タグ:黒人霊歌 ( 8 ) タグの人気記事

Go down Moses《ゆけ、モーセ》


(Go down Moses
Way down in Egypt land
Tell all Pharaohs to
Let my people go)
(ゆけ、モーセ
エジプトの地にくだれ
ファラオに告げよ
「わが民を解き放て」と)

When Israel was in Egypt land
(Let my people go)
イスラエルの民がエジプトの地にいた頃
(わが民を解き放て)

Oppressed so hard they could not stand
(Let my people go)
ひどく虐げられて抵抗もできなかった
(わが民を解き放て)

So God sayeth:
"Go down, Moses
Way down in Egypt land
Tell all Pharaohs to
Let my people go"
それで神は言われた
「ゆけ、モーセ
エジプトの地へくだれ
ファラオに告げよ
わが民を解き放て、と」

So Moses went to Egypt land
(Let my people go)
それでモーセはエジプトの地へゆき
(わが民を解き放て)

He made all Pharaohs understand
(Let my people go)
ファラオたちに一切を承知させた
(わが民を解き放て)

Yes, the Lord said,
"Go down, Moses
Way down in Egypt land
Tell all Pharaohs to
Let my people go"
まことに、主は言われた
「ゆけ、モーセ
エジプトの地へくだれ
ファラオに告げよ
わが民を解き放て、と」

Thus spoke the Lord
Bold Moses said
"Let my people go
主はこのように語られたと
強きモーセは言った
「わが民を解き放て」と

If not, I'll smite your firstborn dead
Let my people go"
「さもなくば、わたしはお前たちの初子を撃ち殺すであろう
わが民を解き放て」

God, the Lord said,
"Go down, Moses
Way down in Egypt land
Tell all Pharaohs to
Let my people go"
主なる神は言われた
「ゆけ、モーセ
エジプトの地へくだれ
ファラオに告げよ
わが民を解き放て、と」

Tell all Pharaohs
To Let my people go
ファラオに告げよ
わが民を解き放て、と

text & tune: 黒人霊歌

「見よ、イスラエルの人々の叫び声が、今、わたしのもとに届いた。
また、エジプト人が彼らを圧迫する有様を見た。
今、行きなさい。
わたしはあなたをファラオのもとに遣わす。
わが民イスラエルの人々をエジプトから連れ出すのだ。」
(旧約出エジプト記3:9-10)

エジプトに移民としてやってきたイスラエル人は、やたらに増えたので当然ながらエジプト人に疎まれ、ファラオは「女児が産まれたら生かし、男子が産まれたら殺せ」という命令を出す。しかしあるイスラエル人の母親が、こっそり息子を防水した籠にいれてナイル川の岸辺に置き、姉娘に見守らせたところ、ファラオの娘に拾われて養子となった。これがモーセである。モーセはエジプト人として育つが、イスラエル人を虐待するエジプト人をうっかり殺して証拠隠滅をはかるが、後日イスラエル人同士のケンカを止めようとして「お前エジプト人殺してただろ」と言われて、あわてて逃亡する。その後遊牧民ミディアン人の娘の入り婿におさまり、羊飼いとして暮らしていたが、神の奇跡である燃えても燃え尽きない柴を目撃し、神のお告げと誓いを受け、エジプトに戻り大脱出を試みる…というストーリー。ちなみに、ラムセス2世の時代にイスラエル人の大脱出があったとされているが、その次の世代のファラオであるメルエンプタハの時代だったという説もある。

様々な民族が、苦境にあえぐ自らの姿をイスラエルの民になぞらえ、モーセのように力強い指導者が導き出してくれることを待ち望んだ。アメリカの黒人奴隷たちの他、ナチの迫害から国外へ脱出するユダヤ人たちも自らを「エクソダス(出エジプト記の英語名。大脱出の意)」に例えた。でもパレスチナぶんどってるのはどうかと思う。

Louis Armstrong
収録アルバム: The Good Book


おまけその1:ユル・ブリンナーがファラオを演じたあれ


おまけその2:ドリームワークス謹製アニメ

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by CockRobin96 | 2017-05-13 20:59 | Trackback | Comments(0)

Swing Low, Sweet Chariot《静かに揺れよ、愛しい荷車》



Swing low, sweet chariot,
静かに揺れよ、愛しい荷車*1
Coming for to carry me home
わたしを天国へ連れにやって来い*2

I looked over Jordan, and what did I see?
ヨルダン河を見渡したら、何が見えたと思う?
(Coming for to carry me home,)
(わたしを天国へ連れにやって来い)
A band of angels coming after me,
わたしの後についてくる天使の楽隊
(Coming for to carry me home.)
(わたしを天国へ連れにやって来い)

If you get there before I do,
もし君がわたしよりも先に着いたら
(Coming for to carry me home,)
(わたしを天国へ連れにやって来い)
Tell all my friends I’m coming, too.
みんなに伝えてくれ、わたしもすぐに行くと
(Coming for to carry me home.)
(わたしを天国へ連れにやって来い)

*1 チャリオットはタロットカードだと戦車。馬車とも訳されるが、馬がつないでなくてもチャリオットと呼ぶ。リヤカーや大八車のようなものも含む。
*2 homeは家、故郷という意味の他に天国を指すこともある。黒人霊歌では特にその傾向が強い。

text & tune: 黒人霊歌

彼らが話しながら歩き続けていると、見よ、火の戦車が火の馬に引かれて現れ、二人の間を分けた。
エリヤは嵐の中を天に上って行った。(旧約聖書・列王記下2:11)

この「チャリオット」は、本来預言者エリヤが載せられていた不思議な馬車を指す。人の手の届かない馬車に乗せられ、天国へ向かう歌だと一般には解釈されているが、国境の川を越えて奴隷制のないカナダまで逃亡する歌であるという説もある。追っ手に気づかれては困るので、「静かに揺れよ」と頼んでいるわけである。(→《聖霊を感じるたびに》)
アメリカで非常に人気が高い黒人霊歌であると同時に、覚えやすいメロディのせいかパロディ作品がやたら多い。
ミルス・ブラザーズのRockin' Chair《ロッキング・チェア》2:20あたり


ダイナ・ショアSentimental Journey《センチメンタル・ジャーニー》一番最後


もっとも白眉なのが、Dizzy GillespieによるSwing Low, Sweet Cadillac《静かに揺れよ、愛しいキャデラック》である。

深夜番組「タモリ倶楽部」の「空耳アワー」に取り上げられたことで有名になった。
最初のスキャットが「横浜 オー! 横浜 オー! 横浜 オー! 横浜 オー! 横浜? いやそりゃおかしい いやそりゃおかしい いやそりゃおかしい おかしい おかしい いやそりゃおかしい こりゃ間違いよ」に聞こえる。
散々調べたがさっぱりわからなかった(コメンテーターが「ガーナ語?」と言ってたがガーナは色んな言語が混在しているので結局何語かわからない)。

Swing low, sweet Cadillac
静かに揺れよ、愛しいキャデラック
Coming for to carry me home
俺を家へ連れ戻しに来い

I looked over Jordan, and what did I see?
ジョーダン通りを見渡したら、何が見えたと思う?
Oh, an Eldorado, comin’ after me
ああ、俺の後ろについてくるエルドラドさ

ちなみにエルドラドとは1953年に発売されたキャデラックの最高級品。アイゼンハワー大統領のパレードにも使われた。

2:30あたり


CDのみ


The St. Olaf Choir
収録アルバム: The Spirituals of William L. Dawson

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by CockRobin96 | 2016-09-08 22:09 | Trackback | Comments(0)

Mary had a Baby《マリアが赤ちゃんを産んだ》


Mary had a Baby,
My Lord!
Mary had a Baby,
My Lord!
Oh, Mary had a Baby,
Mary had a Baby,
Oh, Mary had a Baby
My Lord!
マリアが赤ちゃんを産んだ、
(わたしの主を!)
マリアが赤ちゃんを産んだ、
(わたしの主を!)
ああ、マリアが赤ちゃんを産んだ、
マリアが赤ちゃんを産んだ、
ああ、マリアが赤ちゃんを産んだ、
わたしの主を!

Where was He born
Born in a manger,
Where was He born
born in a manger
Oh, Mary had a Baby
born in a manger,
Oh, Mary had a Baby
My Lord!
どこで生まれた?
「かいば桶の中で。」
どこで生まれた?
「かいば桶の中で。」
ああ、マリアが赤ちゃんを産んだ、
かいば桶の中で生まれた、
マリアが赤ちゃんを産んだ、
わたしの主を!

What did they call Him?
"King Jesus,"
What did they call Him?
"King Jesus,"
Oh, Mary had a Baby
He was called "King Jesus."
Mary had a Baby, oh, yes!
赤ちゃんは何て呼ばれてた?
「王なるイエス!」
赤ちゃんは何て呼ばれてた?
「王なるイエス!」
ああ、マリアが赤ちゃんを産んだ、
赤ちゃんは「王なるイエス」と呼ばれてた、
マリアは赤ちゃんを産んだ、ああ、そうだ!

He is called "King Jesus,"
"Mighty Counsellor,"
"King Emanuel,"
"Mighty God,"
"Everlasting Father,"
"Prince of Peace"
Mary had a Baby.
My Lord!
赤ちゃんは「王なるイエス、
 大能の助言者*1、
 王なるインマヌエル、
 大能の神、
 永遠の父、
 平和の君」と呼ばれる。
マリアが赤ちゃんを産んだ、
わたしの主を!

*1 「ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。権威が彼の肩にある。その名は、『驚くべき指導者、力ある神/永遠の父、平和の君』と唱えられる。」(イザヤ書9:5)

text & tune: 黒人霊歌 William Levi Dawson(1899-1990)による編曲

The St. Olaf Choir
収録アルバム: The Spirituals of William L. Dawson


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by CockRobin96 | 2015-12-16 22:21 | Trackback | Comments(0)

Ain'a That Good News!《良い知らせじゃないか》


I got a crown up in'a the kingdom,
ain'a that good news!
*I'm agoin' to lay down this worl',
 goin'a shoulder upuh my cross,
 goin'a take it home-a to my Jesus,
 ain'a that good news!
わたしはみ国で冠を戴いた
良い知らせじゃないか!*1
*わたしはこの世を捨てて*2
 十字架を背負おうとしている
 天の故郷に、わがイエスのみ元に行こうとしてる*3
 良い知らせじゃないか!

I got a harp up in'a the kingdom,
ain'a that good news!
*refrain
わたしはみ国で竪琴を奏でた
良い知らせじゃないか!
*繰り返し

I got a robe up in'a the kingdom,
ain'a that good news!
*refrain
わたしはみ国で聖衣を羽織った
良い知らせじゃないか!
*繰り返し

I got a savior in'a the kingdom,
ain'a that good news!
*refrain
わたしはみ国で救い主を得た
良い知らせじゃないか!
*繰り返し

My Lawd! Ain'a that good news!
主よ! 良い知らせじゃないか!

*1 ain'tはare notまたはis notの短縮。無教養な人の使う方言とされることもままあるが、教養がある人でも口語では普通に使う。
*2 lay downは下に降ろす、横に寝かせる、捨てるなどの意味がある
*3 homeは普通に家、故郷という意味の他に天国を指すこともある。奴隷は家族でもばらばらに売り飛ばされることが多いので、再会するとすれば天国しかないため、天国を「家」と呼ぶとも。

text & tune: 黒人霊歌 William Levi Dawson(1899-1990)による編曲

ドーソン多すぎじゃないかい。

ain't=are notをものすごく早口かつなまって言うと「ain'a(アイナ)」っぽく聞こえる。黒人奴隷の話し方を聞いたことがない地域の合唱団でもそれっぽく歌えるように、Dawsonがあえてこう綴ったと考えられる。
まあ江戸っ子設定キャラの人に台本渡す時に「ひ」を最初から全部「し」に変えてあったりするようなもん。
本来としては「良い知らせじゃないか!」というより「いい知らせじゃあねーか!」っぽいニュアンスなのではないかと思う。
あまり乱暴な言葉遣いにすると邦題入れる時にきまずいんや…

The St. Olaf Choir
収録アルバム: The Spirituals of William L. Dawson


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by CockRobin96 | 2015-09-17 21:21 | Trackback | Comments(0)

Down To The River To Pray《お祈りしようと河へ降りたら》


*As I went down in the river to pray
Studying about that good ol' way
And who shall wear the starry crown?
Good Lord show me the way!
*お祈りしようと河へ降りていったんだ*1
昔ながらの良いやり方を学ぼうと
星のようにきらめく冠を戴くあの人は誰だろう?*2
この優しいご主人様がやり方を教えてくださるんだって!*3

O sisters let's go down
Let's go down, come on down
O sisters let's go down
Down in the river to pray
さあ姉妹たちも降りて行こうよ
降りて行こうよ、降りておいでよ
さあ姉妹たちも降りて行こうよ
河の中へ降りて祈ろうよ

**As I went down in the river to pray
Studying about that good ol' way
And who shall wear the robe & crown?
Good Lord show me the way
**祈るために河へ降りていったんだ
昔ながらの良いやり方を学ぼうと
聖衣と冠をまとうあの人は誰だろう?
この優しいご主人様がやり方を教えてくださるんだって!

O brothers let's go down
Let's go down, come on down
Come on brothers, let's go down
Down in the river to pray
さあ兄弟たちも降りて行こうよ
降りて行こうよ、降りておいでよ
さあ兄弟たちも降りて行こうよ
河の中へ降りて祈ろうよ

*Refrain
*繰り返し

O fathers let's go down
Let's go down, come on down
O fathers let's go down
Down in the river to pray
さあ父さんたちも降りて行こうよ
降りて行こうよ、降りておいでよ
さあ父さんたちも降りて行こうよ
河の中へ降りて祈ろうよ

**Refrain
**繰り返し

O mothers let's go down
Come on down, don't you wanna go down?
Come on mothers, let's go down
Down in the river to pray
さあ母さんたちも降りて行こうよ
降りておいでよ、降りてみない?
さあ母さんたちも降りて行こうよ
河の中へ降りて祈ろうよ

*Refrain
*繰り返し

O sinners, let's go down
Let's go down, come on down
O sinners, let's go down
Down in the river to pray
さあ罪人たちよ、降りて行こうよ
降りて行こうよ、降りておいでよ
さあ罪人たちよ、降りて行こうよ
河の中へ降りて祈ろうよ

**Refrain
**繰り返し

*1 新約聖書によれば、洗礼者ヨハネがイエス・キリストに洗礼を授けたのがヨルダン川。当時は川に全身を浸すやり方で洗礼を授けていた。黒人霊歌ではしばしばその辺の河をヨルダン川に見立て、その向こうに労苦から解放された天国があると歌った。《聖霊を感じるたびに》でも触れたが、国境を流れる川をヨルダン川になぞらえて、その向こうの奴隷制のない国カナダを暗示しているともとれる。
*2 「冠(聖衣)をまとわせてくださるのは誰だろう」かもしれない。英語に詳しい人プリーズ。
*3 Lordはもちろん神の代名詞でもある。イエスは具体的な祈り方を弟子たちに教え、それが『主の祈り』としてキリスト教のほぼ全教派に共通する祈りとなっている(マタイによる福音書6:9-13)。

text & tune: 1867年に文献に初出した黒人霊歌

古くからある黒人霊歌だが、2000年にコーエン兄弟のコメディ映画『オー・ブラザー!』の劇中歌としてAlison Kraussがカバーし、リバイバルヒットした。アメリカのサスペンスドラマ『ブラックリスト』のシーズン2第12話でも使われた。

Alison Krauss
収録アルバム: A Hundred Miles Or More: A Collection



『オー・ブラザー!』より


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by CockRobin96 | 2015-08-24 22:39 | Trackback | Comments(2)

Ezekiel Saw de Wheel《エゼキエルの車輪》


Ezekul saw de wheel,
'Way up in de mid'l of de air,
Ezekul saw de wheel,
'Way in de mid'l of de air,
エゼキエルは車輪を見た、*1
空中を駆け昇る車輪を。
エゼキエルは車輪を見た、
空中を行く車輪を。

De big wheel run by faith,
De lit'l wheel run by de grace of God,
A lit'l' wheel in a wheel,
'Way in de mid'l of de air.
大きな車輪は信仰で回り、
小さな車輪は神の恵みで回る、
車輪の中の小さな車輪よ、
空中を行く車輪よ。

Better mind my brother how you walk on de cross,
('Way in de mid'l of de air)
Your foot in light slip, an' yer soul get lost,
('Way in de mid'l of de air)
Ole Satan wears a club foot shoe,
('Way in de mid'l of de air)
If you don' mind he'll slip it on you,
('Way in de mid'l of de air)
気をつけなよ兄弟、十字架の上を歩くのは、*2
(空中をゆく車輪よ)
足どりはふわふわ、魂も迷う心地
(空中をゆく車輪よ)
老いぼれサタンはがに股ギプス、*3
(空中をゆく車輪よ)
気にしなけりゃ、奴はお前の上ですってんころり
(空中をゆく車輪よ)

Ezekul saw de wheel,
'Way up in de mid'l of de air,
Ezekul saw de wheel,
(Ezekul saw de wheel in de air;)
'Way in de mid'l of de air,
エゼキエルは車輪を見た、
空中を駆け昇る車輪を。
エゼキエルは車輪を見た、
(エゼキエルは空の車輪を見た)
空中を行く車輪を。

De big wheel run by faith,
An' de lit'l wheel run by de grace of God,
A wheel in a wheel,
'Way in de mid'l of de air.
大きな車輪は信仰で回り、
小さな車輪は神の恵みで回る、
車輪の中の車輪よ、
空中を行く車輪よ。

Some go to church for to sing an' shout
Hallelu, hallelu, hallelujah!
Befo' six months dey's all turn'd out
'Way in de mid'l of de air
ちょいと教会へハレルヤ唱を叫びに行こう、
ハレルー、ハレルー、ハレルーヤ!
六ヶ月前のあの日は全てが変わった日、*4
空中をゆく車輪よ。

(doom-a-loom-a,
doom-a-loom-a,
doom-a-loom-a...)
Ezekul saw de wheel,
'Way up in de mid'l of de air,
Ezekul saw de wheel,
'Way in de mid'l of de air.
(ドゥマ・ルマ、
 ドゥマ・ルマ、
 ドゥマ・ルマ……)
エゼキエルは車輪を見た、
空中を駆け昇る車輪を。
エゼキエルは車輪を見た、
空中を行く車輪を。

(wheel in a wheel in a,
wheel in a wheel in a,...)
Ezekul saw de wheel,
'Way up in de mid'l of de air,
Ezekul saw de wheel,
'Way in de mid'l of de air.
(車輪の中の車輪よ、
 車輪の中の車輪よ……)
エゼキエルは車輪を見た、
空中を駆け昇る車輪を。
エゼキエルは車輪を見た、
空中を行く車輪を。

'Way up in de air.
空を駆け昇る車輪を。

*1 旧約エゼキエル書第1章、第3章、第10章に登場する、預言者エゼキエルが見た幻の車輪(その形は車輪の中に車輪が入っているようと言われる)と、有名な黒人霊歌Sweet Chariot《やさしきチャリオット》などに出てくる、天国へ向かう車の車輪を引っかけている。
ハンス・ホルバイン(子)の版画より
b0310887_2153122.jpg

*2 better mind は「気にしなさいよ」。"better mind your own business"(自分のやることを気にしろよ)は「人のことに口出すな」という意味になる。
*3 club footは生まれつき足が内側にねじれる疾患(先天性内反足)。「老いぼれサタン」はもしかすると即興で歌に歌い込まれた実在の人物の悪意あるあだ名なのかもしれない。
*4 tune outは「さらけだす」「判明する」「追い出す」「電気などを消す」などさまざまな意味がある。

text & tune:黒人霊歌 William Levi Dawson(1899-1990)による編曲

リズミカルな曲なせいか、宗教曲でありながらもジャズとして歌われることもある。



ドーソン版



サッチモ版



ハイ・ローズ版 これもなかなかカッコいい


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by CockRobin96 | 2015-07-06 22:08 | Trackback | Comments(0)

Jonah and The Whale《ヨナと鯨》


Jonah was a man
Got word from the Lord
"Go and preach the Gospel To a sinful land"
But he got on a ship
And he tried to get away
And he ran into a storm In the middle of the sea
ヨナという男があったとさ
主から御言葉を受けた男
「行って、罪深き地に福音を告げ知らせよ」と
ところがヨナは船に乗って
主から逃げ出そうとした
そして海のど真ん中で、嵐に突っ込んだ

Now the Lawdy made the waves
Just a row so high
The ship bigin to sink
and they all begin to cry
So they pulled old Jonah
Out of the hole
And they dumped him in the water
Just to lighten up the load
主は波を作り出し、
高く低く揺さぶった
船は沈みだし、
みんな怒鳴りだした
そしてみんなはヨナ爺さんを
引きずり出して
水中に放り込んだ
主がそう示されたので

Now the Laed made a whale long and wide
(Lord, Lord, was't that a fish)
And he swallowes up Jonah, hair and hide
Lord, Lord, wasn't that a fish
さあ、主は鯨を造られた、縦にも横にもでかいのを
(主よ、主よ、これは魚じゃないんですか?)
そして鯨はヨナを飲み込んだ、何もかも
(主よ、主よ、これは魚じゃないんですか?)

Now Jonah started to pray
In the belly of the whale
Lord, Lord, wasn't that a fish
he repented of his sins
Like a man in jail
(Lord, Lord, wasn't that a fish)
さあ、ヨナは祈り始めた
鯨の腹の中で
(主よ、主よ、これは魚じゃないんですか?)
その罪を悔い改めた、
牢屋の中の人のように
(主よ、主よ、これは魚じゃないんですか?)

Now Jonah must have been a bad man
He must have been a sinner
(Lord, Lord, was't that a fish)
'Cause when the whale got him down
He didn't like his dinner
(Lord, Lord, was't that a fish)
今やヨナは悪人同然
ヨナはまさしく罪人だった
(主よ、主よ、これは魚じゃないんですか?)
それだから鯨はヨナを飲みくだしたけど
このディナーはお気に召さなかった
(主よ、主よ、これは魚じゃないんですか?)

Well, he swum around the ocean
Sick as he could be
(Lord, Lord, was't that a fish)
And out for three days,
Whoops-he had a-set him free
(Lord, Lord, was't that a fish)
さあ、鯨は大洋を泳ぎ回った、
お腹が痛かったものだから
(主よ、主よ、これは魚じゃないんですか?)
そして三日後に、
おやまあ、ヨナを解き放った
(主よ、主よ、これは魚じゃないんですか?)

So the whale spit Jonah
Out on the dry land
(Lord, Lord, was't that a fish)
And he went on a-preaching
Like a righteous man
(Lord, Lord, was't that a fish)
鯨はヨナを吐き出した
乾いた地の上に
(主よ、主よ、これは魚じゃないんですか?)
そしてヨナは福音を告げ知らせに行った
正しき人と同じように
(主よ、主よ、これは魚じゃないんですか?)

Then the people quit their sins
When they heard him in the town
(Lord, Lord, was't that a fish)
So when you hear the call
Don't you turn the Gospel down
Lord, Lord, was't that a fish
Hmm?
すると人々はその罪を悔い改めた、
町でヨナの声を聞いたので
(主よ、主よ、これは魚じゃないんですか?)
だからもしも君たちが、呼びかけを聞いても
福音に立ち返らないならば
「主よ、主よ、これは魚じゃないんですか?」
だぞ?

text&tune: Robert MacGimsey(1898-1979)

旧約聖書の中でもっとも短いヨナ記のストーリーをもとにした、コミカルな歌。作者はルイジアナ生まれの作曲家で、「アフリカン・アメリカン」スタイルのキャロルをよく書いた。一応黒人霊歌に分類したが何か違うこれ。
神に「預言者になって二ネヴェに悔い改めるように言え」と言われたヨナは、「うわめんどくせえ、しかも敵国にそんな義理ないし、みんなに袋だたきにされちゃう」と逃げ出したが結局戻ってくるはめになる。鯨(単に大きい魚とも)に飲み込まれ、三日後に再び出てきたヨナは、キリストの予型とされることもある。



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by CockRobin96 | 2014-09-11 23:22 | Trackback | Comments(0)

Every time I feel the spirit≪聖霊を感じるたびに≫


*Every time I feel the spirit
Movin’ in my heart I will pray
Yes, Every time I feel the spirit
Movin’ in my heart I will pray
*聖霊を感じるたびに
 心は震え、わたしは祈る
 そう、聖霊を感じるたびに
 心は震え、わたしは祈る

Up on the mountains my Lord spoke
Out of His mouth came fire and smoke
Looked all around me, it looked so fine
I asked the Lord could it be mine
山々の上で主は語られる
口から火と煙を吐き出しながら
周りを見回すと、とても良い眺め
わたしは主に尋ねる、「これがわたしのものに?」と*1

*Refrain

The Jordan river is chilly and cold.
It chills the body but not the soul.
There aint but one train upon this track.
It runs to heaven and then right back.
ヨルダン川は凍えて寒い
身体は凍えてもわたしの魂は違う
この線路の上に一台の列車があるじゃあないか?
それは天国へ走って行き、すぐまた戻ってくるのさ。

*Refrain

*1 ちょっと訳を考え直してみました。これはこれでやはり自由の身になることを歌っているのかもしれない。

text & tune:黒人霊歌 William Levi Dawson(1899-1990)による編曲

アフリカ系アメリカ人にして、大学で教鞭を執ったドーソンにより採取、編曲された黒人霊歌。本来即興で歌われたこれらのジャンルは、ドーソンによって楽譜となり、誰にでも一定のレベルさえあれば歌えるようになった。一方で、アドリブを多用するような黒人霊歌らしさを損なったという見方もある。
奴隷の歌、または労働歌として歌われたこの黒人霊歌は、絶えず天国への憧れが歌われている。奴隷という身分の、死を待ちこがれるほどの厳しさをあらわしているとする解釈が一般的。一説には、国境の川を越えて、奴隷制がないカナダまで逃亡するための暗号を含んだ歌であったとされる。国境の川をヨルダン川、カナダを約束の地カナンに見立てた。また、奴隷制に反対する人々が手引きをし、徒歩や荷馬車、時には列車などの交通手段を使ってあの手この手で逃亡させたが、それらの経路や組織を総称して「地下鉄道」と呼んだ。くわしくはウィキってください。
うがった見方をすれば、この歌は逃亡の合図としての火と煙、見晴らしの良い場所、そして国境の川の中での潜伏、そして逃亡者を運ぶ列車を示しているというわけである。

参考文献:東理夫『アメリカは歌う』(作品社)


収録アルバム: The Spirituals of William L. Dawson


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by CockRobin96 | 2014-07-26 23:54 | Trackback | Comments(0)