Dunluce castle《ダンルース城》


Once upon a time in Ireland
stood a castle proud and free.
On the stormy coast of Antrim
high above the Irish Sea.
Lords and ladies gathered nightly
in the great hall of the king.
Bread and meat and wine did flow,
bards would play and poets sing.
昔々のアイルランドに
誇らしげに城がそびえていた。
アントリムの荒れ模様の岸辺*1
アイルランドの海のはるか上に。
貴族も貴婦人も夜毎に集(つど)った
王様の大広間の中に。
パンと肉とワインに満ち溢れ、
吟遊詩人が詩歌を奏でたものだった。

McDonald was a chieftain bold
who dwelled in Dunluce with his clan.
Safe from ships upon the ocean
and from raiders on the land.
There he ruled for many years,
for Ulster was his wide domain.
Many tried to conquer him,
and many men have died in vain.
マクドネルは豪胆な首長*2
ダンルースに一族と住んでいた。
海上の船団も
地上の侵略者も防いだものだった。
長年彼が治めたところは
アルスター一帯の広い領地。*3
大勢が彼を征服しようとしたけれど
大勢が虚しく倒れていった。

*Dunluce castle fell to no man,
sword, or pike, or cannon ball,
Roving clans or Spanish foeman,
Dunluce stood against them all.
*ダンルース城は誰にも落とせない
 剣にも、矛にも、砲弾にも
 流浪の民にもスペイン兵にも
 ダンルース城は立ち向かって倒れなかった。

When a fleet of Spanish raiders
sailed across the raging main,
Sure that victory was at hand
and glory for the king of Spain.
McDonald met them with full storm,
and loudly did the cannons roar,
The tide of Spain was turned away
and vanished from the Irish shore.
スペイン艦隊の侵略者たちが、
荒れ狂う大海原を越えてやってきた。
勝利を手に入れるため、
栄光をスペイン王に捧げるために。
マクドネルは大嵐とともに彼らにあいまみえ*4
砲声がとどろきわたった。
スペイン軍はきびすを返して、
アイルランドの浜辺から消え失せた。*5

*Refrain
*繰り返し

Then one night a storm came in
and loudly did the north wind blow,
Walls of stone came crumblin' down
and fell into the sea below.
Fate was cruel as many souls
were lost against the raging might,
Nature did what no man could
on a dark and stormy night.
ある夜嵐がやってきて、
北風が吹き騒いだ。
石の壁は微塵(みじん)に崩れて
海の中へ落ちていった。*6
運命は残酷だ、大勢の霊魂が
荒ぶる暴力の前に失われたという。
自然が誰にもできないことをやり遂げた、
暗い嵐の夜だった。*7

*Refrain
*繰り返し

*1 北アイルランド北東部。
*2 16世紀頃、スコットランド系の氏族MacDonnell of AntrimとMacDonald of Dunnyvegがこの城に入った。
*3 アイルランド北部にあった旧王国。
*4 stormは猛襲するという意味もある。
*5 1588年、スペインの無敵艦隊がアルマダ海戦で敗走した際、一部はカトリック仲間が多いスコットランドに助けを求めてアイルランド沖をルートに選んだ。しかし悪天候とアイルランド海岸の複雑な地形に対応しきれず、次々と難破した。スペイン艦隊は戦闘によってよりも、帰路においての溺死や餓死による死者の方が多かったのである。当時のダンルース城主は海岸に累々と流れ着いたスペイン兵の遺体を集め、聖カスバート教会に埋葬してやったとも、アイルランド沖で難破したジローナ号の部品や宝物を引き上げて城を補強したとも言われている。
*6 1639年の嵐で、城のキッチン部分が海に崩落し、料理人たちと使用人たちが犠牲になった。以来ついに住むものがいなくなった。
*7 スヌーピーが小説の書き出しとしていつも使う文章でもある。ちなみに元ネタがあり、E.ブルワー=リットンの小説『ポール・クリフォード』の冒頭文。「ペンは剣よりも強し」という言葉を作った人だが、冒頭文が駄文なことに定評がある。一応『ポンペイ最後の日』とかゴシックホラー小説は評価されとるんやで?

text&tune: George Millar(1947-) 民謡っぽく聞こえるけど実は民謡ではないんですよ。

海上にそびえる廃城として有名な観光地、ダンルース城の歌。レッド・ツェッペリンのアルバム『Houses Of The Holy』のジャケットに使われたことでも有名。

他にもナルニア国物語のケア・パラベル城のモデルになったり(ロケに使われたかどうかは知らん)、ジャッキー・チェン主演の『メダリオン』のロケ地に使われたりしている。


The Irish Rovers
収録アルバム:The Irish Rovers 50 Years - Vol. 2


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by CockRobin96 | 2015-11-17 21:05 | Trackback | Comments(0)
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