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Oranges and Lemons《オレンジにレモン》


Oranges and lemons,
Say the bells of St. Clement's.
「オレンジにレモン」と*1
聖クレメントの鐘が言う

You owe me five farthing,
Say the bells at St. Helen's.
「お前に5ファージング貸しがあるぞ」と*2
聖ヘレンの鐘が言う

When will you pay me?
Say the bells of Old Bailey.
「いつ支払ってくれる?」と
オールド・ベイリーの鐘が言う

When I grow rich,
Say the bells of Shoreditch.
「お金持ちになったらね」と
ショアディッチの鐘が言う

When will that be?
Say the bells of Stepney.
「いつなるの?」と
ステップニーの鐘が言う

I do not know,
Say the great bell of Bow.
「知らないよ」と
ボウの大鐘が言う

Here comes a candle to light you to bed,
And here comes a chopper to chop off your head.
(Chip chop, chip chop, the last man's dead.)
お前をベッドへ案内するろうそくが来たぞ
お前の首を切り離す首切り役人が来たぞ
(チョンパ、チョンパ、最後の奴が死んだぞ)

Pancakes and fritters,
Say the bells of St. Peter's.
「パンケーキに天ぷら」と*3
聖ピーターの鐘が言う

Two sticks and an apple,
Say the bells at Whitechapel.
「飴ん棒二本にりんご一個」と*4
ホワイトチャペルの鐘が言う

Old Father Baldpate,
Say the slow bells at Aldgate.
「つるっぱげの親父さん」と
オルドゲートの鐘が遅れて言う

Pokers and tongs,
Say the bells at St. John's.
「火かき棒に火ばさみ」と
聖ジョンの鐘が言う

Kettles and pans,
Say the bells at St. Ann's.
「やかんに平鍋」と
聖アンの鐘が言う

Brickbats and tiles,
Say the bells of St. Giles'.
「れんがつぶてにタイル」と
聖ジャイルズの鐘が言う

Here comes a candle to light you to bed,
And here comes a chopper to chop off your head.
(Chip chop, chip chop, the last man's dead.)
お前をベッドへ案内するろうそくが来たぞ
お前の首を切り離す首切り役人が来たぞ
(チョンパ、チョンパ、最後の奴が死んだぞ)

*1 オレンジもレモンも、イギリスがEUに加盟する以前は非常に高価なフルーツだった。なお、この名は1665年のダンス曲集にすでに登場している。
*2 ファージングは現在では使われなくなったイギリスの通貨単位。1ペニーにつき4ファージング。古いバージョンでは「ten shillings(10シリング)」。1ポンドにつき20シリング、1シリングにつき12ペンス。
*3 フリッター、フリットは要するに洋風天ぷらだが、魚や野菜だけでなくりんごやバナナなどを衣で包んで揚げてデザートにすることもある。日本の天ぷらに比べるとフニャッとしている。
*4 「sticks」を棒状のお菓子と解釈することもできるが、欧米で定番のお菓子であるりんご飴のことかもしれない(りんごの数が足りないが)。ハロウィンや11月のガイ・フォークスデーなどで定番となっている。
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text & tune: イギリスのナーサリーライム。文献初出は1744年頃に出版された『Tommy Thumb's Pretty Song Book(トミー・サムの可愛い唄の本)』。

初出の形は、以下のようになっていた。

Two Sticks and Apple,
Ring ye Bells at Whitechapple,
「飴ん棒二本にりんご」と
ホワイトチャペルの鐘が鳴る

Old Father Bald Pate,
Ring ye Bells Aldgate,
「つるっぱげの親父さん」と
オルドゲートの鐘が鳴る

Maids in White Aprons,
Ring ye Bells a St. Catherines,
「白エプロンの女中たち」と
聖キャサリンの鐘が鳴る

Oranges and Lemons,
Ring ye bells at St. Clements,
「オレンジにレモン」と
聖クレメントの鐘が鳴る

When will you pay me,
Ring ye Bells at ye Old Bailey,
「いつ支払ってくれるの」と
オールド・ベイリーの鐘が鳴る

When I am Rich,
Ring ye Bells at Fleetditch,
「お金持ちになったらね」と
フリートディッチの鐘が鳴る

When will that be,
Ring ye Bells at Stepney,
「いつなるの」と
ステップニーの鐘が鳴る

When I am Old,
Ring ye Bells at Pauls.
「年をとったらね」と
聖ポールの鐘が鳴る

ロンドンの鐘尽くし(ただし一部の鐘は現在失われているか特定できなくなっている)の、とぼけた童謡。日本の「通りゃんせ」と「花いちもんめ」を組み合わせたような遊びで、歌いながら「オレンジ」と「レモン」に別れた後、お互い引っ張りあって勝敗を決める。
かつて斬首刑が公開されていた記憶と、借金が重なって投獄されたという歴史が結びついたものという説がある。

Crimson Ensemble
収録アルバム: Classic Nursery Rhymes, Vol. 1


The Broadside Band
収録アルバム: Old English Nursery Rhymes


おまけ:ウォルター・クレインによるイラスト
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さらにおまけ:ヘンリエット・ウィルビーク・ル・メールによるイラスト
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さらにさらにおまけ:Bob Chilcott(1955-)によるパロディ曲
London Bells《ロンドンの鐘》

amazonには楽譜しかないのだ

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by CockRobin96 | 2017-08-17 10:52 | Trackback | Comments(0)

With A Voice Of Singing《歌声もて》


With a voice of singing
declare ye this,
and let it be heard,
Alleluia.
歌声もて
汝ら宣べ伝えよ、
告げ知らせよ、
アレルヤ。

Utter it even unto the ends of the earth.
げに、地の果ての極みまでも。

The Lord hath delivered his people,
Alleluia.
主はその民を救い出し給えりと。
アレルヤ。

O be joyful in God, all ye lands,
O sing praises to the honor of his name,
make his praise to be glorious.
神にありて歓び溢れよ、全地よ、
主のみ名の誉れをほめ歌え、
その賛美を栄えあるものとせよ。

With a voice of singing
declare ye this,
and let it be heard,
Alleluia.
歌声もて
汝ら宣べ伝えよ、
告げ知らせよ、
アレルヤ。

Alleluia.
declare ye this,
and let it be heard,
Alleluia.
アレルヤ。
汝ら宣べ伝えよ、
告げ知らせよ、
アレルヤ。

text: 旧約聖書イザヤ書48:20(欽定訳による)
tune: Martin Shaw(1875-1959)

四声と三声がある模様。アマゾンだとなぜか男声しかない。

河野和雄(多分東洋英和のオルガンの先生)による日本語訳詞:
歌声もて
知らせよ み救いを
アレルヤ

知らせよ み救いを
アレルヤ

告げよ 遠く地の果てまでも

み神は世人(よびと)を救い
アレルヤ
命を与え給う
アレルヤ

喜べ いざ民よ
ほめ歌え み名の栄え
たたえよ 御稜威(みいつ)を

歌声もて
知らせよ み救いを
アレルヤ

アレルヤ
知らせよ み救いを
アレルヤ

ピアノ伴奏のしかなかった
Matthew Curtis
収録アルバム: With A Voice Of Singing SATB - Martin Shaw


オルガン伴奏だけど男声三重唱
Mount St. Mary's Seminary Vespers Schola
収録アルバム: Canticles of the Seasons: Advent, Christmas, Easter, and Marian Devotion

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by CockRobin96 | 2017-08-16 16:33 | Trackback | Comments(0)

Find the Music in You《あなたの中の音楽》MLP


[Big McIntosh]
Trot outside and you see the sunshine
Something's in the air today
Sky is clear and you're feelin' so fine
Everything's gonna be a-okay
[ビッグ・マッキントッシュ]
外を小走りすればお日様キラキラ
今日は何かがありそうな感じ
空は澄み切って気分は上々
何もかもがうまくいきそう

[ALL]
If you listen carefully
On every corner there's a rhythm playing
Then it happens suddenly
The music takes you over and you'll
気をつけて聞いてごらん
そこら中にリズムが刻まれてる
それは突然に起こるんだ
音楽があなたを覆い尽くして、気づかせるんだ

Find you've got the music
Got the music in you
Find you've got the music
Got the music in you
あなたが持ってる音楽に気づいて
あなたの中の音楽に
あなたが持ってる音楽に気づいて
あなたの中の音楽に

[Big McIntosh]
Every pony's sayin'
you should learn to express your voice
But if talk doesn't seem like it's the answer
Luckily you have a choice
[ビッグ・マッキントッシュ]
ポニー達はみんな言うよ
もっと声を絞り出してみたらって
でもお喋りじゃ答えにはなりそうもないよ
幸いにも音楽は選り好みができる

[ALL]
When you find you've got the music
Got the music in you
Find you've got the music
Got the music in you
Got the music,
got the music in you!
あなたが持ってる音楽に気づいたなら
あなたの中の音楽をつかまえて
あなたが持ってる音楽に気づいて
あなたの中の音楽をつかまえて
音楽をつかまえて
あなたの中の音楽を!

[Fluttershy]
There's music in the treetops
And there's music in the vale
And all around the music fills the sky
[フラッターシャイ]
音楽はこずえのてっぺんにも
音楽は谷間の中にも
どこにいても音楽は空に充ち満ちる

There's music by the river
And there's music in the grass
And the music makes your heart soar in reply
音楽は川辺にも
音楽は草むらの中にも
音楽はあなたのハートに響いて舞い上がらせる

(When you find you've got the music)
You've got to look inside and find
(あなたが持ってる音楽に気づいたなら)
あなたの中を覗いて、気づいてあげて

(Find you've got the music)
The music deep inside you
(あなたの持ってる音楽に気づいて)
音楽はあなたの奥深く

(Find you've got the music)
'Cause when you look inside,
you'll see it
(あなたの持ってる音楽に気づいて)
あなたの奥深くを覗けば
あなたにもわかるはずだから

(Find you've got the music)
You're gonna find it,
gonna find
(あなたの持ってる音楽に気づいて)
あなたもきっと気づくでしょう
気づくでしょう

You've got the music
Got the music,
got the music
Got the music in you!
あなたが音楽をもうつかまえてることに
音楽を
音楽を
あなたの中の音楽を!

text & tune: Daniel Ingram(1975-)

はあフラタかわかわ。

未だ吹き替えられざるマイリトルポニー トモダチは魔法のシーズン4第14話の劇中歌。
ラリティが結成したアカペラユニットに憧れる歌好きなフラッターシャイだったが、シャイすぎて人(ポニー)の前で歌うなんてとても無理なのだった。ところが本番直前にメインだったビッグ・マッキントッシュが喉を痛めて声が出せなくなり、代わりにフラタが魔法の草で声を変えて裏側で歌うことになる。アカペラユニットは大好評であちこちからお呼びがかかるが、歌う快感にハマったフラタが渋るラリティを説得して出演しまくる。とうとう調子こいたフラタが……というお話。

おそらく元ネタはアメリカの作曲家ジョージ・ガーシュインがミュージカル『クレイジー・フォー・ユー』のために作曲したI Got Rhythm《アイ・ガット・リズム》。


Daniel Ingram
収録アルバム: My Little Pony: Friendship is Magic Songs of Harmony

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by CockRobin96 | 2017-08-12 20:18 | Trackback | Comments(0)

Finnegan's Wake《フィネガン家のお通夜(フィネガンズ・ウェイク)》


Tim Finnegan lived in Walken' Street
A gentleman Irishman mighty odd;
He seen a brogue so soft and sweet
And to rise in the world he carried the hod
ティム・フィネガンはウォーケン通りに住んでいた
紳士で、アイルランド男で、かなりの変わり者
なまりも心地よい優男(やさおとこ)*1
レンガ箱を担いで世過ぎをしていた

Tim had a sort of a tipplin' way
With a love of the liquor now he was born
To help him on with his work each day
Had a "drop of the cray-chur" every morn
ティムは飲み助といってもまあよかった
生まれてこの方酒が大好き
仕事の助けになるからと
毎朝「ウイスキーのひとしずく」をきこしめす*2

*Whack fol the da O, dance to your partner
Welt the floor, your trotters shake;
Wasn't it the truth I told you?
Lots of fun at Finnegan's wake!
*おっさんをひっぱたいて、パートナーとダンス、*3
 床を蹴飛ばし、足を振り振り
 俺のお喋りはほんとのことかな?
 フィネガン家のお通夜はお楽しみがいっぱい!*4

One mornin' Tim felt rather full
His head felt heavy which made him shake;
Fell from a ladder and he burst his skull
So they carried him home his corpse to wake
ある日ティムはしたたか飲み過ぎて
頭が重い気がしてかぶりを振ってみたら
はしごから落ちて頭蓋はめちゃめちゃ
それでみんなはお通夜のために遺体をティムの家に運び込んだ

Rolled him up in a nice clean sheet
Laid him out upon the bed;
A gallon of whiskey at his feet
A barrel of porter at his head
きれいで清潔なシーツでティムを包み
ベッドの上に寝かせてやり
足元にはウイスキー1ガロン
頭には黒ビールをひと樽*5

*Refrain
*繰り返し

His friends assembled at the wake
And Mrs. Finnegan called for lunch
First they brung in tea and cake;
Then pipes, tobacco and whiskey punch
友人一同がお通夜に集い
フィネガン夫人が昼食に招待
まずはみんなでお茶とケーキを持ち込み*6
それからパイプにタバコにウイスキーパンチ

Biddy O'Brien began to cry
"Such a nice clean corpse, did you ever see?
Tim mavournin, why did you die?"
Arragh, shut your gob said Paddy McGhee!
ビディ・オブライエンが泣き始めた*7
「こんなきれいな死体、見たことあって?
愛しいティム、どうして死んでしまったの?」*8
「あらまあ、お黙りよ」とパディ・マッギー

*Refrain
*繰り返し

Patty O'Connor took up the job
"Ah Biddy," says she, "You're wrong, I'm sure"
Biddy gave her a belt in the gob
Then left her sprawlin' on the floor
パティ・オコナーが仕事にかかった
「ああ、ビディったら」とパティ、「言い間違いよね、そうでしょ」
ビディはパティの口にベルトをぶっこみ
床に大の字にのしちゃった

Then the war did soon enrage
Woman to woman and man to man
Shillelagh-law was all the rage
And a row and a ruction soon began
それから戦いに火がついた
女は女に、男は男に、
みんなが怒鳴りあいいきりたち*9
すぐに罵りあいと喧嘩が始まった

Mickey Maloney lowered his head
And a bottle of whiskey flew at him
Missed, and fallin' on the bed
The liquor scattered over Tim!
ミッキー・マロニーが頭をかがめて
その上をウイスキー瓶が飛んでいく
それは外れてベッドに落ちて
お酒がティムにぶちまけられた!

Tim revives! See how he rises!
Timothy risin' from the bed
Sayin', "Whirl your liquor around like blazes
Thunderin' Jaysus! Do you thunk I'm dead?"
ティムが生き返った! ティムが起きてるよ!
ティモシーはベッドから起き上がって*10
言うことには、「そこら中お前らの酒でめちゃくちゃだ
とんでもねえこった! お前ら俺を死人だとでも思ってるのか!」

*Refrain
*繰り返し

*1 brogueは本来アイルランドやスコットランドで使われた頑丈な革靴。現在では穴飾りのあるオシャレ革靴。転じて、アイルランドなまり。
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*2 強い酒、特にウイスキーのことをcreatureと称し、さらになまってcray-churとも呼ぶ。
*3 恐らくは「whack for the daddy 'o」のこと。意味不明の囃し言葉。
*4 wakeは目覚める、起きているという意味だが、アイルランド地方では「通夜」「寝ずの番」を意味する(ずっとwakeしているから)。「死者が目覚める」ことにひっかけてもいる。
*5 porterは荷担ぎ人夫、転じてそのような労働者が好んで飲んでいた弱い黒ビール。
*6 brungはbringの過去形のなまり。フィネガン家の人が部屋に持ち込んだのか、友人達が自前で持ち込んだのかよくわからない。
*7 BiddyはBridget(ブリジット)の愛称だが、くちやかましいめんどり婆さんという意味もある。
*8 mavournin=my bonnie、my daringのこと。ゲール語の「mo mhuirnín」からきている。
*9 Shillelaghは本来ステッキがわりに使うコブのついた杖。Shillelagh-lawは口げんか、ののしりあいのこと。
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*10 ティムは元々ティモシーの愛称。
*11 Thundering=雷鳴が轟く音、転じて「ものすごく」という意味のスラング。 Jaysus=Jesus。英米人がよく言う「南無三!」。

text & tune: アイルランド民謡

また酒の歌か。

The Irish Rovers
収録アルバム: The Irish Rovers 50 Years - Vol. 1


おまけ

「ダブリン市民」「ユリシーズ」で知られるアイルランド人作家ジェイムズ・ジョイスの最後の小説。
死亡したが復活したティム・フィネガンを、原罪による転落からキリストの復活へ至る人類の象徴と見立て、ある一家族の物語を描くと見せかけて円環する人類の意識そのものを描こうとする一方で、神話だの言葉遊びだの当て字などを入れまくってふざけまくっているという、とっても難解な小説。
タイトルがFinnegan's WakeではなくFinnegans Wakeとなっているのは、「フィネガンたち」という意味を含んでいる。
このバージョンでは生き返ったティムはまた棺に戻される…らしい。
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by CockRobin96 | 2017-08-05 14:26 | Trackback | Comments(0)

Great day《大いなる日よ》


*Great day!
Great day, the righteous marching.
Great day!
God's going to build up Zion's walls.
*大いなる日よ!
 大いなる日よ、堂々たる進軍よ
 大いなる日よ!
 神はシオンの壁を築かれなさる

The chariot rode on the mountaintop,
(God's going to build up Zion's walls)
My God spoke and the chariot did stop
(God's going to build up Zion's walls)
戦車に乗り込んだら山のてっぺんで*1
(神はシオンの壁を築かれなさる)
わが神は命じて、戦車をお止めになった
(神はシオンの壁を築かれなさる)

This is the day of jubilee,
(God's going to build up Zion's walls)
The Lord has set His people free
(God's going to build up Zion's walls)
この日こそ祝祭の日
(神はシオンの壁を築かれなさる)
主は民を解き放たれる
(神はシオンの壁を築かれなさる)

We want no cowards in our band
(God's going to build up Zion's walls)
We call for valiant hearted men
(God's going to build up Zion's walls)
我らが軍隊に臆病者がいないようにしよう
(神はシオンの壁を築かれなさる)
我らは雄々しい心の持ち主を呼び集めよう
(神はシオンの壁を築かれなさる)

Going to take my breast-plate, sword and shield
(God's going to build up Zion's walls)
And march boldly in the field
(God's going to build up Zion's walls)
胸当てと剣と盾を持とう
(神はシオンの壁を築かれなさる)
戦地で不敵に進軍せよ
(神はシオンの壁を築かれなさる)

*Refrain
*繰り返し

*1 チャリオットは「戦車」の他、単に荷車を指すこともある。→Swing Low, Sweet Chariot《静かに揺れよ、愛しい荷車》

text&tune: 黒人霊歌

「シオン」は元々はエルサレムの南東にあった丘。後に北にあったモリア山もこの名で呼ばれる。転じて、エルサレムあるいはその住民全体を擬人化して「シオンの娘」「娘エルサレム」などと呼ぶ。
ダビデ王がこの街をエブス人から攻め取って以来(サムエル記下5:7)、「ダビデの町」と呼ばれるようになった。このあたり聖書では一言で終わっているので、歴史上の戦いにもとづいた歌ではなく、精神的な戦いを歌ったものととった方が良いかもしれない。
また、イザヤ書の「その日には、ユダの地でこの歌がうたわれる。我らには、堅固な都がある。救いのために、城壁と堡塁が築かれた。」(26:1)にも関連するかもしれない。
うがった見方をすれば、奴隷の身分から首尾よく逃亡した喜びを歌っているのかもしれない。

ジェシー・ノーマン & Dalton Baldwin & The Ambrosian Singers
収録アルバム: Jessye Norman - Spirituals

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by CockRobin96 | 2017-07-29 09:46 | Trackback | Comments(0)

Blessed be that Maid Mary《おとめマリアこそ祝されし者》


Blessed be that Maid Mary;
Born He was of her body;
Very God ere time began,
Born in time the Son of man.
おとめマリアこそ祝福されし者
主はその肉体より生まれた
まことに、時を刻む以前よりの神が
時満ちて人の子として生まれた

*Eya! Jesu hodie
Natus est de Virgine.
*ああ! イエスはこの日
 おとめより生まれ給えり


In a manger of an ass
Jesus lay and lulled was;
Born to die upon the Tree
Pro peccante homine.
*Refrain
ロバの飼い葉桶の中で
イエスは寝かされあやされた
木にかけられて死ぬために生まれた
人の原罪ゆえに
*繰り返し

Sweet and blissful was the song
Chanted of the angel throng,
"Peace on earth," Alleluya.
In excelsis gloria.
*Refrain
甘美で祝福に満ちたこの歌が
数多の天使に詠唱された
「地には平和あれ」、アレルヤ
いと高き処には栄光あれと
*繰り返し

Fare three Kings from far-off land,
Incense, gold and myrrh in hand;
In Bethlehem the Babe they see,
Stelle ducti lumine.
*Refrain
はるかな地より三人の王が旅して来た、
乳香、黄金、没薬をたずさえて
ベツレヘムにて彼らはみどりごにまみえた、
星の光に導かれて
*繰り返し

Make we merry on this fest,
In quo Christus natus est;
On this Child I pray you call,
To assoil and save us all.
*Refrain
この宴を楽しめよ、
キリストが生まれ給うたこの時を
この幼子にわたしもあなたも乞い求める
我ら皆があがなわれ救われることを
*繰り返し

text: 15世紀頃の作者不詳の詩
tune: 16〜17世紀頃に出版されたWilliam Ballet's Lute Book(ウィリアム・バレットのリュートの本)に掲載されたメロディから


David Willcocks & Choir Of King's College Cambridge
収録アルバム: Christmas With: David Willcocks & Choir of King's College Cambridge

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by CockRobin96 | 2017-07-22 10:19 | Trackback | Comments(0)

Song for Athene《アテネに寄す歌》


Alleluia.
May flights of angels sing thee to thy rest.
アリルイア。
飛行する天使たちが、あなたの安息のために歌ってくださるように。*1

Alleluia.
Remember me,
O Lord, when you come into your kingdom.
アリルイア。
わたしを覚えていてください、
主よ、わたしがあなたの御国(みくに)に入る時には。*2

Alleluia.
Give rest, O Lord,
to your handmaid, who has fallen asleep.
アリルイア。
安息をお与えください、主よ、
あなたのはしために、眠りに落ちいらんとする者に。*3

Alleluia.
The Choir of Saints have found
the well-spring of life and door of Paradise.
アリルイア。
聖人らの合唱隊はすでに得たり、
命の泉と楽園の扉を。*4

Alleluia.
Life: a shadow and a dream.
アリルイア。
命とは、幻影と夢そのもの。*5

Alleluia.
Weeping at the grave creates the song:
アリルイア。
墓の上でむせび泣く者が歌を造り出す。*6

Alleluia.
Come, enjoy rewards and crowns
I have prepared for you.
アリルイア。
来たり、報いと栄冠を楽しめ、
あなたのために備えられたものを。*7

*1 シェイクスピア『ハムレット』からのセリフ。瀕死のハムレットに、親友ホレイショーが別れの言葉として言うセリフ。
*2 正教会における「永眠者のための奉神礼(パニヒダ)」の式文より。
*3 はしためは女の召使いのこと。永眠者が男性である場合servant(しもべ)とする。
 正教会では「死者」「逝去者」という呼び方はせず、「永眠者」と呼ぶ。死は天国へ至る喜ばしいことと考えるためである。
*4 これも「パニヒダ」の式文より。日本正教会の式文では「聖人の群は生命の泉と,天道の門を得たり。」
*5 これも『ハムレット』からのセリフだが、原文ママではない。クローディアス王からハムレットのスパイを命じられたギルデンスターン&ローゼンクランツと、ハムレットの会話に基づく。
ギル「その、夢と御意(ぎょい)あるが、取りも直さず、御大望(ごたいもう)でござる。何故と仰(おしゃ)あれ、所謂大望の本体は夢の影に過ぎませぬ。」
ハム「夢も影じゃ。」
ロー「いかにも。私は大望をば果敢(はか)ない、影の影とも申すべき空(あだ)なものと心得まする。」(坪内逍遙訳)
*6 「パニヒダ」の「ただ墓の上の嘆きに歌いて言うべし、アリルイヤ、アリルイヤ、アリルイヤ。」に対応している。stand at the graveで「墓の上に立つ」つまり残された人。死者本人を指す場合は、「in the grave」。
*7 これも「パニヒダ」式文より。呼びかけに対する神からの返答。

text: Mother Thekla (1918–2011) ギリシャ正教会の修道女。正確に言えば、『ハムレット』と「パニヒダ」に基づいて編訳したもの。
tune: John Tavener (1944-2013)

若くして亡くなったギリシャ系の女優Athene Hariadesを記念したもの。ロンドンのHellenic Collegeで英語と劇の教師も務める才女であったが、1993年に自転車事故で死去した。
ダイアナ元皇太子妃の葬儀でも使用されたことで知られる。英語風に発音した《アシーナのための歌》とも訳される。

ちなみに、正教会というのはカトリックと同じくらい古いキリスト教の一派。キリスト教の勢力分類は、一位がカトリック、二位が正教会である。ギリシャ正教会、もしくは東方正教会とも呼ばれる。カトリックは西の方。基本的には正教会の上に現地の名前がつく(「ロシア正教会」「日本正教会」など)。

St. John's College Choir, Cambridge
収録アルバム: Tavener: Song for Athene / Svyati

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by CockRobin96 | 2017-07-16 20:57 | Trackback | Comments(0)

All people that on earth do dwell(Old 100th)《よろずのくにびと(詩篇第100編)》


All people that on earth do dwell,
Sing to the Lord with cheerful voice.
Him serve with fear, His praise forth tell;
Come ye before Him and rejoice.
地に住まう全ての者よ
高らかな声で主に向かいて歌え。
畏れつつ主に仕え、その誉れを告げ知らせよ
主の御前に来たりて歓べよ。

The Lord, ye know, is God indeed;
Without our aid He did us make;
We are His folk, He doth us feed,
And for His sheep He doth us take.
汝ら知れ、主こそまことに神なりと
我らの助けなくして主は我らを造られ給えり。
我らは主の民、主は我らを養い給う
主は我らをその羊となし給えばなり。

O enter then His gates with praise;
Approach with joy His courts unto;
Praise, laud, and bless His Name always,
For it is seemly so to do.
賛美しつつ主の門に入り
喜びつつその中庭に進め。
賛美せよ、歓呼せよ、祝福せよ、絶えず主の御名を
その行いは主にふさわしきゆえに。

For why? the Lord our God is good;
His mercy is for ever sure;
His truth at all times firmly stood,
And shall from age to age endure.
なにゆえにや、我らの神なる主は善にして
その憐れみはとこしえに確かなるは?
そのまことは常に堅固にそびえ、
代(よ)から代へと限りなく続かん。

To Father, Son and Holy Ghost,
The God Whom Heaven and earth adore,
From men and from the angel host
Be praise and glory evermore.
父と、子と、聖霊に
天と地に崇めらるる神に、
人からもみ使いからも
とこしえに賛美と栄光が献げられよ。

text: 『ジュネーブ詩篇歌』からWilliam Kethe(?-1594)が英訳したもの。『ジュネーブ詩篇歌』は宗教改革の立役者の一人ジャン・カルヴァンの主宰で編集された、フランス語訳詩篇による聖歌集。ある程度まとまった時点で段階的に出版され、完成したのは1562年。後のあらゆるプロテスタント派の賛美歌に影響を与えた。本来は第134編に当てられていたメロディだったが、のちに歌詞として第100編が使われ、この通称がついた。
tune: 『ジュネーブ詩篇歌』のうち、Louis Bourgeois(c.1510–1559)によるメロディ。初出はPseaumes Octante Trois de David (1551)。多くの作曲家が編曲を手がけたが、Ralph Vaughan Williams(1872-1958)によるオケ伴奏アレンジがよく知られ、英国の戴冠式などでも使用される。
その他大バッハによるアレンジもある。


東北学院大学による日本語の賛美歌

新古今聖歌集の日本語訳詞:
よろずのくにびと
わが主に向かいて
声を高らかに
歓び歌えよ

主こそ神にませ
主はわが牧主(かいぬし)
我らはその民
み牧の羊ぞ

いざや歓びの
歌を歌いつつ
御門(みかど)にいりゆき
大宮にのぼらん

恵みは豊かに
憐れみは絶えず
み神のまことは
世々に限りなし

大宮って聞くたびに埼玉の方の大宮思い出しちゃうの。

Mark Bennett, Westminster Abbey Choir, The English Chamber Orchestra, Martin Neary & Martin Baker
収録アルバム: Coronation of H.M.Queen Elizabeth II

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by CockRobin96 | 2017-07-15 08:59 | Trackback | Comments(0)

Three Blind Mice《三匹の目の見えないネズミ》


Three blind mice.
(Three blind mice.)
See how they run.
(See how they run.)
They all ran after the farmer's wife,
Who cut off their tails with a carving knife,
Did you ever see such a sight in your life,
As three blind mice?
三匹の目の見えないネズミ
(三匹の目の見えないネズミ)
あいつらの走り方をごらんよ
(あいつらの走り方をごらんよ)
そろって農家のおかみさんを追いかけたら
おかみさんは肉切り包丁でシッポをちょん切った*1
君は生まれてこの方見たことあるかい、
三匹の目の見えないネズミどもみたいなのをさ

*1 おかみさんが尻尾をちょん切ったから追いかけたのではない。もしそうなら「had cut off」になる。

text & tune: イギリスの古い童謡

文献初出は非常に古く、17世紀初頭に活躍した音楽家Thomas Ravenscroft(1582or1592-1635)によって採取された民謡集『Deuteromelia or The Seconde part of Musicks melodie(デューテロメリアまたは二声の楽曲集)』(1609年に出版)に収録されている。
当時の形は、以下のようになっていた。

Three Blinde Mice, (Three Blinde Mice,)
三匹の目の見えないネズミ(三匹の目の見えないネズミ)
Dame Lulian, (Dame Lulian,)
ルリアンの奥様(ルリアンの奥様)
the Miller and his merry olde Wife,
粉挽きとその陽気なおかみさん
she scrapte her tripe licke thou the knife.
おかみさんが胃袋を刻んでナイフを舐めた
*1「ルリアン」が何を意味するかは不明。マヨルカ(カタルーニャ)の神学者ラモン・リュイ(Ramon Llull)の研究者などのことをLlullianと呼んだりはするが、関連性があるかどうかわからない。
*2 この胃袋は牛などの胃袋のこと。料理に使う)

熱烈なカトリックであったメアリー一世によって火刑に処された、英国国教会の大司教クランマーと二人の司教のことを歌っているとする説もある。カトリックに対して「盲目」であったから、という説明がなされるが、今日に至るまでの英国国教会の優勢を考えるとあまりこの説明は当てはまらないように思える。
そもそも目が見えないのにどうやっておかみさんの後ろにつきまとっているのか?
やや差別的な内容を含むにも関わらず、残酷で不気味なこの歌は現在でも童謡として愛唱されている。輪唱として歌うこともできる。

Crimson Ensemble
収録アルバム: Children's Party: The Ultimate Collection


輪唱版
The Broadside Band
収録アルバム: Old English Nursery Rhymes


おまけ:

1952年の初演以来、現在に至るまでロングランを続けている、クリスティの戯曲。
ロンドンで殺人事件が起こり、現在も逃走中である折に、ゲストハウスを始めたばかりの若夫婦の元に、5人の客(小説版だと4人)と1人の刑事がやってくる。大雪で閉じ込められたゲストハウスの中に、殺人犯が潜んでいると知らされ、全員が疑心暗鬼にかられるが…。
この中で《三匹の目の見えないネズミ》が繰り返しテーマとして現れ、登場人物たちが口ずさんだりする。「三匹のネズミ」とは、殺人の発端となった「疎開中の3人の子供が、引き取られた先で虐待され1人が死亡した」という戦時中の事件が元となっている。残った2人の子供のどちらかが、自分たちを追い込んだ人間に復讐して回っているのだが、それが男女いたので性別もわからない…という訳である。

おまけその2:
ディズニーのシリー・シンフォニーシリーズの一つ「ネズミ三銃士」

お前ら本当は見えてるだろ

さらにおまけ:
2:15以降あたりから

007シリーズの映画第1作「ドクター・ノオ」の冒頭に、この童謡のパロディが出てくる。
3人の盲人に扮した暗殺者たちが、ターゲットを殺害するというシーンで始まっている。

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by CockRobin96 | 2017-06-25 10:00 | Trackback | Comments(0)

Jubilate Deo in C《ハ音のユビラーテ・デオ(神にありて歓べ)》


O be joyful
歓べよ
in the Lord, all ye lands;
主にありて、全地よ。
Serve the Lord with gladness
喜びをもて主に仕え
and come before his presence with a song.
主のみ前に歌いつつ来れ。
Be ye sure
確信せよ、
that the Lord he is God:
主こそ神なりと。
It is he that hath made us
主は我らを創られ給えり、
and not we ourselves;
我らが創りしにあらず。
We are his people,
我らは主の民、
and the sheep of his pasture.
その牧場の羊。
O go your way
進みゆけ
into His gates with thanksgiving,
主の門のうちに感謝とともに入り
And into His courts with praise.
その宮中に賛美とともに入れ。*1

Be thankful unto him
主に向かいて感謝に満ち満ちて
and speak good of his name.
その御名を良き声で呼ばわれ。
For the Lord is gracious,
主は恵み深く
His mercy is everlasting;
その憐れみはとこしえであるゆえに。

And his truth
そのまことは
endureth
限りなく続く
from generation to generation.
世から世へと。

Glory be
栄光は
to the Father
父と
and to the Son
子と
and to the Holy Ghost;
聖霊に、
as it was in the beginning
初めにあったように
is now and ever shall be:
今もそしてとこしえに。

world without end.
御代(みよ)終わりなくあれかし。
Amen.
アーメン。

*1 courtは単に中庭という意味の他、宮廷、法廷、高貴な人の御前という意味がある。

text: 詩篇第100編(聖公会祈祷書による)
tune: Benjamin Britten(1913-1976)

Jubilate Deoはラテン語での詩篇第100編の冒頭で、「神にありて歓べ」の意。繰り返し「感謝」という言葉が出てくるため、詩篇第100編は「感謝の賛歌」というサブタイトルがつくこともある。
同じ歌詞で、同じくブリテンによるin E flat(変ホ音)のものもある。


Oxford New College Choir
収録アルバム: Britten: The Sacred Choral Music

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by CockRobin96 | 2017-06-18 09:09 | Trackback | Comments(0)