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King Jesus hath a garden《王なるイエスは花園を》



Cleobury版


Rutter版アレンジ ピアノ伴奏いいなあと思ったけどamazonなかった

King Jesus hath a garden,
full of divers flowers,
Where I go culling posies gay,
all times and hours.
王様イエスは花園をお持ちだ
種々の花々に満ちた花園を
わたしはそこに行っては素敵な花束を作る
いつでもどんな時も

*There naught is heard
but Paradise bird,
Harp, dulcimer, lute,
With cymbal,
trump and tymbal,
And the tender, soothing flute.
With cymbal,
trump and tymbal,
And the tender, soothing flute.
*そこでは何も聞こえない
 楽園の小鳥のさえずりと
 ハープにダルシマー、リュート、*1
 それにシンバル、
 トランペットにティンパニ、*2
 優しくなだめるフルートの音(ね)の他は
 それにシンバル、
 トランペットにティンパニ、
 優しくなだめるフルートの音の他は

The Lily, white in blossom there,
is Chastity:
The Violet, with sweet perfume,
Humanity.
*Refrain
真っ白に花盛りの百合は
「純潔」
甘い香りのすみれは
「謙虚」
*繰り返し

The bonny Damask-rose is known
as Patience:
The blithe and thrifty Marygold,
Obedience.
*Refrain
うるわしのダマスク・ローズはご存知の通り*3
「忍耐」
ほがらかでつつましいマリーゴールドは*4
「従順」
*繰り返し

The Crown Imperial bloometh too
in yonder place,
'Tis Charity, of stock divine,
the flower of grace.
*Refrain
厳かに咲き誇るこの花冠よ
このはるか遠いところで
これこそ慈愛、神より授けられた株から
萌えいでた恵みの花
*繰り返し

Yet, 'mid the brave, the bravest prize of
all may claim
The Star of Bethlem - Jesus - bless'd
be his Name!
*Refrain
そして真ん中には誇らしく、最も栄誉あるしるし*5
万人が欲しがるもの
ベツレヘムの星だ、イエスよ、祝されよ
その御名は!
*繰り返し

Ah! Jesu Lord, my heal and weal,
my bliss complete,
Make thou my heart thy garden-plot,
fair, trim and neat.
ああ、主イエスよ、癒しにして幸い、
わが至福なる全きものよ
わたしの心もあなたの花園の片隅に植えて
きれいに、こざっぱりと刈り込んでください

That I may hear this musick clear:
Harp, dulcimer, lute,
With cymbal,
trump and tymbal,
And the tender, soothing flute.
With cymbal,
trump and tymbal,
And the tender, soothing flute.
そうすればわたしにもはっきりとこの音楽が聞こえる、
ハープにダルシマー、リュート、
それにシンバル、
トランペットにティンパニ、
優しくなだめるフルートの音が
それにシンバル、
トランペットにティンパニ、
優しくなだめるフルートの音が

*1 ダルシマーはピアノの原型とされる弦楽器。バチで叩いて音を出す。

*2 ケトルドラムともいう。ティンバルはもともと振動させることで音を出す膜状のものを指す。セミとか。
*3 正式な品種名はロサ・ダマスケナ。シリアの古都ダマスカスに由来する。優美な香りで知られる。
*4 マリーゴールドは聖母マリアに関連づけられることもある。
*5 'mid→amid

text: George Ratcliffe Woodward(1848-1934)
tune: Charles Wood(1866-1926)によるオランダ民謡のアレンジ

園芸に命をかけるイギリスらしい、華やかなキャロル。
パラダイスの原義は「壁に囲まれた」であり、特に閉ざされ、よく整備された庭園を指していた。神が手がける花園とはすなわち楽園、エデンの園である。

ケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団 & サー・デイヴィッド・ウィルコックス
収録アルバム: Essential Carols - The Very Best of King's College, Cambridge


オルガン伴奏つき
Choir of King's College, Cambridge, Stephen Cleobury, David Goode & Nicholas Todd
収録アルバム: Carols from King's


John Rutter
収録アルバム: Silent Night - 25 Carols of Peace & Tranquility

by CockRobin96 | 2016-12-14 18:01 | Trackback

Here we come a-wassailing(Wassail Song)《我らワッセルしつつ来たれり(ワッセル・ソング)》

Kings Singers版

Theatre Of Voices版 YouTubeなかった


Here we come a-wassailing
ワッセルしながら参上しました*1
Among the leaves so green;
葉っぱのきれいな緑の中で。*2
Here we come a-wand'ring
ここまでめぐりあるいて参りました
So fair to be seen.
それは素敵な眺めだった。

*Love and joy come to you,
*愛と歓びがあなたがたにおとずれますように
 And to you your wassail too;
 あなたがたのワッセルにも
  And God bless you
 神様があなたがたを祝福されて
  and send you a Happy New Year
 幸せな新年をくださいますように、
 And God send you a Happy New Year.
 神様があなたがたに幸せな新年をくださいますように!

Our wassail cup is made
僕らにはワッセル用のカップ
Of the rosemary tree,
ローズマリーの枝で作ったのを*3
And so is your beer
そしてあなたがたにはビールがある
Of the best barley.
上等の大麦から作ったのを。

*Refrain
*繰り返し

We are not daily beggars
僕らは毎日物乞いをしてる訳じゃない
That beg from door to door;
ドアからドアへ門付けしてるんじゃない
But we are neighbours' children,
僕らはお隣さんの子供たちなんだ
Whom you have seen before.
あなたがたもご存じの

*Refrain
*繰り返し

Call up the butler of this house,
このお屋敷の執事さんを呼びだして
Put on his golden ring.
金色のリングを着けさせてやろうよ
Let him bring us up a glass of beer,
そして執事さんにビールを一杯もってこさせておくれ
And better we shall sing.
僕らがもっと上手に歌えるように。

*Refrain
*繰り返し

We have got a little purse
僕らは小さな財布を持ってるんだ
Of stretching leather skin;
なめし革製のお財布を
We want a little of your money
みなさんのお金をちょっぴりいれて欲しいな
To line it well within.
もっといい見た目になるように。

*Refrain
*繰り返し

God bless the master of this house
神様がお屋敷のご主人を祝福してくださいますように
Likewise the mistress too,
同じく奥方様にも
And all the little children
そして小さなお子様たちにも
That round the table go.
このテーブルをぐるりと囲む子たちにも。

*Refrain
*繰り返し

Good master and good mistress,
善良なご主人に奥方様
While you're sitting by the fire,
暖炉のそばでぬくぬく座っている間は
Pray think of us poor children
哀れな子供たちのことをお祈りしておくれ
Who are wandering in the mire.
ぬかるみのなかをさまよう子供たちのことを。

*Refrain
*繰り返し

*1 wassailは酒盛り、宴会の他に、キャロリングと同じく家々を巡り歩いて歌を歌い、寄付を求めること。
*2 →The keeper would a-hunting go《森番が狩りに》と同じフレーズだが、関連は不明。
*3 ローズマリーはハーブの一種。くりぬいてカップを作れるほど太くはなったりしないので、ローズマリーを飾り付けたカップということかもしれない。

text & tune: イギリス民謡

We Wish You a Merry Christmas《楽しいクリスマスがありますように》、The Wren in the Furze《金雀枝の中の鷦鷯》などと同じく、家々を巡って施しを求める歌。物乞いがやるとは限らず、普通の家の子供たちが貧しい人のための寄付をつのるということもあった。 地域によってさまざまなバージョンがある。

The King's Singers
収録アルバム: Christmas Ensemble


Norman Scribner
収録アルバム: Christmas (The Very Best Of)

by CockRobin96 | 2016-12-11 13:50 | Trackback

An­gelus ad Vir­ginem《天使がおとめのもとに》

Stephen Cleobury版

アカペラ版

An­gelus ad vir­ginem
天使がおとめのもとに
Sub ­intrans in con­clave,
部屋の中におとずれた*1
Vir­ginis for­midinem
おとめが怖がったので
De­mul­cens, in­quit, 'Ave!
天使はなだめながら「おめでとう」と言った

Ave, re­gina vir­ginum;
「おめでとう、おとめにして女王よ、
Coeli ter­rae que Dominum
 天と地の主であるお方を
Con­cip­ies, Et pa­ries, In­tac­ta,
 処女でありながら身ごもり、宿しておられるのですから
Salutem hominum;
 人々の救いをもたらすために。
Tu porta coeli facta,
 あなたこそ天の門、*2
Medella criminum'
 罪人を癒すお方です」

'Quomodo conciperem
「どうして身ごもることができましょうか、
Quae virum non cognovi?
 男の人も知りませんのに?
Qualiter infringerem
 どうして罪を犯せましょうか、
Quod firma menti vovi?'
 心がけを確かにしておりますのに?」

'Spiritus Sancti gratia
「聖霊のみ恵みが
Perficiet haec omnia;
 全てをもたらしたのです。
Ne timeas, Sed gaudeas, Secura
 でも怯えないで、むしろ 安心して喜んでください
Quod castimonia
 あなたの貞節が
Manebit in te pura
 清らかなままであることを
Dei potentia.'
 これこそ神の力なのです」

Ad haec virgo nobilis
この高貴なおとめは
Respondens inquit ei:
天使にこう答えた
'Ancilla sum humilis
「わたしはいやしいしもべ
Omnipotentis Dei.
 全能の神に仕えるものです」

Tibi coelesti nuntio,
「天から遣わされた先触れよ、
Tanti secreti conscio,
 なんと大いなる秘蹟でしょう
Consentiens, Et cupiens Videre
 主がわたしを認め、望まれ、顧みられるとは
Factum quod audio;
 それをわたしが耳にするとは
Parata sum parere
 従う覚悟はありますわ
Dei consilio.'
 神の思し召しに」

Eia mater Domini,
ああ、主の御母よ
Quae pacem reddidisti
あなたは安らぎを取り戻させてくださる
Angelis et homini,
天使らにも人々にも
Cum Christum genuisti;
それもキリストが生まれ給うた時から

Tuum exora filium
 どうかあなたの御子に嘆願し
Ut se nobis propitium
 我らをとりなしてください
Exhibeat, Et deleat Peccata:
 罪を明らかにし、取り去ってください
Praestans auxilium
 助け導いてください
Vita frui beata
喜びと楽しみに満ちた生活へと
Post hoc exilium.
このさすらいの後に至れるように*3

*1 Conclaveは「鍵がかかっている」の意味。つまり密室に入ってきたのでびっくりしている。バチカンにおける教皇選出会議の語源。根くらべではない。
*2 「この門は閉じられたままにしておく。誰も開いてはならない。誰もここを通ってはならない。イスラエルの神、主がここから入られたからである。」(エゼキエル書44:1)より。神が通るときだけ開かれる門ということで、聖母マリアを「エゼキエルの門」「天の門」と呼ぶことがある。
*3 出エジプト記第16章における「荒野の四十年」、あるいはバビロン捕囚になぞらえている。

text&tune: 13世紀英国の作者不詳のキャロル

マリアは天使に言った。
「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」
「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。
だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。
あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。
不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。
神にできないことは何一つない。」
マリアは言った。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」
そこで、天使は去って行った。
(ルカによる福音書 第1章34-38節)

身に覚えもなく妊娠したのに安心して喜べとか無茶を言わないでほしい。
中世イギリスで非常に人気のあった、ラテン語によるキャロル。中世英語によるバージョンGabriel fram heven-king《天の王から遣わされたガブリエルは》もある。
チョーサー『カンタベリー物語』のうちの一つ「粉屋の話」に登場する軟派な学生ニコラスが、夜毎に竪琴で弾き語りをするのがこのキャロルである。
天使と処女の対話をテーマにした類似のキャロルに、Gabriel's Message《ガブリエルのお告げ》というのもある。

ムリーリョ「受胎告知」
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St. Albans Chamber Choir
収録アルバム: Christmas Across the Centuries


多分クレオベリー版
The Choir of Chester Cathedral, Benjamin Chewter and Philip Rushforth
収録アルバム: Glory to the New-Born King - Christmas Music sung by the Choir of Chester Cathedral

by CockRobin96 | 2016-08-26 23:59 | Trackback(1)

Haec dies《この日こそ》



Haec dies
この日こそ
quam fecit Dominus.
主の創り給いし日。
Exultemus,
歓べ、
et letemur
喜べ、
in ea.
この日ゆえに。
Alleluia.
アレルヤ。

text: 旧約聖書詩篇118:24
tune: William Byrd(1543-1623)

詩篇118編は、元来ユダヤ教では年3回の都に詣でる祝日、すなわち過越(すぎこし。出エジプトの直前、エジプトを襲った災いを神の加護により「過ぎ越した」ことを記念)の祭り、五旬節(ごじゅんせつ。十戒を与えられたことを記念)、仮庵(かりいお。出エジプトの後荒野でキャンプしたことを記念)の祭りで歌われたもの。このうち過越、五旬はキリスト教ではイースター、聖霊降臨節と化した。神の救いが示されたことを喜び祝う歌詞なのである。
なお、グレゴリオ聖歌ではイースターの昇階唱として使用される。


プレミアついちゃってるDVD


Trinity College Choir, Cambridge
収録アルバム: Byrd: Cantiones Sacrae, Book I and Ii (Excerpts)

by CockRobin96 | 2016-03-11 19:59 | Trackback

The Boar's Head Carol《猪豚の頭のキャロル(花たば添えた)》

アカペラバージョン

伴奏付きバージョン

The boar's head in hand bear I,
猪豚の頭をお持ちしました、*1
Bedecked with bays and rosemary;
ベイリーフとローズマリーで飾り立てて。*2
And I pray you, my masters, be merry,
旦那さまがたが愉快でありますように、
Quot estis in convivio.
宴に集う数え切れないほどの人々に。

Caput apri defero,
猪豚の頭を共にいただき
reddens laudes Domino.
主へ賛美を献げよう。


The boar's head, as I understand,
猪豚の頭は、わたしの知る限り
Is the rarest dish in all the land,
世にもまれなるご馳走。
Which thus bedecked with a gay garland,
かくもにぎにぎしき花輪で飾られたものに
Let us servire cantico.
我らも歌をたてまつらん。

Caput apri defero,
猪豚の頭を共にいただき
reddens laudes Domino.
主へ賛美を献げよう。


Our steward hath provided this
我らが幹事どのがこの料理を準備しました*3
In honour of the King of Bliss;
至福の王に敬意を表して。
Which on this day to be served is
猪豚の頭がこの日供された、
In Reginensi atrio.
このクイーンズ・カレッジの食堂に。*4

Caput apri defero,
猪豚の頭を共にいただき
reddens laudes Domino.
主へ賛美を献げよう。


*1 中世の豚は現在のようなぽっちゃりピンクではなく、ほとんどイノシシに近いタイプであったらしい。気性が荒く、フランスではルイ6世の世継ぎの王子が撥ねられて死ぬという事故があった。
*2 ベイリーフはいわゆるローリエ、月桂樹。ポケモンではない。
*3 スチュワードは家令、管財人などと訳される(のちに執事と兼任するようになり、この呼称は廃れた)。または給仕長、世話役、幹事など様々な意味がある。スチュワーデスの男性版でもある。
*4 伝説によれば、オックスフォード大学クイーンズ・カレッジのある学生が、本を読みながら歩いているときに放し飼いの猪豚に襲われたが、口の中に本を突っ込んで窒息死させたので助かった。猪豚の頭を切り落として本ごと持ち帰り、料理として宴会を開いたのを記念しているのだという。

text & tune: 15世紀の学生歌が元となったキャロル。

猪豚の頭を飾りつけて、にぎやかな音楽と共に食卓に出すという儀式は、元来は北欧神話の神フレイ(黄金のイノシシに乗っている)のための祭礼に由来していると言われている。ヨーロッパでは、イノシシから発展して豚肉料理をクリスマスのご馳走のメインに据えるという地域が多い。
七面鳥がクリスマスに出てくるようになったのはアメリカから輸入するようになってからで、それまでは豚の他に鶏、ウサギ、牛の尻尾、野鳥など多種多様なご馳走が存在した。大体七面鳥なんて図体がでかいだけで大味だしパサパサしてるし有り難がるほど美味くない。

Robert Shaw Chorale
収録アルバム: Rare Christmas of All Time


CDのみ



おまけ 豚に殺された()フランスの王子のほか、歴史的な動物たちを面白おかしく概説している。

by CockRobin96 | 2015-12-25 22:43 | Trackback

Myn Lyking《わが愛し子よ》


I saw a fair mayden,
sytten and sing.
She lulled a lytel childe,
a sweete Lording:*1
わたしはうるわしいおとめを見た、
彼女が座って歌っているところを。
おとめは幼な子をあやしていた、
かわいらしい小君主さまを。

*Lullay, myn lyking,*2
my dere sonne,
mine sweeting.
Lullay, my dere herte,
myn own dere darling.
*「ルレイ、わが愛し子よ、
 わたしの愛息子(まなむすこ)、
 わたしのかわいい子よ。
 ルレイ、わたしの心から愛する子よ、
 わたしの最愛の子よ。」

That same Lord is He
that made alle things;
Of alle lordis He is Lord,
of alle Kynges kyng.
*Refrain
この幼い君こそが
万物を造られたお方。
全ての君の君にして、
全ての王の王。
*繰り返し

There was mickle melody
at that Chylde's birth.
All that were in heav'nly bliss,
they made mickle mirth.
*Refrain
おびただしいメロディが
幼な子の誕生に立ち会った。
ありったけの天上からの祝福で
おびただしい歓楽をもたらした。
*繰り返し

Angels bright sang
their song to that Chyld;
"Blyssid be thou, and so be she,
so meek and so mild."
*Refrain
輝ける天使たちが歌いかける、
その歌を幼な子に。
「至福があなたにありますように、そしておとめにも
かくも優しく柔和なお方にも」
*繰り返し

*1 lording(lordling)は単純にlordという意味のほか、特に小貴族、小君主の意味もある。
*2 「mine liking」の意。likingは古語で「最愛の人」。

text: 15世紀頃の作者不詳の詩
tune: Richard Runciman Terry(1865-1938)

「いとしい」の類義語が英語圏にはこんなに沢山あるのかと感心する。
歌詞の冒頭をとったI Saw A Fair Mayden《わたしはうるわしいおとめを見た》というタイトルで、Peter Warlock(1894-1930)による同歌詞のキャロルもある。


David Willcocks & Choir Of King's College Cambridge
収録アルバム: Merry Christmas


by CockRobin96 | 2015-12-21 21:39 | Trackback

The Holly and the Ivy《柊と蔦は》

The holly and the ivy,
when they are both full grown,
Of all the trees that are in the wood,
The holly bears the crown.
ヒイラギとつたが*1
ともに生い茂るとき、
森中の木の中で
ヒイラギが王冠を戴く。

*O the rising of the sun,
 and the running of the deer,
 The playing of the merry organ,
 Sweet singing in the choir.
*昇る日よ、
 走る鹿よ、
 陽気に響くオルガン、
 聖歌隊の甘い歌声。

The holly bears a blossom
as white as lily flower,
and Mary bore sweet Jesus Christ
To be our sweet Saviour.
*Refrain
ヒイラギは花をつける、
百合のように白い花を。
そしてマリアも愛しいイエス・キリストを生んだ、
わたしたちの愛しい救い主としてくださるため。
*くりかえし

The holly bears a berry,
as red as any blood,
And Mary bore sweet Jesus Christ
To do poor sinners good.
*Refrain
ヒイラギは実をつける、
血のように赤い実を。
そしてマリアも愛しいイエス・キリストを生んだ、
哀れな罪人らに良くしてくださるために。
*くりかえし

The holly bears a prickle,
as sharp as any thorn
And Mary bore sweet Jesus Christ
On Christmas Day in the morn.
*Refrain
ヒイラギは棘をつける、
いばらのように鋭い棘を。
そしてマリアも愛しいイエス・キリストを生んだ、
クリスマスの朝に。
*くりかえし

The holly bears a bark,
as bitter as the gall,
And Mary bore sweet Jesus Christ,
For to redeem us all:
*Refrain
ヒイラギは樹皮をつける、
胆汁のように苦い皮を。
そしてマリアも愛しいイエス・キリストを生んだ、
全ての者をあがなわれるために。
*くりかえし

*1 ひいらぎとツタはそれぞれ男性と女性の象徴とされる。



text&tune: Walford Davies(1869–1941)の編曲による英国の民謡。Cecil Sharpによって採取されたものが1911年に文献初出。

非常によく知られるクリスマス・キャロルで、多くの作曲家がアレンジを手がけている。ゆりの花のように清く、赤い血で染まり、いばらの棘で貫かれ、胆汁のように苦い思いを味わうキリストの運命を示唆している。

Dunoon社謹製マグカップ。ロビンの宝物。しかも検索しても他に画像が見つからないので、もう手に入らないらしい。
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ベンジャミン・ブリテンのアレンジ


John Gardnerによる別メロディ


日本語訳詞
ひいらぎとつたは 生い茂りて
ともどもに主をあがめ 冠作る
*朝日は昇り 小鹿は走り
 オルガンは鳴り響き 歌声楽し

ひいらぎの花は 白く清し
マリヤより生まれたる みどりごに似て
*繰り返し

ひいらぎのとげは 青く光り
マリヤより生まれたる みどりご守る
*繰り返し

ひいらぎの結ぶ 赤きその実
マリヤの子イェス君の み救い示す
*繰り返し


Choir of King's College, Cambridge/Sir David Willcocks
収録アルバム: Carols from King's College, Cambridge - 25 of the most popular carols


ガードナー版 CDのみ
City of London Choir, Hilary Davan Wetton, Paulina Voices, Mark Williams
収録アルバム: Gardner: Cantata for Christmas, Organ Concerto & Christmas Carols


CDのみだけどこれもガードナー版

by CockRobin96 | 2015-12-05 20:49 | Trackback

A Hymn to the Virgin《聖母賛歌》


Of one that is so fair and bright,
velut maris stella,
Brighter than the day is light,
parens et puella.
I cry to thee,
thou see to me,
Lady, pray thy Son for me,
Tam pia,
That I may come to thee.
Maria!
うるわしくも輝くただひとつのものよ
海の星のごとくに。*1
日の光よりも輝かしい
母にしておとめなるものよ。
わたしは貴女(あなた)に嘆願する、
貴女にまみえんことを、
貴婦人よ、貴女の御子に願い給え、
孝心あつき御子に。
わたしが貴女のみもとへ至らんことを、
マリアよ!

All this world was forlorn
Eva peccatrice,
Till our Lord was yborn*2
de te genetrice.
With ave it went away
darkest night, and comes the day
salutis;
The well springeth out of thee
virtutis.
世は全くも堕落した、
罪深きエヴァゆえに。*3
我らの主が生まれ給うまでは、
それも母なる御身より。
かの「アヴェ」が追い払いしは
暗闇の夜、そして朝は来たりぬ、
そのみ救いによりて。
善きものが貴女から生いいでた、
その徳によりて。

Lady, flower of everything,
rosa sine spina,
Thou bare Jesu, heaven’s King,
gratia divina:
Of all that bear’st the prize,
Lady, queen of paradise,
Electa:
Maid mild, mother es effecta.
effecta.
貴婦人よ、万物の華よ
棘なきバラよ。*4
貴女はイエス、天の王を身ごもられた、
神の恵みによりて。
宝物にもましてとうといものを宿された、
貴婦人よ、楽園の女王よ*5
選り抜かれたお方よ。
柔和なおとめにして、母となり給いぬ。
なり給いぬ。

*1 →《めでたし海の星》。
*2 ybornのように yを頭につけるのは古語の過去分詞。
*3 「エヴァ」と「アヴェ」の言葉遊び。万人に死をもたらしたエヴァに対して、救い主をもたらしたマリアは「第二のエヴァ」ともされる。
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『ザルツブルク大司教のミサ典書』より「禁断の木の下のマリアとエヴァ」(15世紀オーストリア)
*4 バラは聖母の象徴。絵画の中で聖母はしばしばバラの庭園に座る。原罪を免れた聖母は「棘のないバラ」とも呼ばれる。庭園はエデンの園の寓意でもある。
*5 「天の女王」はカトリック独特の聖母の尊称。「天の元后(げんこう)」とも。ユダヤ教以前にも古代オリエントで有力な女神の尊称として使われたので、異教を連想させるとして嫌う人もいるらしい。

text: 1300年代の作者不詳の賛歌
tune: Benjamin Britten(1913-1976)

『青少年のための管弦楽入門』『戦争レクイエム』『キャロルの祭典』などで知られるイギリスの作家ブリテンによる。別にクリスマス限定の曲ではないがクリスマスによくとりあげられる。
ブリテンは5歳で歌曲、7歳でピアノ曲を作曲、そして9歳の時には最初の弦楽四重奏曲を完成させるというモーツァルトの再来のような天才児。イギリスの音楽家として初めてLordの称号を得た(普通はsirどまり。ブリテンの場合一代貴族で、男爵に相当)。日本を訪れ、NHK交響楽団を指揮したり、能の『隅田川』に影響を受けて《カーリュー・リヴァー》を作曲したりしている。
ちなみにゲイテノール歌手ピーター・ピアーズとは生涯を共にしたパートナーで、オールドバラの聖ペテロ聖パウロ教会の墓地に仲良く隣り合って葬られている。というかいいのか英国国教会

Cambridge The Choir of King's College and Stephen Cleobury
収録アルバム: Benjamin Britten: Vocal & Choral


by CockRobin96 | 2015-10-13 20:59 | Trackback

Sussex Carol《サセックスのキャロル》

ウィルコックス版

レドガー版

On Christmas night all Christians sing
To hear the news the angels bring.
News of great joy, news of great mirth,
News of our merciful King's birth.
クリスマスの夜、キリスト教徒はみな歌う
天使たちが携えてきた知らせを聞こうとして。
大いなる喜びの知らせ、大いなる楽しみの知らせ、
慈悲深い王様が生まれたという知らせを。

Then why should men on earth be so sad,
Since our Redeemer made us glad,
When from our sin he set us free,
All for to gain our liberty?
どうしてそう悲しまねばならないのか、地の人々よ、
我らのあがない主が我らを歓ばせてくださって
罪から解き放ってくださった時以来
我らのために自由を勝ち得てくださったというのに。

When sin departs before His grace,
Then life and health come in its place.
Angels and men with joy may sing
All for to see the new-born King.
罪は主のみ恵みの前に離れ去り、
命と健やかさがこの場にやってきた。
天使も人も喜び歌う、
新しく生まれた王様を拝むために。

All out of darkness we have light,
Which made the angels sing this night:
"Glory to God and peace to men,
Now and for evermore, Amen!"
暗闇は去り、我らは光を得る、
この夜に天使たちを歌わせた光を。
「神には栄光、人には平和あれ、
 今もそしてとこしえに、アーメン!」

text & tune: Ralph Vaughan Williams(1872-1958)が採取したサセックス地方の民謡をDavid Willcocks (1919-)、Philip Ledger(1937–2012)などが編曲

サセックスはイングランド南東部にある地方。イギリス海峡に臨み、リゾート地ブライトンビーチ(森薫の『エマ』にも出てきたよね)を目の前に擁する。サセックス大学は随一の美しいキャンパスと、3名のノーベル賞受賞者と1名の各国の元首・大統領・首相を輩出していることで知られる。

Sussex Carol
David Willcocks & Choir Of King's College Cambridge



おまけ

by CockRobin96 | 2015-10-11 20:16 | Trackback

A Spotless Rose《汚れなき薔薇》


A spotless Rose is blowing,
Sprung from a tender root,
Of ancient seers' foreshowing,
Of Jesse promis'd fruit;
Its fairest bud unfolds to light
A mid the cold, cold winter,
And in the dark midnight.
汚れなき薔薇は咲き初めけり、
柔らかき根より生いいでたり。
いにしえの預言者たちの告げた、
エッサイの血筋から、約束された末裔が。
そのうるわしいつぼみは光へと花開く、
寒い、寒い冬のさなかに、
暗い夜のさなかに。

The Rose which I am singing,
Whereof Isaiah said,
Is from its sweet root springing
In Mary, purest Maid;
For through our God's great love and might,
The blessed Babe she bare us
In a cold, cold winter's night.
わたしの歌うその薔薇、
イザヤの語ったそれこそ、
やさしき根から芽吹いたもの、
清らかなおとめマリアのうちに。
神の大いなる愛とみ力のゆえに、
祝されし赤子をおとめに宿らせたもうた、
寒い、寒い冬の夜に。

text: Catherine Winkworth(1827–1878)による《エサイの根より》の英訳
tune: Herbert Howells(1892-1983)

収録アルバム: Classic Christmas Carols


by CockRobin96 | 2015-08-08 10:59 | Trackback