Inkwell Isle 1 Bosses《インク壺島1のボス》Cuphead

ゲーム中ではどの順番でもできるが、ここでの順番はBandcampサウンドトラックに準じる。


[Botanic Panic!] ボタニック・パニック!(植物狂乱)
The Root Pack:ルート・パック(根菜詰め合わせ・根っこ隊)
*パックはひと群れ、一味などの意味。元ネタは、1950年代にシナトラが結成した5人組のショーチーム「ラット・パック(シナトラ一家)」。中心となったのはシナトラ、サミー・デイヴィス・ジュニア、ディーン・マーティンの3人。主な活動場所はシナトラが所有するベガスのカジノホテルで、マフィアの資金源でもあったと言われている。

または1930年代に一世を風靡したコメディドラマ「三ばか大将(The Three Stooges)。

背景の肥料には「ACME GROW(アクメ社活力剤)」とある。アクメ社とはルーニー・テューンズシリーズのキャラ御用達の通販会社。ワイリー・コヨーテがヘビーユーザーとして知られる。ただし欠陥品多し。

Moe Tato "Buttered, smashed, and Mashed. It's over for you."
モー・テイト「バターをいれて、つぶして、混ぜる。これでお前もおしまいだ!」
*三ばか大将のリーダー格、Moe Howardがモデル。

Weepy "Hey little guy, it's O.K. if you have to cry!"
ウィーピィ「ねえおちびくん、泣きたかったら泣いてもいいんだよ!」
*weepyはそのまま「泣き虫」の意。

Psycarrot "I'm lean, mean, and full of beta-carotene."
サイキャロット「スリムでハツラツ、ベータカロチンたっぷりなのだ!」
*公式名称は「Chauncey Chantenay(チョウンシー・シャントネ。チョウンシーはフランス由来の英語圏の名前、苗字。またシャントネというフランス原産の種のニンジンがある)」とされるが、発音がめんどくさいせいかファンダムwikiでもサイキャロットで定着している。名前でも苗字でもある名+品種という点はキャグニーと、フランス系のクスリ決めてるヤバいやつという点はグーピィといっしょ。
「わたしは痩せてみすぼらしくとも、ベータカロチン豊富なのだ」と以前訳したが、「lean, mean 〜 machine」というキャッチフレーズがあり、いい意味にも悪い意味にも使われる。アクメ社の怪しげな活力剤を使った結果ともとれる。アクメには本当に感謝しています!皆さんもぜひお試しください!



ちなみに、Betty Beet(Betty Boopの明らかなパロディ)というキャラもデザインされたが、お蔵入りになった。




[Threatenin Zeppelin] スリーテニン・ツェッペリン(不吉な飛行船)
Hilda Berg:ヒルダ・ベルグ(バーグ)
*1937年に爆発事故を起こしたドイツのツェッペリン型飛行船、ヒンデンブルク号がモチーフ。くるくるヘアはベティ・ブープ、変形前のすらっとしたボディはポパイの恋人オリーブがモデルか。でも最初期の手塚治虫の絵柄っぽくもある(「メトロポリス」あたり)。
住んでいる場所は天文台のようだが、耳をすますとすごいイビキが聞こえてたりする…

"Fitting, isn't it? I'm a blimp -- you're a wimp."
「お似合いじゃない? 太めなあたしと…だめなあんたと」
*blimpは小型飛行船または気球のことだが、太めな人も指す。ヒルダちゃんは変形後の体型変化をちょっと気にしてるんだろうか。
ブルース・ブラザーズの太ってる方が出演したコメディ映画「アニマルハウス」に、イケイケ女子大生がダメダメ男子大生たちを評して「A Wimp and a Blimp(意気地なし男とデブ男)」と言うシーンが出てくる。

"You won't get too far... it's been foretold in the stars."
「あんたは先に進めないわ…それが星たちのお告げなの」
*go too farで「行きすぎる」「極端に走る」。

"You lost too soon and I was only half moon!"
「あたしはまだ遊び半分なのに、あんたは負けるの早すぎね!」
*half moonは完全な半月だけではなく、三日月も指す。遊び半月…



[Treetop Trouble]ツリートップ・トラブル(危険な樹上)
"Who invited you into our tree?
Only members are welcome, ya see?"
「誰に招待されて僕らの木に入り込んできたんだ?
 メンバー以外は立ち入り禁止なんだよ、わかったか?」
*悪い顔のキツツキはウッディ・ウッドペッカー(ユニバーサルスタジオにいる赤い頭の鳥)がモデル。
また、ラスボスの虫はDragonfly(ドラゴンフライ。つまりトンボ)。



[Ruse Of An Ooze] ルーズ・オブ・ウーズ(湿地帯の戦略)
Goopy Le Grande:グーピィ・ル・グラン(素晴らしきグーピィ・大グーピィ)
*ややフランスかぶれな言い方。しかも本来はLe Grande Goopy(もしくはGoopy Le GrandかGoopy La Grande)となるはずなのでちょっと間違ってる。ベレー帽はステレオタイプなフランスっぽさをあらわす。
グーピィは大間抜け、またはベタベタネトネトしたもの。グーフィと同源。
戦争中に使われた「反跳爆弾」というのがあって、水面に落とすと水切り石のように跳躍する。戦艦攻撃用のものは球形をしている。グーピィのモチーフのひとつではあるかもしれない。
その他、「ボクサーが薬物乱用の果てにパンチドランカーとなって死亡するのを端的に表現した」説がある。なにそれ怖い。
あまりにそのまんま過ぎて書くのもおこがましいが、キャラデザモデルはもちろんドラクエのマスコットのあれ。ぷるぷる。
もっとも初期のトレイラー(2013年)では、双子だった。


"With a face like mine is it a crime to be bouncing all the time?"
「ボクみたいなお顔の持ち主が、四六時中跳ね回ってるって罪だね!」
*美しさは罪…とかそういう系統のセリフ。もっとうまい訳がありそう。

"I'm a handsome slime bringing pain -- one bounce at a time!"
「俺こそは、ひとたび跳ねるだけで苦しみをもたらすハンサム・スライム…」

"I'm very smashing... even in grave situation!"
「私はとびきり素晴らしい…この由々しき事態でさえ!」
*in a grave situationは直訳すると「墓の中の状況」だが、「深刻な状況」も指す。「墓穴に片足突っ込んでさえ」と訳したいところだがこいつ足がない。あえてそう訳してツッコミ待ちも楽しいかもしれない。



[Floral Fury] フローラル・フューリィ(花模様の激昂)
Cagney Carnation:キャグニー・カーネーション
*1930年代にギャング映画などで活躍したJames Cagney(1899-1986)がモデルか。ちなみにキャグニーはアイルランド系の名前で、苗字にも名前にもなる。ルート・パックもそうだが、擬人化した植物という点でシリー・シンフォニーシリーズの「花と木」っぽくもある。wikiでは「根が張って移動できない」云々と書かれているが、羽(?)とドングリ(?)を飛ばす攻撃の際は二本足になっているのが確認できる。
特徴的な手の動きはフライシャーのアニメ「Swing You Sinners!」に登場する幽霊をオマージュしている。このブログによれば、幽霊は当時活躍していたコメディアンMonroe Silver(1875−1947)であるとのこと。(情報提供:uɯreb様
ボスBGMの中では唯一サンバ+マンボ調のメロディを持つ。公式のレコーディング風景がYouTubeでも公開されている。
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"Fools who attempt to fight this will leave with allergic rhinitis!"
「このオレにケンカをふっかけようっていう馬鹿者どもは花粉症になるぞ!」

"Extreme pollination and total domination!"
「大量受粉で完全支配だ!」
*そもそもアレルギー性鼻炎(花粉症)は、花粉以外にストレスや大気汚染などの複数の要素が合わさった結果発症するもので、大量に花粉をかぶればなるというもんではない。

アニメーターがファンにプレゼントした画像で「子持ちかよぉ!」と一時期話題になった。ベイビーかわいえ。
根菜にも言えるけど植物なんだから雌雄同体なんじゃないのか。ピッコロさんみたいに。
ファンダムで聴けるぶりっ子モードボイスとギャングモードボイスが差がありすぎる

ファンからの質問に答えて公開されたお花の後ろ側。


[Clip Joint Calamity] クリップ・ジョイント・カラミティ(ぼったくり酒場で大災難)
Ribby and Croaks:リビー&クロークス
*リビーは「畝にいるもの」が原義。クロークはカエルのゲコゲコ声。ちなみに小さい方がリビーで大きい方がクロークス。どっちが年上かは不明。
二匹の戦闘前のモーションはカプコンの「ストリートファイター」シリーズのリュウとケンがモデル。また戦闘中も様々な動作で、ストリートファイターのキャラをオマージュしている。ヨガファイアとか。また、アートディレクターによればシリー・シンフォニーシリーズの一編「子守歌の国」にヒントを得ているとのこと。4:45~のブギーマンあたり…?
背景のハエ酒場の元ネタは1932年のヴァン・ビューレンスタジオのアニメ「Fly Frolic」、もしくはシリーシンフォニーの「森の音楽会」からか。
なお、往年の名作絵本「がまくんとかえるくん(ふたりはともだち)」のカラーリングを反転させたらこいつらそっくりになる。


"We've had fightin' souls since we've been tiny tadpoles."
「俺らはちっぽけなオタマジャクシだったころから闘魂の持ち主だったんだぜ」
*「ファイターだったんだぜ」でもいいかもしれない。元ネタ的に。

"Crude and bad, 'cause we're from the wrong side of the lily pad."
「俺らががさつでワルなのは、蓮っ葉だからさ」
*「ハスの葉裏の出だからさ」でもいいかもしれない。wrong sideは裏町、貧民地区を指す。反対語で高級住宅街は「right side of ...」。

"You went for broke and now you're croaked!"
「お前らは当たって砕けちまったんだな!」
*go for brokeで「全力を振り絞る、全てを投げ出す、当たって砕けろ」の意。forが無い場合は「破産する・無一文になる」。
croakedは「くたばる」の意味もある。首を吊られた人がカエルに似たうめき声をたてることから。
もっときつい訳で許されるならば「全財産かけてすっからかんになって首吊りだな!」
スロットの虎、牛、蛇はそれぞれストファイⅡのサガット、バイソン、バルログをオマージュしているらしい。


[Forest Follies]フォレスト・フォリーズ(森迷宮・森の阿房宮)
"Nowhere to run, nowhere to go -- this forest is yet foe!"
「どこにも進めないし、どこにも行けない…この森はあべこべなんだ!」
*foeは「敵」の詩的表現だが、「仇なすものだ!」だと妙に芝居がかるので、「逆らうもの」の意味で。
フォリーというのは過ち・愚行という意味でもあるが、園芸用語でいわゆる「装飾用の廃墟」のことも指す。あずまやのように雨風をしのぐなどの用途がない、完全な飾り物の建物。解放された実績を見ると、インク壺島1は「巨大なガーデンパーク」と見なされているようである。
アガサ・クリスティの小説でポワロものの長編「死者のあやまち」およびマープルものの短編「グリーンショウ氏の阿房宮」は、庭園がキーワードになっている。

敵キャラたちは星のカービィにでてきそうなかわいらしい感じだが、それぞれDeadly Daisy(命取りなデイジー。黄色いやつ)、Murderous Mushroom(殺人キノコ)、Terrible Tulip(凶悪チューリップ。薄紫のお花)、Bothersome Blueberry(迷惑ブルーベリー。グーピィのちっこいのみたいなやつ。嘘やろ)、Toothy Terrors(出っ歯のテロリスト。黒地に黄色い水玉のパックンフラワー)、Aggravating Acorns(イライラどんぐり)という物騒な名前がついている。谷を覆うトゲのあるツタや、パックンフラワーがキャグニーのものによく似ているので、フォレスト・フォリーズはキャグニーの支配下にあると考える人もいる。

2017年9月に発売されたStudio MDHR謹製ゲーム「Cuphead」のインク壺島1におけるステージタイトル・ボスの勝ちゼリフ等を勝手に日本語訳してみるテスト。
対訳一覧はタグ「Cuphead」からご覧ください。
ご指摘・補足等お待ちしております。

おまけ:全ボス勝ちゼリフ集



KRISTOFER MADDIGAN
収録アルバム:CUPHEAD (SOUNDTRACK) [4LP] [12 inch Analog]
(在庫切れ)


Cuphead (Original Soundtrack)
Kristofer Maddigan

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by CockRobin96 | 2017-11-08 10:31 | Trackback | Comments(0)
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