Cherry Tree Carol《さくらんぼの木のキャロル》Judy Collins


Joseph was an old man
An old man was he
When he married Virgin Mary
in the land of Galilee.
When he wedded Virgin Mary
in the land of Galilee.
ヨセフはおじいさんだった*1
おじいさんと言えばヨセフだった
おとめマリアと夫婦になったとき
ガリラヤの地で
おとめマリアと結婚したとき
ガリラヤの地で

Joseph and Mary
Walked through an orchard green
Where were berries and cherries
As thick as might be seen.
Where were berries and cherries
As thick as might be seen.
ヨセフとマリアは
緑の果樹園の中を歩いていた
そこは木の実やさくらんぼが*2
見渡す限りたわわに実っていた
そこは木の実やさくらんぼが
見渡す限りたわわに実っていた

Then bespoke Mary
with voice meek and mild
Pluck me one cherry, Joseph,
For I am with child.
Pluck me one cherry, Joseph,
For I am with child.
そのときマリアが話しかけた
優しく柔らかな声音で
「さくらんぼをひとつもいでくださいな、ヨセフ
 わたしは身重ですから」
「さくらんぼをひとつもいでくださいな、ヨセフ
 わたしは身重ですから」

Oh, then bespoke Joseph
with answer most unkind
Let him pluck thee a cherry
that brought thee with child.
Let him pluck thee a cherry
that brought thee with child.
ああ、するとヨセフは言った
とても不親切な答えを
「ああさくらんぼをもいでもらえばよかろう
 お前をはらませたやつにな」
「ああさくらんぼをもいでもらえばよかろう
 お前をはらませたやつにな」

Oh, then bespoke the baby
within his mother's womb,
Bow down the tallest tree,
That my mother may have some.
Bow down the tallest tree,
for my mother may have some.
おお、するとみどりごが語りかけた
聖母の胎内から
「一番高い木よ、枝を下げなさい
 僕のお母さんがさくらんぼをとれるように」
「一番高い木よ、枝を下げなさい
 僕のお母さんがさくらんぼをとれるように」

Then bowed down the tallest tree
Unto his mother's hand
She cried, "See, Joseph,
I have cherries at command".
and She cried, "See, Joseph,
I have cherries at command".
すると一番高い木が枝を下げた
聖母の手に向かって
マリアは叫んだ、「見て、ヨセフ
好きなだけさくらんぼがとれますわ」*3
マリアは叫んだ、「見て、ヨセフ
好きなだけさくらんぼがとれますわ」

Then Mary plucked a cherry
as red as any blood
then Mary, she went homeward
all with her heavy load
And Mary went homeward
all with her heavy load.
それからマリアはさくらんぼをもいだ
血のように赤いそれを
そしてマリアは家路についた
どっさりさくらんぼを抱えて
そしてマリアは家路についた
どっさりさくらんぼを抱えて

As Joseph was a walkin'
He heard an angel sing
"This night shall be born
on earth our heavenly king".
"This night shall be born
on earth our heavenly king".
ヨセフが歩いていると
天使が歌うのを聞いた
「今宵お生まれになる
 地上に、我らの天の王が」
「今宵お生まれになる
 地上に、我らの天の王が」

Then Mary took her young son
and set him on her knee
Saying, "Dearest son tell me
just how this world shall be"
Saying, "Dearest son tell me
just how this world shall be".
それから、マリアは幼い息子を産んだ
そしてその膝の上に抱っこした
こう言いながら、「愛しい坊や、聞かせて
この世界はどんな風になるの?」
こう言いながら、「愛しい坊や、聞かせて
この世界はどんな風になるの?」

Oh, I shall be as dead, mother,
as the stones are in the wall,
Oh, the stones in the street, mother,
shall sorrow for me all.
Oh, the stones in the street, mother,
shall sorrow for me all.
「ああ、僕は死者も同然になるだろう、お母さん
 壁の中の石のようになるだろう*4
 ああ、道ばたの石は、お母さん*5
 皆僕のために悲しむだろう
 ああ、道ばたの砂利は、お母さん
 皆僕のために悲しむだろう」

On Easter Day, dear mother,
my rising up shall be
And the sun and the moon, mother,
Shall both arise with me.
Oh, The sun and the moon, mother,
Shall both arise with me.
「イースターの日には、お母さん
 僕は復活するだろう
 そして太陽と月が、お母さん
 僕と共に昇るだろう
 ああ、太陽と月が、お母さん
 僕と共に昇るだろう」

*1 聖書では聖母の夫であるヨセフの年齢について言及されてはいないが、中世では聖母が純潔であるために老人であると考えられていた。理由はわかるね?
*2 berryはイチゴ類のことではなく、木の実全般を指す。「berry as brown(小麦色に日焼けしている)」という言い回しもある。
*3 at commandで「自由に使える」「意のまま」。
*4 「わたしは一つの石をシオンに据える。これは試みを経た石/堅く据えられた礎の、貴い隅の石だ。信ずる者は慌てることはない。」(イザヤ書28:16)より、キリストは壁と壁を繋ぎ合わせる「隅の親石」、「要石」に例えられる。

*5 おなじ石でも、こちらはキリスト教徒の比喩。「言っておくが、もしこの人たちが黙れば、石が叫びだす。」(ルカによる福音書19:40)より。

text & tune: 英米の民謡。起源は15世紀ごろの聖体祝日祭(カトリックにおける六月の祝日のひとつ)で歌われていたものではないかとされる。

チャイルドバラッド54番。詳細は前に訳したAnonimous4バージョンにて。ちなみにメロディとしては、このジュディ・コリンズのバージョンの方が良く知られている。ピーター・ポール&マリーなどがこのメロディで録音している(歌詞は歌手ごとに微妙に異なる)。

ルーカス・クラナッハ(父)「さくらんぼを持つ聖母」
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Judy Collins
収録アルバム: Christmas with Judy Collins


Peter, Paul & Mary
収録アルバム: A Holiday Celebration With The New York Choral Society

by CockRobin96 | 2019-01-03 14:48 | Trackback | Comments(0)
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