死へと進みたもう

(広き愛
 深き愛
 高き愛)

よみがえり給い
父の元に座す
聖霊(みたま)遣わして
力与えたもう
ハレルヤ

大いなる神は
三つにましひとつ
高きみ栄えを
我らほめ歌わん

唯一入手可能なのは、教文館販売の立教女学院のCDに日本語歌詞による合唱。欲しかったら銀座に行くか通販でご購入あそばせ。

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クリスマスクワイヤー
松蔭女子学院大学聖歌隊 鈴木雅明
(運が良かったら中古で出るかもしれない)

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by CockRobin96 | 2017-04-22 09:25 | Trackback | Comments(0)

Hot Cross Buns《ホカホカ十字パン》

The Broadside Band
収録アルバム: Old English Nursery Rhymes

Hot Cross Buns,
Hot Cross Buns
One a penny, Two a penny
Hot Cross Buns!
ホカホカ十字パン!
ホカホカ十字パン!
ひとつ1ペニー、ふたつでも1ペニー
ホカホカ十字パン!

If you have no daughters,
Pray give them to your sons;
もしも娘さんがいないなら
息子さんにおあげなさいよ

But if you have none of these little elves,
Then you must eat them all yourselves.
でもちびっ子たちすらいないなら*1
ご自分でお食べなさいよ

Hot Cross Buns!
Hot Cross Buns!
ホカホカ十字パン!
ホカホカ十字パン!

*1 エルフはいわゆる小妖精のことだが、特にいたずら好きな子供、腕白小僧を指す。

text & tune: イギリスのマザーグース(ナーサリーライム)。18世紀に文献初出。

十字パンはイギリスによく見られる菓子パン。干しぶどうなどが入った甘いパンで、上にアイシングか切れ込みを入れて十字のしるしをつける。本来は聖金曜日(イエスが十字架に架けられたことを記念する。毎年月日が違う)に食べるとされるが、割と通年で売ってる。伝統に厳密に従うのであれば、聖灰水曜日から聖土曜日(イースターの前日)にかけては、乳製品と卵を入れない十字パンを食べることになる。(→Forty Days and Forty Nights《四十日(よそか)経(ふ)るまで》)
本来は街頭で十字パンを売る呼び歌だったものが、わらべ歌化したものと考えられている。
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十字パンのレシピ


「But if you have none of these little elves,/Then you must eat them all yourselves.」の2行は、省略されることの方が多い。


Anuradha Javeri
収録アルバム: Hoopla Kidz, Vol. 2

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by CockRobin96 | 2017-04-15 09:50 | Trackback | Comments(0)

O Lamm gottes, unschuldig《神の小羊よ、汚れなきかな(十字架の上にほふられたまいし)》


O Lamm gottes, unschuldig
神の小羊よ、汚れなきかな*1
Am Stamm des Kreuzes geschlachtet,
十字架の真中にて屠られ給いし。
Allzeit funden geduldig,
四六時中を耐え忍び給いぬ、
Wiewohl du warest verachtet;
御身の嘲笑われしを。
All Sünd hast du getragen,
よろずの罪をば御身に負い給わざれば、
Sonst müßten wir verzagen.
我らおののくは必定(ひつじょう)なり。
Erbarm dich unser, o Jesu.
我らを憐れみ給え、イエスよ!

O Lamm Gottes im Staube,
神の小羊よ、塵(ちり)のうちに
Mit Blut und Thränen bedecket,
血と涙にまみれ給う。
Dein tröste sich mein Glaube,
御身の慰めこそわが信仰なり、
Wenn Tod und Sünde mich schrecket,
死と罪とが我をおびやかすとも。
Dein Ringen, Seufzen, Klagen,
御身のいばらの冠、吐息、うめき
Dein Todeskampf, dein Zagen
御身の死、死相をば
Sei meine Ruhe, Herr Jesu.
わが安らぎとなしたまえ、主イエスよ!

O Lamm Gottes, unschuldig
神の小羊よ、汚れなきかな
Trugst du die herbe Verhöhnung
御身はかくも辛辣なるなぶりを受け給えり。
Und immer so geduldig
また御身はかくも絶えず忍び給えり、
Zu meiner Sünde Versöhnung.
わが罪を清めんがために。
Dein Bild schreck mich von Sünden,
御身のみ姿こそ我をして罪を恐れさしめ
Dein Bild soll mich verbinden
御身のみ姿こそ我を連ならせしめん、
Zu ewger Liebe, Herr Jesu.
とわの愛へと、主イエスよ!

*1 イエスの呼び名のひとつ、洗礼者ヨハネがイエスを指して「見よ、世の罪を除く神の小羊だ」(新約ヨハネによる福音書1:29)と言った故事にちなむ。また、いけにえとしてささげられるものでもある。→The Lamb《仔羊》

text&tune: Nikolaus Decius(1485-1546)

ルター派にとって重要な聖歌。ただし2番以降の歌詞が使用されることはあまりないようである。
イースター直前の受難節に使用される。

フランシスコ・デ・スルバラン「神の小羊」
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おまけ:いろんな編曲の《神の小羊》
Johann Eccardによる編曲。アマゾンではセットでしか販売していない模様。

Norddeutscher Kammerchor, Maria Jürgensen
収録アルバム: Eccard: Mein schönste Zier


バッハの次男カール・フィリップ・エマヌエルによる「聖ルカ受難曲」の中の《神の小羊》
Daniel Gloger
収録アルバム: Bach, C.P.E.: St. Luke Passion


少年愛を世に認めさせた少女マンガの金字塔、『風と木の詩』の章の一つに「神の子羊」があり、その中でこの歌詞の日本語訳(2番)が引用されている。また、作者の構想に協力した増山のり子氏のスピンオフ作品のタイトルも『神の子羊』。
あれってフランスじゃなくてドイツが舞台の方が良かったんじゃないかなとちょっと思っている。先生たちのキャラデザモデルがみんなドイツの作曲家の作曲家だし。


日本語訳詞:
十字架の上に ほふられ給いし
こよなく清き み神の小羊
わがため悩みを 忍び給いし
み恵み げにもとうとし

十字架の上に ほふられ給いし
こよなく清き み神の小羊
み救いあらずば 罪のこの身は
滅びを いかでまぬがれん

十字架の上に ほふられ給いし
こよなく清き み神の小羊
乏(とも)しくか弱き 我を憐れみ
安きを 常に給えや

Chamber Choir of Europe & Nicol Matt
収録アルバム: Choral Classics: Bach (Chorales), Vol. 2/3

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by CockRobin96 | 2017-03-20 10:08 | Trackback | Comments(0)

Hail, Thou once despised Jesus《万歳、かつて蔑まれしイエスよ(いばらのかむりを)》



The Festival Choir and Hosanna Chorus
収録アルバム: 100 Church Classics


The Bambinis
収録アルバム: 30 Easter Songs for Kids
児童のソロによる短いバージョン


Hail, Thou once despised Jesus!
Hail, Thou Galilean King!
Thou didst suffer to release us;
Thou didst free salvation bring.
Hail, Thou universal Savior,
bearer of our sin and shame,
by thy merit we find favor:
life is given through thy Name.
万歳、かつて蔑(さげす)まれしイエスよ、
万歳、ガリラヤびとの王よ!*1
御身は我らを解き放つため苦しまれた、
御身は自由という救済をもたらされた
万歳、万有の救い主よ、
我らの罪と恥を背負われたお方よ
御身の功(いさお)によりて我らはその恩寵を知る、
命が御身のみ名によりて与えられしを

Paschal Lamb, by God appointed,
All our sins on Thee were laid;
By almighty love anointed,
Thou hast full atonement made.
All thy people are forgiven
Through the virtue of thy blood:
Opened is the gate of heaven,
reconciled are we with God.
いけにえの小羊よ、神に定められしものよ、
我らの罪はことごとく御身の上に積まれた
全能の愛によりて聖別され、
御身は豊かなあがないをなされ給うた*2
御身の民は皆赦しを得る、
御身の血の功徳(くどく)によりて
天の扉は開かれ、
我らと神の間に和解が成し遂げられた

Jesus, hail, enthroned in glory,
There forever to abide!
All the heavenly host adore Thee,
Seated at Thy Father's side.
There for sinners Thou art pleading,
There Thou dost our place prepare,
Ever for us interceding
Till in glory we appear.
イエスよ、万歳! 栄光のうちに玉座へ着き給い、
とこしえにとどまられる!
天の万軍はみな御身を崇める、
父のお側に座し給う君を
罪びとらのために御身は嘆願され、
我らの居どころを備えてくださる
限りなく我らをとりなされる、
我らが栄光のうちに潔白となるまで

Worship, honor, power, and blessing
Thou art worthy to receive;
Loudest praises, without ceasing,
Meet it is for us to give.
Help, ye bright angelic spirits,
Bring your sweetest, noblest lays;
Help to sing our Savior's merits,
Help to chant Emmanuel's praise.
崇拝と、栄誉と、力と、祝福は、
御身こそが受けるにふさわしい
声高き賛美が、絶えることなく、
我らに与えられるのを目の当たりにする
助け給え、御身のまばゆい天翔ける霊らを、*3
こよなく甘美で高貴なるさえずりをもたらさせ給え
救い主の功(いさお)をほめ歌うのを助け給え、
インマヌエルへの賛美を唱えることを助け給え

*1 「兵士たちは、官邸、すなわち総督官邸の中に、イエスを引いて行き、部隊の全員を呼び集めた。 そして、イエスに紫の服を着せ、茨の冠を編んでかぶらせ、 『ユダヤ人の王、万歳』と言って敬礼し始めた。 また何度も、葦の棒で頭をたたき、唾を吐きかけ、ひざまずいて拝んだりした。」(マルコによる福音書15:16-19)より。なお、ヨハネによる福音書では提督ピラトが「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」と罪状書きを書き、祭司長たちから「自称したと書いてくれ」と要請されているが却下したことになっている。蔑称と敬称が表一体になっている訳である。
*2 ユダヤ教及びキリスト教に出てくる概念。「あがない」はもともと人手に渡った財産を買い戻す、身代金を払って奴隷を解放する、生け贄や金銭を払って罪をつぐなうという意味。ユダヤ教では異民族の奴隷となったイスラエルの民を解放する者として神をあがない主と呼び、キリスト教では罪から人類を解放する者としてキリストを指す。
*3 天使だけでなく天国にあげられた人々の霊魂をも指すと思われる。

text: John Bakewell(1721-1819)による歌詞を、Augustus Toplady(1740-1778)が一部改変。
tune: 通称In Babilone《バビロンにて》と呼ばれる、オランダ由来のメロディ。 1710年の 『Oude en Nieuwe Hollantse Boerenlities en Contradanseu(新旧オランダ民謡と対面ダンス曲集)』に初出。

「いばらのかむりを」で始まる日本語訳詞がある。

いばらの冠を 戴きましし
栄えの君なる 主のみ名とうとし
わがため打たれて わが罪を負い
世の人の救い 成し遂げませり

父なるみ神の 右にいまして
とこしえの住まい 備え給いて
我らをとりなす イエスきみをほめ
千万(ちよろず)の使い 絶えずぞ歌(うと)う

きみのみ恵みも きみの御稜威(みいつ)も
あまねくあらわれ たえにとうとし
み使いとともに 世の人こぞり
輝く栄えを ほめよたたえよ
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by CockRobin96 | 2017-03-12 10:28 | Trackback | Comments(0)

Haec dies《この日こそ》



Haec dies
この日こそ
quam fecit Dominus.
主の創り給いし日。
Exultemus,
歓べ、
et letemur
喜べ、
in ea.
この日ゆえに。
Alleluia.
アレルヤ。

text: 旧約聖書詩篇118:24
tune: William Byrd(1543-1623)

詩篇118編は、元来ユダヤ教では年3回の都に詣でる祝日、すなわち過越(すぎこし。出エジプトの直前、エジプトを襲った災いを神の加護により「過ぎ越した」ことを記念)の祭り、五旬節(ごじゅんせつ。十戒を与えられたことを記念)、仮庵(かりいお。出エジプトの後荒野でキャンプしたことを記念)の祭りで歌われたもの。このうち過越、五旬はキリスト教ではイースター、聖霊降臨節と化した。神の救いが示されたことを喜び祝う歌詞なのである。
なお、グレゴリオ聖歌ではイースターの昇階唱として使用される。


プレミアついちゃってるDVD


Trinity College Choir, Cambridge
収録アルバム: Byrd: Cantiones Sacrae, Book I and Ii (Excerpts)

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by CockRobin96 | 2016-03-11 19:59 | Trackback | Comments(0)

Stond wel, Moder《しゃんと立って、母上》


"Stond wel, Moder, under rode,
Bihold thi child wyth glade mode;
Blythe, Moder, mittu ben."
"Sune, quu may blithe stonden?
Hi se thin feet, hi se thin honden
Nayled to the harde tre."
「しゃんと立って、十字架の下の母上
 もっと嬉しげにあなたの子を見てください
 幸福な母となられるのですから」*1
「息子よ、どうして幸福そうに立っていられましょう
 あなたの足が、あなたの手が
 堅い木に釘づけられているのを見てるのに」

"Moder, do wey thi wepinge:
Hi thole this ded for mannes thinge;
For owen gilte tholi non."
"Sune, hi fele the dede stunde;
The swerd is at min herte grunde,
That me byhytte Symeon."
「母上、すすり泣くのはよしてください
 わたしの死の苦しみは万民のためなのです
 わたしの罪ゆえの苦しみではないのです」
「息子よ、死に至る痛手をわたしも感じています
 剣がわたしの心を貫いています
 シメオンがかつてわたしに預言した剣が」*2

"Moder, reu upon thi bern:
Thu wasse awey tho blodi teren,
It don me werse than mi ded."
"Sune, hu mitti teres wernen?
Hy se tho blodi flodes hernen
Huth of thin herte to min fet."
「母上、あなたの子を憐れんでください
 そして滴り落ちる涙を拭ってください
 その涙が死ぬことよりもつらいのです」
「息子よ、どうして涙を止められましょうか
 血が噴き出してほとばしり
 あなたの胸からわたしの足下にまで届くのを見てるのに」

"Moder, ny y may thee seyn,
Bettere is that ic one deye
Than al mankyn to helle go."
"Sune, y se thi bodi swngen,
Thi brest, thin hond, thi fot thur-stungen
No selli thou me be wo."
「母上、今こそ申し上げますが
 わたしひとりが死ぬ方がましでしょう
 全ての人が地獄へ行くよりも」
「息子よ、あなたの身体がぶら下げられ
 胸が、手が、足が貫かれているのを見て
 わたしが嘆くのも不思議はありません」

"Moder, if y dar thee tellen,
Yif y ne deye, thu gost to helle;
Hi thole this ded for thine sake."
"Sune, thu best me so minde.
With me nout; it is mi kinde
That y for thee sorye make."
「母上、あえて申し上げますが
 もしわたしが死ななければ、あなたが地獄に行くことになる
 わたしの死の苦しみはあなたのためなのです」
「息子よ、あなたは本当に優しい子
 責めないでおくれ、これはわたしの性分なのです
 あなたゆえに悲しみをあらわにしてしまうのは」

"Moder, merci, let me deyen,
For Adam ut of helle beyn
And al mankin that is forloren."
"Sune, wat sal me to rede?
Thi pine pined me to dede;
Let me deyn thee biforen."
「母上、ありがとう、どうぞ死なせてください
 地獄からアダムを
 全人類を救い出させてください」
「息子よ、わたしに何をさせようというの
 あなたの苦しみがわたしを死ぬほど苦しめる
 どうかあなたの前にわたしを死なせておくれ」

"Moder, mitarst thi mith leren
Wat pine tholen that childre beren,
Wat sorwe haven that child forgon."
"Sune, y wot y kan thee tellen,
Bute it be the pine of helle,
More sorwe ne woth y non."
「母上、今こそ理解なさったでしょう
 子を持つ者の悲しみ、
 子に先立たれる者の悲しみを」
「息子よ、はっきりと言えますとも
 地獄の苦しみの他には
 かくも大いなる苦しみはありますまい」

"Moder, reu of moder kare,
Nu thu wost of moder fare,
Thou thu be clene mayden man."
"Sune, help alle at nede,
Alle tho that to me greden —
Mayden, wyf, and fol wyman."
「母上、母心というものに憐れみを
 母とはいかなるものかお知りになったのだから
 清いおとめでもありながら」
「息子よ、全ての求めるひとをお助けください
 わたしに嘆願してくるすべての者を
 おとめを、人妻を、愚かな女を」

"Moder, y may no lenger duellen;
The time is cumen y fare to helle,
The thridde day y rise upon."
"Sune, y wyle withe funden.
Y deye ywis of thine wnden;
So reuful ded was nevere non."
「母上、もはやこれまでです
 時は至り、わたしは地獄にゆく
 三日目にはわたしは目覚めるでしょう」
「息子よ、わたしも共に逝きましょう
 わたしも死にます、まさにあなたの痛手ゆえに
 かくも痛ましい死は他にありますまい」

When he ros than fel thi sorwe:
The blisse sprong the thridde morewe
Wen blithe, Moder, wer thu tho.
Moder, for that ilke blisse
Bisech ure God, ure sinnes lesse,
Thu be hure chel ayen hure fo.
御子がよみがえられたとき、御母の悲しみも離れ去った
至福の春が三日目の朝におとずれた
そのときあなたは幸福な母となられたのだ
御母よ、この至福のゆえに
御子にとりなしたまえ、我らの罪が除かれんことを
あなたこそ、仇なす者どもからの我らの盾

Blisced be thu, quen of hevene,
Bring us ut of helle levene
Thurth thi dere sunes mith.
Moder, for that hithe blode
That he sadde upon the rode
Led us into hevene lith.
Amen.
祝されたまえ、天の女王よ
我らを地獄から連れ出したまえ
あなたの愛する御子の力をして
御母よ、かのまことの血ゆえに
十字架の上から流れ落ちた血ゆえに
天の光の中へ導きたまえ
アーメン

*1 blythe=blithe 「楽しげな」「快活な」「ハッピーな」
*2 赤ん坊のイエスを連れてきた聖母マリアに、祝福と預言を与えた預言者。→《シメオンの賛歌

text & tune: 13世紀イギリスの作者不詳の歌曲。歌詞はラテン語の宗教詩《Stabat iuxta Christi crucem》をもとにしている。

聖母マリアが崇敬されるのは、処女懐胎したからでも神の母だからでもなく、大衆に軽蔑され処刑される我が子に最後まで寄り添い続けた偉大な母だからである。キリスト教の各教派でもマリアの扱いはまちまちだが、キリスト教が世界に伝播するにつれ、元々あった女神信仰を吸収したことで、あらゆる人にとっての理想的な美しい慈母という命題を一手に引き受けた。聖母は実際の血縁を越えたあまねく万人の母として、そのイメージは不滅である。

関連 →《たたずめる御母
参考サイト

Anonymous 4版



ヒリヤード・アンサンブル版(CDのみ)

(収録曲が入ってないけど、このアホみたいに高いCD『夏は来たりぬ』の新装版)
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by CockRobin96 | 2015-06-23 22:25 | Trackback(1) | Comments(0)

Ye Choirs of New Jerusalem《汝ら新しきエルサレムの聖歌隊よ》


*Ye choirs of new Jerusalem,
Your sweetest notes employ,
The Paschal victory to hymn
In strains of holy joy.
*汝ら新しきエルサレムの聖歌隊よ、*1
こよなく甘美な歌声をもて、
過越の勝利をほめ歌え、
この聖なる歓びの調べで。

For Judah's Lion bursts His chains,
Crushing the serpent's head;
And cries aloud through death's domains
To wake the in prison'd dead.
ユダの獅子がおのが鎖をひきちぎり、*2
蛇の頭を砕き給うたゆえに。*3
そして高らかに咆哮する、死の支配をひき裂いて、
囚われの死者を目覚めさせるため。

*Refrain
*繰り返し

Devouring depths of hell's their prey
at His command restore,
His ransom'd hosts pursue their way
Where Jesus goes before.
地獄の深みでむさぼられていた餌食達は
今や主のみもとに返され、
主に贖われた者達の群れはたどっていく、
イエスが先立って行かれた道を。

Triumphant in His glory now
To Him all power is given;
To Him in one communion bow
All saints in earth and heaven.
今こそ主の栄光のうちに勝ち誇れ、
全ての力は彼に与えられた。
主に献げる聖餐の場で、
地と天の全ての聖徒らが膝をかがめる。

While we, His soldiers praise our King,
His mercy we implore,
Within His palace bright to bring
And keep us evermore.
主の兵士(つわもの)なるわたしたちは、王を賛美する、
主の憐れみをわたしたちは乞い願う、
主の宮の輝きに導きいれ、
わたしたちをとこしえにお守りくださることを。

*Refrain
*繰り返し

All glory to the Father be,
All glory to the Son,
All glory, Holy Ghost, to Thee,
While endless ages run.
Alleluiah! Amen.
全ての栄光が父にあるように、
全ての栄光が子に、
全ての栄光が聖霊に、あなたに、
世々に限りなくありますように。
アレルヤ、アーメン!

*1 『ヨハネの黙示録』に登場する概念。キリストの再臨、最後の審判の後、善と正義に満ちた天地が新しく創造され、キリストの花嫁として新しいエルサレムが降りてくるとされる。
*2 キリストを指す。「見よ。ユダ族から出た獅子、ダビデのひこばえが勝利を得たので、七つの封印を開いて、その巻物を開くことができる。」(黙示録5:5)
*3 『創世記』でエバをそそのかした蛇は、神に「お前と女、お前の子孫と女の子孫の間に/わたしは敵意を置く。/彼はお前の頭を砕き/お前は彼のかかとを砕く。」(創世記2:15)と呪われた。絵画の中で聖母やキリストはしばしば蛇を踏みつけ、原罪を克服したことを示している。

text: Fulbert de Chartres (c.960-1028)
tune: Charles Villiers Stanford (1852-1924)

中世フランスでシャルトルの大司教だったフルベールによる詩を、Robert Campbell (1814-1868)が英訳したもの。人気のある歌詞で、さまざまなメロディがあてられた。


マティアス・グリューネヴァルト(c.1480-1528)
「イーゼンハイム祭壇画」より「キリストの復活」1511-1515年
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イギリスのことわざに「March comes in like a lion, and goes out like a lamb. (三月は獅子のごとく来たりて、子羊のごとく去る)」というのがあり、三月の天気の不安定さを表しているが、イースターが基本的に三月と四月のどちらかになることもかかっているのかもしれない。
獅子も小羊もキリストの象徴ではある。
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収録アルバム: Stanford: Anthems & Motets


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by CockRobin96 | 2015-04-07 22:21 | Trackback | Comments(0)

Christ The Lord Is Risen Again《主なるキリストは再び目覚め》


Christ the Lord is risen again!
Christ hath broken ev'ry chain!
Hark, the angels shout for joy,
Singing ever more on high,
Alleluia!
キリスト、主は再び目覚められた!
キリストは全ての鎖をうち砕かれた!
聞け、天使らが歓び叫ぶのを、
いと高きところでとこしえに歌うのを、
アレルヤ!と。

He who gave for us his life,
Who for us endur'd the strife,
Is our Paschal Lamb today!
We too sing for joy and say
Alleluia!
その命をわたしたちに給われた方、
わたしたちのために争いをも耐え忍ばれる方が
この日の過越の小羊なのです!
わたしたちは歓び歌い、叫ぶ、
アレルヤ!と。

He who bore all pain and loss
(Alleluia, alleluia)
Comfortless upon the cross,
(Alleluia, alleluia)
Lives in glory now on high,
(Alleluia, alleluia)
Pleads for us, and hears our cry.
Alleluia!
彼は貫かれてあらゆる痛みと喪失を味わわれ、
(アレルヤ、アレルヤ!)
慰めもなく十字架にあげられた。
(アレルヤ、アレルヤ!)
今や栄光のうちに、いと高き処で生きておられる、
(アレルヤ、アレルヤ)
わたしたちのために嘆願し、叫び声に耳を傾ける。
アレルヤ!

Now he bids us tell abroad
(Alleluia, alleluia)
How the lost may be restor'd,
(Alleluia, alleluia)
How the penitent for giv'n,
(Alleluia, alleluia)
How we too may enter heav'n.
Alleluia!
今、彼は四方に命じ語りかけられる。
(アレルヤ、アレルヤ!)
どれほどの迷ったものが正しい道に返され、
(アレルヤ、アレルヤ!)
改悛するものに慰めが与えられ、
(アレルヤ、アレルヤ!)
天国に入らせられることでしょう。
アレルヤ!

Thou, our Paschal lamb indeed,
Christ, today thy people feed;
Take our sins and guilt away,
That we all may sing for ay,
Alleluia!
あなたこそ、わたしたちの過越の子羊。
キリストよ、この日あなたの民に糧を与え
わたしたちの罪と咎(とが)をとり去り、
とこしえにわたしたちに歌わせてください、
アレルヤ!と。

text: Michael Weisse (c.1480-1534)
tune: John Rutter (1945-)

Cathrine Winkworth(1829-1878)による訳詞。より人気の高いチャールズ・ウェスレーの聖歌《ほろぶるものを Christ the Lord Is Risen Today》との混同に注意。
ラターについては《生誕のキャロル》を参照。


また、わたしは、天と地と地の下と海にいる全ての被造物、
そして、そこにいるあらゆるものがこう言うのを聞いた。
「玉座に座っておられる方と小羊とに、賛美、誉れ、栄光、
そして権力が、世々限りなくありますように。」
四つの生き物は「アーメン」と言い、長老たちはひれ伏して礼拝した。
(ヨハネの黙示録 第5章13-14節)

『ベアトゥス黙示録ファクンドゥス写本』より「小羊の礼拝」
↑については《甘き歓びのうちに》に既出。上部にいる人と獣の頭を持つ天使は、それぞれ四つの福音書の書記者をあらわしている。左から人頭がマタイ、獅子がマルコ、牛がルカ、鷲がヨハネである。
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Cambridge Singers
収録アルバム: Rutter: Te Deum and Other Church Music


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by CockRobin96 | 2015-04-07 22:09 | Trackback | Comments(0)

This Joyful Eastertide《この喜ばしいイースターの季節に》


This joyful Eastertide,
away with sin and sorrow!
My Love, hath Crucified,
hath sprung to life this morrow.
*Had Christ, that once was slain,
ne'er burst his three-day prison,
our faith had been in vain;
but now hath Christ arisen,
arisen, arisen, arisen.
この喜ばしいイースターの季節に、
原罪と悲しみは離れ去った!
わたしの愛する、十字架にかけられた方は、
この朝起きあがり、復活なされた。
*キリストは一度はほふられたが、
なんと三日で地獄を破られた。
わたしたちの信仰も虚しさのうちにあったが、
今やキリストはよみがえった、
よみがえった、よみがえった、よみがえった!

My flesh in hope shall rest,
and for a season slumber,
till trump from east to west
shall wake the dead in number.
*Refrain
わたしの身体は希望のうちに安らぐでしょう、
しばし死の眠りについている間は。
東から西までラッパが響き渡れば、*1
あまたの死人が目覚めることでしょう。
*繰り返し

Death's flood hath lost its chill,
since Jesus crossed the river:
Lover of souls, from ill
my passing soul deliver,
*Refrain
死の大水の冷たさは失われた、
イエスがその大河を渡られたときから。
全ての魂の友よ、邪悪から
流れを渡るわたしの魂をもお救いください。
*繰り返し

*1 『ヨハネの黙示録』に登場する、災いを呼ぶ七つのラッパ。七人の天使によって吹き鳴らされた後、さまざまな災害が起こり、世界は最後の審判を迎える。その際に地も海も死者を吐き出し、死者は生者と同じく裁かれる。

text: George Ratcliffe Woodward (1848–1934)
tune: 17世紀オランダのメロディ

復活祭がやってきた、ハレルヤ。
バターも、チーズも、
ヨモギギクで風味をつけた
オムレツとプリンも戻ってきた。
(16世紀イギリスのキャロル)

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画像は、ロマノフ王朝が1885年以来十月革命まで、ファベルジェの工房に作らせ続けたイースターエッグのうちのひとつ。
イースターにつきものの卵は、無から有を生み出す生命力や復活をあらわすとともに、灰水曜日から始まった長い断食の終了を象徴する食べ物でもあった。現在ではチョコレートやプラスチックで代用されることもある。イースターエッグを庭に隠して見つけ出す遊びはドイツから発祥したと言われている。ちなみに、イースターエッグを運んでくる兎は、交尾せずに繁殖できると考えられていた時期があり、処女懐胎したマリアと結びつけられた。

Choir of King's College, Cambridge/Sir Philip Ledger
収録アルバム: Music for Holy Week



おまけ
卵とイースターの関係など、中世の食料事情を面白おかしく解説するエッセイ

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by CockRobin96 | 2015-04-03 23:27 | Trackback | Comments(0)

Victimae Paschali laudes《過越の犠牲をほめたたえよ(われらのすぎこし)》


Victimae paschali laudes
過越(すぎこし)の犠牲(いけにえ)をほめたたえよ、*1
immolent Christiani
ほふられたキリストを。
Agnus redemit oves:
子羊が羊を贖われた。*2
Christus innocens Patri
キリスト、無原罪の父は
reconciliavit peccatores.
罪人を悔い改めさせてくださる。
Mors et vita duello
死と生は相争い、
conflixere mirando:
驚くべき戦いをおこなった。
dux vitae mortuus,
死せる人が、
regnat vivus.
生命を支配した。
Dic nobis Maria
わたしたちに語れ、マリア、*3
quid vidisti in via?
道で何を見たのかを。
Sepulcrum Christi viventis,
「葬られたキリストが生きておられるのを、
et gloriam vidi resurgentis:
そしてそのよみがえりの栄光とを見ました。
Angelicos testes,
天使の証と、
sudarium, et vestes.
残された布を見ました。
surrexit Christus spes mea:
目覚められたキリスト、わたしの望みは、
praecedet suos in Galilaeam
ガリラヤに先行き待っておられます。」
Scimus Christum surrexissae
キリストはよみがえられた、
amortuis vere:
死のうちからまことに。
tu nobis, victor Rex, miserere.
勝利の王よ、わたしたちに憐れみを。
Amen. Alleluia.
アーメン、アレルヤ。

*1 イースターの原型となったユダヤ教の行事「過越の祭」。旧約聖書『出エジプト記』で、神がエジプトに災害をもたらした際、ユダヤ人の家を「過ぎ越」したことを記念する。神への目印のために子羊を屠殺してその血をドアに塗り、肉は焼いて食べる。この犠牲の子羊はイエスの象徴でもある。
*2 神と人の関係は、しばしば善良な羊飼いと羊の群れに例えられる。「わたしたちは羊の群れ/道を誤り、それぞれの方角に向かって行った」(イザヤ書53:6)。
*3 マグダラのマリア。各福音書ではイエスに七つの悪霊を追い出してもらった女性として言及され、伝統では「罪深い女」「ラザロとマルタの姉妹マリア」などと同一人物であるとされる。彼女の罪とは、娼婦あるいは姦通の類いとみなされている。娼婦を始めとする罪に苦しむ女、悔い改める罪人の守護聖人。民衆劇では福音記者ヨハネの元婚約者、異端信仰ではイエスの恋人や妻などとされることもある。

text & tune: Wipo (act c.1020-1040)

マリアは墓の外に立って泣いていた。
泣きながら身をかがめて墓の中を見ると、イエスの遺体の置いてあった所に、白い衣を着た二人の天使が見えた。
一人は頭の方に、もう一人は足の方に座っていた。
天使たちが、「婦人よ、なぜ泣いているのか」と言うと、マリアは言った。
「わたしの主が取り去られました。どこに置かれているのか、わたしには分かりません。」
こう言いながら後ろを振り向くと、イエスの立っておられるのが見えた。
しかし、それがイエスだとは分からなかった。
イエスは言われた。
「婦人よ、なぜ泣いているのか。だれを捜しているのか。」
マリアは、園丁だと思って言った。
「あなたがあの方を運び去ったのでしたら、どこに置いたのか教えてください。
わたしが、あの方を引き取ります。」
イエスが、「マリア」と言われると、彼女は振り向いて、ヘブライ語で、「ラボニ」と言った。
「先生」という意味である。
イエスは言われた。
「わたしにすがりつくのはよしなさい。まだ父のもとへ上っていないのだから。
わたしの兄弟たちのところへ行って、こう言いなさい。
『わたしの父であり、あなたがたの父である方、また、わたしの神であり、あなたがたの神である方のところへわたしは上る』と。」
マグダラのマリアは弟子たちのところへ行って、「わたしは主を見ました」と告げ、また、主から言われたことを伝えた。
(ヨハネによる福音書 第20章11-18節)

中世に作られた復活日のミサのための曲。作者は神聖ローマ皇帝コンラート二世に仕えた人物。
復活したイエスに一番最初に会うという最高の栄誉を与えられたのは、かつて罪深い女と呼ばれたマグダラのマリアであった。イエスは何故マグダラのマリアを突き放したのか。『ヨハネによる福音書』ではこのエピソードの後、弟子のひとりトマスが釘のあとと脇腹の傷を触って確認しなければ信じないと言い張る。トマスは触れることでやっと信じたが、マリアは見ただけでイエスを信じることができたからこそ、この栄誉にふさわしいとされたわけである。

ティツィアーノ(1488/90-1576)「ノリ・メ・タンゲレ(我に触れるな)」1511-12年
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日本語歌詞:「我らの過ぎ越し」
われらのすぎこし、
主はほふられぬ。
世の罪を負い、
こひつじなる主は
み父にとりなしたもう。
はげしきいくさを
死とたたかいて、
いのちの主は勝ちたもう。
語れ、マリヤ、
汝(な)が見しままを。
「むなしきみ墓と
 生ける主をわれは見たり。
 布のみ残りて
 さかえはみちぬ。
 望みなる主イエス
 ガリラヤにゆきたもう」。
主はげに死に勝ちて
世をすべたもう。
主よ、あわれみたまえや。
アーメン

聖モーリス及びモール修道院ヴネディクト派修道士聖歌隊
収録アルバム: Gregorian Chant


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by CockRobin96 | 2015-04-03 23:01 | Trackback | Comments(0)