Frankie and Johnny《フランキーとジョニー》


Frankie and Johnny were sweethearts
Oh, what a couple in love
Frankie was loyal to Johnny
Just as true as the stars above
フランキーとジョニーは好き同士*1
ああ、恋に落ちた仲だった
フランキーはジョニーに誠実だった
まるで星空のように真実だった

He was her man
But he done her wrong
彼は彼女の男だったのに、
彼は彼女を裏切った

Frankie went down to the drugstore
Some ice cream she wanted to buy
The soda jerk told her that Johnny
Was making love to Nellie Bly
フランキーはドラッグストアに入っていった
アイスクリームを買いたかったから
ソーダ水の売り子が彼女に言うことには、ジョニーが
ネリー・ブライを口説いてたって*2

He was her man
But he was doing her wrong
彼は彼女の男だったのに、
彼は彼女を裏切った

Now Frankie's dad was a policeman
She stole his old forty four gun
Then back to the drugstore she beat it
Just as fast as she could run
フランキーのパパは警官だった
フランキーはパパの古びた44口径を盗み出し*3
ドラッグストアに足音高くとって返した
できる限り速く走って

After her man
Who was doing her wrong
それからどうなった
彼女を裏切った男は

Now Frankie peaked in on the party
She got a surprise when she saw
That Nellie and Johnny were making love
And sipping soda through a straw
フランキーはパーティの最中踏み込んで
ネリーを見つけてびっくり仰天
ネリーとジョニーがいちゃついてたから
ソーダ水をストローでチュウチュウやりながら

He was her man
But he was doing her wrong
彼は彼女の男だったのに、
彼は彼女を裏切った

So Frankie flew into a tantrum
She whipped out that old forty four
And her rootie toot boom, that gal did shoot
Right through that hard wood swinging door
それでフランキーはカッと逆上して
古びた44口径を抜きはなった
ルン・タン・バン!と、彼女がぶっ放したそれは*4
硬い木のスイングドアをまっすぐ貫通した

She shot her man
'Cause he was doing her wrong
彼女は男を撃った
男が彼女を裏切ったから

So bring on your crepe and your flowers
Bring on your rubber tired hack
'Cause there's eight men to go to the graveyard
But only seven are coming back
だからお前の喪章と花を持ってきておくれ*5
ゴムタイヤの四輪車も*6
だって8人の男が墓地に行って
戻ってきたのはたったの7人

She shot her man
'Cause he was doing her wrong
彼女は男を撃った
男が彼女を裏切ったから

Now this is the end of my story
And this is the end of my song
Frankie is down in the jail house
And she cries the whole night long
これで俺の話はおしまい
これで俺の歌はおしまい
フランキーは刑務所に入れられて
長い夜を泣き暮らしてる

"He was my man
But he was doing me wrong"
「彼はあたしの男だったのに
 彼はあたしを裏切った」

*1 フランキーはフランシスの愛称。フランシスは男性女性どちらにも使う名前。サイボーグ船大工ではない。
*2 アメリカで人口に膾炙したS・フォスターの曲のヒロインの名でもあり、19世紀の女性ジャーナリストの筆名でもある。魅力的な黒人女性を指しているとも取れる。

*3 1950年代に開発された大口径の弾薬、44マグナム弾を使うピストルの総称。映画『ダーティ・ハリー』シリーズの主人公が愛用しているリボルバーが最もよく知られる。拳銃としてはかなりでかく、反動も強烈なので、手が小さい人には扱えない。フランキーはゴリラか何かか。
*4  rooty-toot-toot、Rum-tum-tumなどのパターンがある。いずれも弾丸の擬音およびそのものと思われる。rooting-tootingは騒々しい、賑やかな、という意味。また3発ではなく5発ぶち込んだとするバージョンもある。るんたった。
*5 crepeはcrapeとも。パンケーキの薄いのではなく、ちりめん生地の喪を示すリボン、あるいは葬儀用の服。もしかして、紙細工の花。
*6 馬車と自動車のどちらも指す。

text & tune: 1904年に初出したアメリカ民謡。

実際の殺人事件を元に作られた殺人バラッドの一つ。膨大なバリエーションがある。
1899年、当時22歳のフランキー・ベイカーという女性が、17歳の恋人アレン(またはアルバート)・ブリット少年の腹を撃ち、少年はその怪我が元で病院で死亡した。ダンス大会で少年が他の女性とタッグで優勝して帰ってきたからだという。フランキーは少年がナイフで刺そうとしてきたとして正当防衛を主張し、釈放された。
この事件を元に、フランキーというヒロインが裏切った恋人を射殺するというモチーフの歌が作られたが、彼氏の名前はアレンだったりビルだったりバージョンによってまちまちだった(フランキーのモデルの女性が1952年まで生きてたからかもしれない)。

クリスティの名作ミステリーでポワロものの一冊『ナイルに死す』では、恋人を金持ちの友人に奪われた女性が、ハネムーンにまでつきまとい、この歌を口ずさむシーンが出てくる。彼女は歌の通り元恋人を射殺しようとするが…
映画では、プレスリーによるドタバタラブコメディ『フランキー&ジョニー』、およびアル・パチーノ主演のしっとり系恋愛映画『恋のためらい フランキーとジョニー』がある。BGMとして使用され、劇中でも言及されるが、どちらもハッピーエンドで終わっている。

《フランキーとジョニー》を法廷ミステリー風に仕立てた短編アニメ
『ルーティ・トゥート・トゥート!』

UPAは近眼の頑固老人を主人公にした『がんばれマグー』シリーズで知られるアニメプロダクション。
1941年、それまでのディズニーに代表される写実的なアニメーションのあり方に対し、よりマンガちっくなアニメーションを目指したアニメーターたちがストライキを起こし、ユナイテッド・プロダクションズ・オブ・アメリカ(UPA)を設立した。この頃、アニメ需要に対し時間と人手が足りなくなっていたこともあり、極端に平面化されたマンガっぽいキャラクターデザインと、パタパタした動きのアニメが作られ、独特の味わいを生み出した。しかしUPAは赤狩りに巻き込まれた上に、テレビ時代を乗り越えることができず、粗製乱造の挙句アニメーション部門は閉鎖となった。ただし東宝と契約して「ゴジラ」シリーズのアメリカにおける所有権を獲得しており、時々新作を紹介しているらしい。

Louis Armstrong
収録アルバム: Chimes Blues



おまけ


おまけその2


おまけその3

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by CockRobin96 | 2016-03-04 20:46 | Trackback | Comments(0)
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