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Shule Aroon《シューラ・ルーン》


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I wish I were on yonder hill,
'Tis there I 'd sit and cry my fill
and every tear would turn a mill.
あの遠い丘の上に座って、
心ゆくまで泣きじゃくりたい
そしたら涙で水車が回せるでしょう。

His hair was black, his eye was blue,
His arm was stout, his word was true.
I wish in my heart I was with you.
その髪の色は黒、その瞳の色はブルー、
その腕は力強くて、その言葉は真実だった。
わたしは心から願いました、彼のそばにいられたならと。

*Shule, Shule, Shule, Aroon
 Shule go socair agus
 Shule go kewn
 Shule go duris agus ayliglume.
*行って、行って、恋人よ
 静かに来て、
 ひっそりと来て、
 扉を開けて、わたしも連れて行って!


'Tis oft I asat on my true love's knee,
Many a fond story he told to me,
He told me things that ne'er shall be.
わたしが愛しい人の膝に座ると
彼は他愛もない話をたくさんしてくれました。
彼は言いました、「こんなことはもう二度とないだろう」と。

*Refrain
*繰り返し

I sold my rock, I sold my reel,
When my flax was spun I sold my wheel
to buy my love a sword of steel.
糸巻き竿を売りましょう、糸車も売りましょう
亜麻糸を巻いた紡ぎ車も売りましょう
愛しい人に鋼のつるぎを買うために。

*Refrain
*繰り返し

I'll dye my petticoat, I'll dye it red,
And round the world I'll beg my bread,
Till I find my love, alive or dead.
わたしのペチコートを染めましょう、赤い色に染めましょう、*1
世界中まわってパンを乞いましょう。
愛しい人を見つけ出すまで、例え生きていようが死んでいようが。

*Refrain
*繰り返し

*1 赤いペチコートは物乞いの印とかどっかで聞いたのだが、どうもデマらしい。英語版wikiによれば閏年の二月29日は「女性から男性にプロポーズしてもいい日」であり、その印として赤いペチコートを着るという風習がある。またエリザベス女王に処刑されたスコットランド女王メアリーは、処刑されるとき「赤いペチコートと黒いドレス、白いベール」をかぶり「結婚式のような姿」だったと伝えられる。既婚女性としての気概を示すために染めたものか。

原語で「Siúil A Rún」「シューリ・ルウ」と書かれることも。アイルランド語(ゲール語)と英語が混在する歌詞。恋人を戦地に送り出す娘の心情を歌う。ここでとりあげたのはボーイズ・エアー・クワイアによるバージョン。バージョンによっては「道中ご無事で」とか「あの人はフランスへ」みたいな歌詞が追加される。
恋人が向かった戦争とは、もともとは17世紀に起こったカトリック系の王様ジェームズ二世と、オランダから迎えられたオレンジ公ウィリアムのイギリスの王位争いに端を発する。アイルランドのカトリック教徒たちを率いたジェームズ二世は抵抗を続けるが(いわゆるジャコバイト運動)、1691年リムリック条約で降伏。アイルランドを追放されたアイルランドのカトリック教徒たちは、フランスに移住し「ワイルドギース(野雁すなわち渡り鳥)」と呼ばれる傭兵集団となった。じゃあ『ヘルシング』に出てくるベルナデッド隊長はカトリックなんじゃなかろうか。
この歌はアイルランド系移民によってアメリカにも伝わり、独立戦争の際に『Johnny Has Gone for a Soldier ジョニーは戦争へ行った』という歌に変化した。アイルランド語がそのまま残っている部分があるのは、駆け落ちを示唆するような歌詞だったからではないかという説がある。さらに二百年後、ピーター・ポール&マリーによって反戦の歌『Gone the Rainbow 虹去りて』として歌われる。似たようなタイトルの映画と小説「Johnny Got His Gun ジョニーは戦場へ行った」というのがあるが、びっくりするほど後味が悪くてトラウマになった。

 アイルランド語対訳の参考
 他バージョンの対訳&ジョニーは戦争へ行った
 参考文献:茂木健『バラッドの世界 アイリッシュ・トラッドの系譜』春秋社

クラナドによるバージョン


ジョニーは戦争へ行った


虹去りて


Anuna
収録アルバム: The Best of Anuna

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by CockRobin96 | 2014-05-15 19:26 | Trackback | Comments(0)