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Legenda (The Crown of Roses)《聖史曲(バラの冠)》


When Jesus Christ was yet a child
He had a garden small and wild
Where-in he cherished roses fair
And wove them into garlands there
イエス・キリストがまだ子供だった時
ささやかな野草の花壇を持っていた
なかでもきれいな野バラを大事にしていて*1
それでいくつも花輪を編みあげた

Now as the summertime drew nigh
There came a troop of children by
And seeing roses on the tree
With shouts they plucked them merrily
夏が近づくころ*2
沢山の子供たちがやってきて
バラの木を見つけて
歓声をあげながらむしり取った

"Do you bind roses in your hair?"
They cried in scorn to Jesus there
The boy said humbly "Take I pray
All but the na-ked thorns away"
「お前も髪をバラで結ぶかい?」
みんなはイエスをそう嘲った
少年イエスはつつましやかに答えた、「どうぞ、
丸坊主の棘の枝以外はみんな取っていいよ」

Then of the thorns they made a crown
And with rough fingers pressed it down
Till on his forehead fair and young
Red drops of blood like roses sprung
そこでみんなは棘の枝で冠を作って
荒っぽく押し込んだ
イエスの形よく幼い額に
赤い血がしたたり、バラが咲いたようだった

*1 少女漫画のバックに描かれるわさわさしたバラは品種改良の結果で、本来のバラは一重のシンプルな花。

*2 drew=nearと同義。

text: アメリカの詩人Richard Henry Stoddard (1825-1903)の詩"Roses and Thorns"(バラと棘)をロシアの詩人Aleksey Nikolayevich Pleshcheyev(1825-1893)がロシア語訳したものを、英国の詩人Geoffrey Dearmer(1893–1996)がまたまた英訳したもの。ややこしいわ。
tune: Pyotr Ilyich Tchaikovsky(1840-1893)

バレエの定番「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」で世の乙女たちのハートをキュンキュンさせてるヒゲオヤジ、チャイコフスキーによる作品。正確にはOp54.《子供のための16の歌》の第5曲目。単に《伝説》というタイトルになっていることもある。
「Christ, when a child, a garden made...」で始まる、アメリカの作家Nathan Haskell Dole (1852-1935)が英訳したバージョンの歌詞もある。

ロシア語バージョンはこっち。このバージョンでは「ユダヤ人の子供たち」になっているが、イエスも元々ユダヤ人なんだよなあ…


余談だが、およそ教育的でないNHKEテレのアニメ「クラシカロイド」では、なぜかコマさんの声で喋るとうほぐ訛りの甘ロリ美少女チャイコちゃんにされていた。かわいい。ムジークに「大序曲」出して大砲ぶっぱしてくれると期待していたのに二曲だけで終わった。残念。


スマホゲー「モンスターストライク」でも女体化されていた。
やっぱり同性愛者説があるからだろうか。

Choir of Clare College, Cambridge & ジョン・ルッター
収録アルバム: Silent Night - 25 Carols of Peace & Tranquility


おまけ・ロシア語バージョンはこっち

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by CockRobin96 | 2018-12-14 20:38 | Trackback | Comments(0)

See Amid the Winter's Snow《真冬の雪の中》


See amid the winter's snow
Born for us on earth below
See the tender Lamb appears
Promised from eternal years
真冬の雪の中を見てごらん*1
この低き地上に、わたしたちのため生まれたお方を
いたいけな子羊が現れたのを見てごらん*2
はるかな昔から約束されていたお方を

*Hail, thou ever-blessed morn
 Hail, redemption's happy dawn
 Sing through all Jerusalem
 Christ is born in Bethlehem
*めでたし、とこしえに祝福されるこの朝よ
 めでたし、幸福なあがないの夜明けよ*3
 エルサレム中のものよ歌え*4
 キリストはベツレヘムに生まれ給えりと

Lo, within a manger lies
He who built the starry skies;
He who, throned in height sublime,
Sits among the cherubim.
*Refrain
見よ、飼い葉桶の中に眠るものを
この方こそがきらめく星空を造られた
この方こそが至高の玉座にいまして、
熾天使たちの中に座するお方
*繰り返し

Say, ye holy shepherds,say,
What your joyful news today;
Wherefore have ye left your sheep
On the lonely mountain steep?
*Refrain
語れ、聖なる羊飼いたちよ、語れ
この日あった喜ばしい知らせとは何かを
なにゆえに羊たちを置いて行ってしまったのかを*5
寂しい山の岩肌に
*繰り返し

"As we watched at dead of night,
Lo, we saw a wondrous light:
Angels singing 'Peace On Earth'
Told us of the Saviour's birth."
*Refrain
「わたしたちは夜が死に絶えるのを見ました、
 そして不思議な光を見ました
 天使たちが『地に平和あれ』と歌い
 わたしたちに救い主の誕生を知らせたのです」
*繰り返し

Sacred Infant, all divine,
What a tender love was Thine,
Thus to come from highest bliss
Down to such a world as this.
*Refrain
侵すべからざるみどりごよ、至聖なるものよ
あなたの愛のなんと柔和なことか
かくしていと高きよりの祝福が
この世界へと下されたのだ
*繰り返し

Teach, O teach us, Holy Child,
By Thy face so meek and mild,
Teach us to resemble Thee,
In Thy sweet humility.
*Refrain
我らを導き給え、聖なる幼な子よ
その和やかでまろやかな御顔で
あなたに真似ぶことを教え給え、
あなたの甘美な慎ましさを
*繰り返し

*1 クリスマス=冬というイメージがあるが、本来イエスが生まれた季節はもっと暖かい季節であろうと推測され(パレスチナ地方では冬は雨期にあたるので、羊を野外に置くことができない)、クリスマスとは飽くまでも「キリストの誕生を記念する日」に過ぎない。それまで祝われていた冬至の祭りが、キリスト教と融合した結果「寒い冬のクリスマス」というイメージが定着した(オーストラリアでは夏だけど)。
*2 子羊はイエスの呼び名のひとつ、洗礼者ヨハネがイエスを指して「見よ、世の罪を除く神の小羊だ」(新約ヨハネによる福音書1:29)と言った故事にちなむ。また、いけにえとしてささげられるものでもある。

*3 ユダヤ教及びキリスト教に出てくる神の概念。「あがない」はもともと人手に渡った財産を買い戻す、身代金を払って奴隷を解放する、生け贄や金銭を払って罪をつぐなうという意味。ユダヤ教では異民族の奴隷となったイスラエルの民を解放する者として神をあがない主と呼び、キリスト教では罪から人類を解放する者としてキリストを指す。
*4 イギリス人は自分の国が一番エルサレムだと思っているフシがあるので、このエルサレムは実際の国名ではなくイギリスの雅称くらいに解釈した方が良い。

*5 羊置いてっちゃいかんでしょ…と突っ込みたいところだが、これは新約聖書ルカ書(15:1-7)とマタイ書(18:12-14)に登場する「見失った羊のたとえ」を元ネタにしている。100匹の羊のうち1匹が迷子になった時、99匹を置いてその1匹を探し出す羊飼いを、心配する必要がない99人より、困っている1人を気に掛ける愛に例えている。

text: Edward Caswall (1814–1878)
tune: John Goss (1800–1880)


ケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団 & サー・デイヴィッド・ウィルコックス
収録アルバム: Essential Carols - The Very Best of King's College, Cambridge

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by CockRobin96 | 2018-12-08 09:52 | Trackback | Comments(0)

Quelle Est Cette Odeur Agreable?《この心地よい香りはなんだろう》


Quelle est cette odeur agréable,
この心地よい香りはなんだろう、
Bergers, qui ravit tous nos sens?
羊飼いたちよ、僕らを楽しい気分にさせるのは何?*1
S’exhale t’il rien de semblable
嗅いだこともないこの香り、
Au milieu des fleurs du printemps?
春の盛りの花々にも勝るこれは何?
Quelle est cette odeur agréable
この心地よい香りはなんだろう、
Bergers, qui ravit tous nos sens?
羊飼いたちよ、僕らを楽しい気分にさせるのは何?

Mais quelle éclatante lumière
それより、輝くあの光はなんだろう、
Dans la nuit vient frapper nos yeux
夜中に僕らの目に差し込んできた。
L’astre de jour, dans sa carrière,
昼の日も、いまだかつて*2
Fût-il jamais si radieux!
こんなにまばゆかったことはない!
Mais quelle éclatante lumière
それより、輝くあの光はなんだろう、
Dans la nuit vient frapper nos yeux.
夜中に僕らの目に差し込んできた。

À Bethléem, dans une crèche
ベツレヘムの、飼い葉おけの中、
Il vient de vous naitre-un Sauveur
彼こそ今まさに生まれた救い主。
Allons, que rien ne vous empêche
さあ、行く手を阻むものは何もない
D’adorer votre rédempteur
贖い主を拝みに行こう。
À Bethléem, dans une crèche,
ベツレヘムの、飼い葉おけの中、
Il vient de vous naître-un Sauveur.
彼こそ今まさに生まれた救い主。

Dieu tout puissant, gloire éternelle
全能の神よ、とこしえに栄光あれ、
Vous soit rendue jusqu’aux cieux.
あなたは天に再び戻られる。
Que la paix soit universelle
平和があまねくあれ、
Que la grâce abonde en tous lieux.
豊かなみ恵みが全地にあれ。
Dieu tout puissant, gloire éternelle
全能の神よ、とこしえに栄光あれ
Vous soit rendue jusqu’aux cieux.
あなたは天に再び戻られる。

*1 sens(sense)は「感覚」という意味のほか、「~という感じ」という意味でも使う。
*2 L’astre de jour(昼の星)=太陽。詩的な言い方。

text & tune: 17世紀フランスのメロディ

Whence is the goodly fragrance flowing《この良い香りはどこからくるの》という英訳もある。
イギリスの作家ジョン・ゲイの風刺劇「乞食オペラ」(1778年)に、この曲が使われた…らしい。

シャルル・ルブラン「羊飼いの礼拝」
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Choir of Clare College, Cambridge & Orchestra of Clare College, Cambridge & ジョン・ルッター
収録アルバム: Silent Night - 25 Carols of Peace & Tranquility

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by CockRobin96 | 2018-11-30 21:55 | Trackback | Comments(0)

What Sweeter Music《もっと甘美な音楽を》


What sweeter music can we bring
Than a carol, for to sing
The birth of this our heavenly King?
Awake the voice! Awake the string!
もっと甘美な音楽を奏でられぬものだろうか
キャロルよりも甘く、歌うための*1
我らの天の王の誕生にふさわしい音楽とは?
声よ目覚めよ! 弦よ目覚めよ!

Dark and dull night fly hence away!
And give the honour to this day
That sees December turn’d to May,
That sees December turn’d to May.
暗く沈んだ夜よ、立ち去れ!
そしてこの日を仰ぎ見よ、
12月が5月になったようなこの日を、*2
12月が5月になったようなこの日を

Why does the chilling winter’s morn
Smile like a field beset with corn?
Or smell like to a mead newly-shorn,
Thus on a sudden? Come and see
どうして凍てつく冬の朝が
小麦で彩られた畑のように微笑むのか、*3
刈ったばかりの牧草地のように香るのか
かくも突然に! 来たりて見よ!

The cause why things thus fragrant be:
’Tis He is born, whose quickening birth
Gives life and lustre, public mirth,
To heaven and the under-earth.
こんなにもかぐわしいその訳は、
主が生まれたもうたがゆえ、その胎動は*4
命と輝き、そして民の悦びを与えてくださる
天にも、地の底までも

We see Him come, and know Him ours,
Who with his sunshine and his showers
Turns all the patient ground to flowers,
Turns all the patient ground to flowers.
主が来られる、我らの主が
その陽光と慈雨とで
あらゆる荒地を花盛りに変えるお方が、*5
あらゆる荒地を花盛りに変えるお方が

The darling of the world is come,
And fit it is we find a room
To welcome Him,
To welcome Him.
世界中の最愛の人が来られる、
そのお方にぴったりの一室を見つけました
主をもてなすのにふさわしいところ、
主をもてなすのにふさわしいところ

The nobler part of all the house here
is the heart,
お屋敷じゅうで最も豪華なところとは
この心なのです!

Which we will give Him; and bequeath
This holly and this ivy wreath
To do Him honour, who’s our King
And Lord of all this revelling.
これこそ我らが主に献げ、後世に伝えるもの
このヒイラギとツタのリースを*6
我らが王、主の誉れとしましょう
あらゆる悦楽の主(あるじ)に

What sweeter music can we bring
Than a carol, for to sing
The birth of this our heavenly King?
The birth of this our heavenly King?
もっと甘美な音楽を奏でられぬものだろうか
キャロルよりも甘く、歌うための
我らの天の王の誕生にふさわしい音楽とは、
我らの天の王の誕生にふさわしい音楽とは?

*1 「キャロル」とは本来世俗的なダンス曲や歌を指すものであったとされる(少なくともシェイクスピア時代はまだそういうイメージだった)。この頃でもまだ「酒場なんかで歌われているポピュラーソング」っぽいイメージがまだあったと思われる。
*2 特に五月を名指ししているのは、春または夏の到来を祝う「五月祭」という風習があるため。
*3 cornは古語ではトウモロコシではなく小麦を指す。
*4 quickeningは「胎動」のほか「息づき始める」「活発になりつつある」という形容でもある。
*5 とりあえず「荒れ地」と訳したが、実はthe patient groundの意味がよくわからなかった…
*6 「柊と蔦」は同名のクリスマスの歌としても知られる。キリスト教が伝わる以前から、イングランドでは柊は男性の象徴、蔦は女性の象徴とされ、常緑ゆえに魔除けになるとされた。


text: Robert Herrick(1591–1674)
tune: John Rutter (1945- )

ロバート・ヘリックは17世紀ごろ活躍したイギリスの詩人であり、聖職者。この詩は本来のタイトルを「A Christmas Carol(クリスマスのキャロル。まんまや)」という。クロムウェルのピューリタン革命によって、俗っぽい宗教行事をことごとく禁じられ(その中にはクリスマス禁止も含まれていた)、もともとが世俗音楽であったキャロルも歌ったり作ったりすることができなくなってしまった。王政復古後にキャロルの演奏や製作が再開されたが、この時に世俗曲に新しく宗教的な歌詞をあてるということが多く行われた。と言っても、このへリックの詩がそういうのを想定して作られたのかどうか不明。
なお、ラッターは原詩を全部使うのではなく、抜粋して使っている。

参考:へリックの詩の全文
および別の人の和訳(ヘリックの原詩の方の一部)


ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ「クリスマス・キャロル」
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Choir of King's College, Cambridge & Stephen Cleobury
収録アルバム: Carols from King's

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by CockRobin96 | 2018-11-26 21:40 | Trackback | Comments(0)

For Unto Us A Child Is Born《幼な子我らに生まれ》HWV 56


For unto us a child is born,
unto us a son is given:
and the government shall be upon his shoulder:
and his name shall be called
Wonderful, Counsellor,
The mighty God,
The everlasting Father,
The Prince of Peace.
我らにひとりの幼な子が生まれた、
我らにひとりの男の子が与えられた。
政(まつりごと)は彼の肩に担われ、
その名はこう呼ばれるようになる、
「驚くべき者、弁護者、
 全能の神、
 とこしえの父、
 平和の君」と。

text: イザヤ書9:6より。
tune: George Frederick Handel(1685-1759)

Counsellorは通常使われるような「カウンセラー」という意味ではなく、「助言を与えるもの」「弁護するもの」という意味がある。メサイアすなわちキリストが人類に助言を与え導くものであるともとれるし、人類の罪を父なる神にとりなすともとれる。
またイギリスにおいては、国王不在期間に臨時摂政をつとめる王族のことを「Counsellor of State(国家の顧問)」というので、まあそういうイメージもあるかもしれない。
なかなか訳しにくくイメージがつかめない言葉で、木岡英三郎(1895-1982)訳詞では「ふしぎ、代議者」、新共同訳では「驚くべき指導者」、口語訳では「霊妙なる議士」、新改訳では「不思議な助言者」と訳されている。

参考:ヘブライ語からこの語を考察するサイト
London Symphony Orchestra & Tenebrae Choir & Sir Colin Davis
収録アルバム: Handel: Messiah


おまけ:機能不全家族小説に定評のある重松清による小説とその映画化。
表向きは平穏を保っていた、再婚同士の夫婦とその前配偶者との娘たちが、夫婦の高齢妊娠をきっかけに各自の抱えていた問題が露わになり、一時は完全に崩壊するが…という話。
タイトル曲が使われているシーンがあるかどうかは知らないが(読んでないし見てないから)、一応新しく生まれてくる息子の誕生日がちょうどクリスマスにあたるところ、また息子の誕生をきっかけに皆がそれぞれの道を歩みだすところになんとなくモチーフが見て取れる。
努力はしてるんだが、何やっても微妙にピントがずれてて後手に回ってしまう不器用なおっさん(浅野忠信)が是非見たいという人は見ればいいんじゃないかな(投げやり)。



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by CockRobin96 | 2018-11-15 21:19 | Trackback | Comments(0)

Noël Nouvelet《新しいノエル(とおい空のかなたから)》


Noël nouvelet, Noël chantons ici.
新しいノエルだ、ノエルを歌おう*1
Dévotes gens disons à Dieu merci.
信心深き民が神への感謝を唱える
Chantons Noël, pour le roi nouvelet
さあノエルを歌え、新しき王のために
Noël nouvelet, Noël chantons ici.
新しいノエルだ、ノエルを歌おう

D'un oiselet bientôt le chant ouïs,
一羽の小鳥がすぐさま歌いだし
Qui aux pasteurs disait: Partez d'ici.
羊飼いたちに「すぐここから発ちなさい」と告げた
En Bethleem trouverez l'agnelet
「ベツレヘムで、子羊を探すのですよ」*2
Noël nouvelet, Noël chantons ici.
新しいノエルだ、ノエルを歌おう

En Bethleem, Marie et Joseph vis.
ベツレヘムでは、マリアとヨセフが泊まっていて
L'âne et le boeuf, l'enfant couché parmi.
ロバと牛のあいだに、幼子が眠っていた
La crèche était au lieu d'un bercelet.
飼い葉おけをゆりかごのかわりにして
Noël nouvelet, Noël chantons ici.
新しいノエルだ、ノエルを歌おう

L'étoile y vis qui la nuit éclaircit.
夜を照らす星は
Qui d'Orient dont elle était sortie
東方から導き出し
En Bethleem les trois Rois amenait,
ベツレヘムに三人の王様を連れてきた*3
Noël nouvelet, Noël chantons ici.
新しいノエルだ、ノエルを歌おう

L'un portait l'or, l'autre la myrrhe aussi,
ひとりは黄金をたずさえ、もうひとりは没薬、
L'autre l'encens qu'il faisait bon sentir.
最後のひとりは心地よい香りの乳香だった
Du Paradis semblait le jardinet,
庭先に天国が現れたような
Noël nouvelet, Noël chantons ici.
新しいノエルだ、ノエルを歌おう

*1 ノエルはフランス語で「生誕」を意味する。転じてクリスマスのこと。また、キリスト教圏ではクリスマスが新年の始まりでもある。
*2 イエスの呼び名のひとつ、洗礼者ヨハネがイエスを指して「見よ、世の罪を除く神の小羊だ」(新約ヨハネによる福音書1:29)と言った故事にちなむ。また、いけにえとしてささげられるものでもある。

*3 『マタイによる福音書』で、イエスの誕生に馳せ参じる「占星術の学者たち」と訳されている人物たち。フランスでは「三人の王」とみなされている。たとえばフランスでクリスマスの終わりに食べる「ガレット・デ・ロワ(王様のお菓子)」のロワとは、この三人の王のこと。

text & tune: 15世紀頃のフランス民謡

英語版ではSing We Now of Christmas《今ぞクリスマスを歌え》、邦訳では「とおい空のかなたから」(讃美歌第二篇215番)となっている。

遠い空のかなたから
歌の声が響きます
ナザレの貧しい乙女に
神の子 生まれました
歌え、「ノエル」と高らかに

羊飼いよ、起きなさい
光の輪が照らします
平和と 清い喜びは
闇夜にひろがります
歌え、「ノエル」と高らかに

羊飼いは立ち上がり
ベツレヘムへ急ぎます
輝く 清らかな星は
うまやへ導きます
歌え、「ノエル」と高らかに

遠い国の博士らも
宝物を捧げます
静かなうまやの中には
恵みが輝きます
歌え、「ノエル」と高らかに

遠い空のかなたから
歌の声が響きます
「み栄え み神にあれかし
 やすきは人にあれ」と
歌え、「ノエル」と高らかに

シャンティクリア
収録アルバム: Christmas with Chanticleer & Dawn Upshaw

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by CockRobin96 | 2018-11-11 09:51 | Trackback | Comments(0)

Carol of the Bells《鐘のキャロル》


Hark how the bells,
Sweet silver bells,
All seem to say,
Throw cares away
聞いてごらん、鐘の音を
やさしい銀の鐘の音を
まるでこう言ってるよう
「悩みをお捨てなさい」と

Christmas is here,
Bringing good cheer,
To young and old,
Meek and the bold.
クリスマスがきた
はげましにやってきた
若者にも年寄りにも
おとなしい人にも強気な人にも

Ding dong ding dong
That is their song
With joyful ring
All caroling.
ディン・ドン・ディン・ドンと
鐘の歌が聞こえる
喜びいっぱいの響きで
みんなキャロルを歌ってる

One seems to hear
Words of good cheer
From everywhere
Filling the air.
鐘が言葉を話してるみたい
元気づけてくれる言葉を
いたるところから聞こえて
大気を満たしていく

*Oh how they pound,
 Raising the sound,
 O'er hill and dale,
 Telling their tale.
*どんな風に叩けば
 あんな響きを出せるんだろう
 丘も谷も越えてゆき
 かの物語を告げ知らせる

 Gaily they ring
 While people sing
 Songs of good cheer,
 Christmas is here.
 鐘たちは陽気に鳴っている
 人々が歌う
 はげましの歌に合わせて
 クリスマスがやってきた

 Merry, Merry, Merry, Merry Christmas,
 Merry, Merry, Merry, Merry Christmas.
 楽しい、楽しい、楽しい、楽しいクリスマスを!
 楽しい、楽しい、楽しい、楽しいクリスマスを!

On on they send,
On without end,
Their joyful tone
To every home.
鐘たちは次から次へと届ける*1
終わることなく
その喜びいっぱいの音色を
あらゆる家々に

Ding dong ding dong
Ding dong ding dong
ディン・ドン・ディン・ドン
ディン・ドン・ディン・ドン

Hark how the bells,
Sweet silver bells,
All seem to say,
Throw cares away
(We will throw cares away)
聞いてごらん、鐘の音を
やさしい銀の鐘の音を
まるでこう言ってるよう
「悩みをお捨てなさい」と
(わたしたちも悩みを捨て去ろう!)

Christmas is here,
Bringing good cheer,
To young and old,
Meek and the bold.
(Bringing cheer to the young and old)
クリスマスがきた
はげましにやってきた
若者にも年寄りにも
おとなしい人にも強気な人にも
(若者も年寄りもはげましに)

*Refrain
*繰り返し

*1 on and onで「休まずに、引き続き」

txet: Peter Wilhousky(1902-1978) ウクライナ出身でアメリカ在住だった作曲家。
tune: ウクライナ民謡で新年を祝う歌Shchedryk《シチェドゥリク(寛大なるお方)》の、Mykola Leontovych(1877-1921)によるアレンジ。

ちなみに、この曲の替え歌でラヴクラフトの「クトゥルフ神話」をモチーフにした「旧支配者のキャロル」というのもある。


Pentatonix
収録アルバム: That's Christmas To Me (Japan Deluxe Edition)

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by CockRobin96 | 2018-09-03 12:27 | Trackback | Comments(0)

Wie Schön Leuchtet Der Morgenstern《暁の星の輝きのいかに美しきかな》


11:43~

Wie schön leuchtet der Morgenstern,
暁の星の輝きのいかに美しきかな、
Voll Gnad und Wahrheit von dem Herrn,
主のみ恵みとまことに満ちたる、
Die süße Wurzel Jesse!
エッサイの根のなんと甘美なるかな!*1
Du Sohn Davids aus Jakobs Stamm,
ヤコブの血族より出でしダビデの末裔よ、*2
Mein König und mein Bräutigam,
わが王、わが花婿よ、*3
Hast mir mein Herz besessen,
わたしの心はあなたに奪われている!
Lieblich, Freundlich,
愛らしく、親しみ深く、
Schön und herrlich, groß und ehrlich,
美しく、華々しく、偉大で、誠実で
Reich von Gaben,
賜物豊かなるお方よ
Hoch und sehr prächtig erhaben.
いと高く、いと雄々しきかな!

Ei meine Perl', du werte Kron,
わたしの真珠よ、貴い冠よ
Wahr' Gottes und Mariens Sohn,
まことの神にしてマリアの御子よ
Ein hochgeborner König!
やんごとなき王よ!
Mein Herz heißt dich ein Himmelsblum;
わたしの心は天の華なるあなたを呼び求める、
Dein süßes Evangelium
あなたの甘美な福音は、
Ist lauter Milch und Honig.
乳と蜜が満ち溢れている。*4
Ei mein Blümlein,
ああ、わたしのかわいい花
Hosianna! Himmlisch Manna,
ホサナ! 天よりのマンナ、*5
Das wir essen,
我らがかつて味わったもの、
Deiner kann ich nicht vergessen!
あなたを忘れられようか!

Zwingt die Saiten in Cythara
琴を爪弾き、*6
Und lasst die süße Musica
甘やかな音楽を奏でよ、
Ganz freudenreich erschallen,
喜ばしげに響かせよ。
Dass ich möge mit Jesulein,
わたしがイエスきみと共にあらんことを、
Dem wunderschönen Bräutgam mein,
うるわしきわが花婿と、
In steter Liebe wallen.
ゆるぎなき愛で共に旅立たんことを。*7
Singet, springet,
歌え、跳ね踊れ、
Jubilieret, triumphieret, Dankt dem Herren!
歓べ、勝ち誇れ、主に感謝して!
Groß ist der König der Ehren.
王の誉れは偉大なるかな!

*1 エッサイは旧約聖書の英雄王ダビデの父。救い主はダビデの血筋から出現するとされていた。

*2 「ひとつの星がヤコブから進み出る。ひとつの笏がイスラエルから立ち上がる」(旧約聖書民数記24:17)より。メシア(救世主)は一番星に擬せられる。
*3 旧約聖書雅歌より、神と人類の関係は時に熱愛する恋人同士、婚礼を待ち望む花嫁と花婿に例えられる。

*4 出エジプト記にたびたび登場する言い回しで、神がイスラエルの民に与えることを約束した豊穣の地。本来は地中海とヨルダン川にはさまれたカナンの地を指す。
*5 ホサナは礼拝などで気分の高揚や賛美をあらわすかけ声。マンナは出エジプト記16章に登場する、天から降ってきた不思議な食べ物。同じく天からの賜物であるイエスの血肉を味わう聖餐式に関連づけられる。

*6 琴と訳したが、ギター、シタールなどバチで打つ弦楽器の元祖といわれる「キタラ」のこと。

*7 wallenは本来「さざ波がたつ、水面が沸き立つ」という意味だが、「旅をする、さすらう」の詩的表現でもある。新婚旅行かな。

text & tune: Philipp Nicolai(1556-1608)

比類なく美しい歌詞と旋律により、「コラールの女王」とも称される。ただしニコライの詩をもとにしたいくつかのバージョンがある。
クリスマスの歌とされるが、この曲をモチーフにした大バッハのカンタータは、3月25日(受胎告知の祝日)に使用されている。
日本語訳詞としては「たえにうるわしやヤコブより出でし朝(あした)の星よ」「暁の空の美しい星よ」「み使いこぞりて歓び讃うる朝(あした)の星よ」などがある。



アルブレヒト・デューラー「聖母の生涯」より
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Singer Pur
収録アルバム: Adventskalender: 24 Lieder zum Advent


日本語訳詞版:CDのみ
賛美歌21/すくいの道を~キリストの生涯~

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by CockRobin96 | 2018-03-24 10:13 | Trackback | Comments(0)

Hark! The Herald Angels Sing《聞け、天使らが歌うみ告げを(天には栄え)》

David Willcocks(1919–2015)によるファンファーレとディスカントアレンジ付き

Hark! the herald angels sing,
"Glory to the new born King,
peace on earth, and mercy mild,
God and sinners reconciled!"
Joyful, all ye nations rise,
join the triumph of the skies;
with th' angelic host proclaim,
"Christ is born in Bethlehem!"
Hark! the herald angels sing,
"Glory to the new born King!"
聞け!天使らが歌うみ告げを、
「新たに生まれし王に栄光あれ、
 地には平和と、柔和な憐れみあれ、
 神と罪びととが和らぎあった!」と
歓びあふれ、よろずの国びとよ身を起こし
空中の凱旋に連なれ、
天使らの大軍の高らかな声に合わせよ
「キリストはベツレヘムにて生まれ給えり!」と
聞け!天使らが歌うみ告げを、
「新たに生まれし王に栄光あれ!」と

Christ, by highest heaven adored;
Christ, the everlasting Lord;
late in time behold him come,
offspring of a virgin's womb.
Veiled in flesh the Godhead see;
hail th' incarnate Deity,
pleased as man with man to dwell,
Jesus, our Emmanuel.
Hark! the herald angels sing,
"Glory to the new born King!"
キリスト、いと高き天にて崇められるお方、
キリスト、とこしえの主よ
長らく待たれていた主の来られるのを見よ、
おとめの胎内より生まれ出づるお方を
肉体を纏った神性にまみえよ、*1
神格の受肉に歓呼せよ
快く人のうちに住まう人となられた、
イエス、我らがインマヌエルを*2
聞け!天使らが歌うみ告げを、
「新たに生まれし王に栄光あれ!」と

Hail the heaven-born Prince of Peace!
Hail the Sun of Righteousness!
Light and life to all he brings,
risen with healing in his wings.
Mild he lays his glory by,
born that man no more may die,
born to raise the sons of earth,
born to give us second birth.
Hark! the herald angels sing,
"Glory to the new born King!"
めでたし、天より降(くだ)されし平和の君よ!*3
めでたし、義の太陽よ!
主は光と命を万物にもたらし、
癒しのみ翼とともに昇られる
その日差しは栄光ゆえに柔らかく、
もはや決して死なない人としてお生まれになる
主は地の子らを起こすべくお生まれになり、
我らを再び産まれさせるべくお生まれになる
聞け!天使らが歌うみ告げを、
「新たに生まれし王に栄光あれ!」と

*1 「言(ことば)は肉となって、わたしたちの間に宿られた。」(ヨハネによる福音書 第1章14節)より。
*2 ヘブライ語で「神は我らと共にある」の意。キリストの別称にも使われる。参照↓

*3 「ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。権威が彼の肩にある。その名は、『驚くべき指導者、力ある神/永遠の父、平和の君』と唱えられる。」(イザヤ書9:5)より。


text: Charles Wesley(1707-1788)
tune: Jakob Ludwig Felix Mendelssohn Bartholdy(1809-1847)

原曲は、1840年に印刷術発明400年記念祝典のために作曲された男声合唱と管弦楽のためのカンタータ「Festgesang(祝典歌)」(別名「Gutenberg Cantata(グーテンベルク・カンタータ)」の第2曲。しかしウェスレーのクリスマス聖歌の方が有名になってしまったので、原曲原詩で歌われることはドイツですらめったになくなってしまった。
なお、作詞者のチャールズ・ウェスレーはメソジスト派の創始者ジョン・ウェスレーの弟。数千もの賛美歌の歌詞を作ったことでも知られる。音楽好きは子孫にも受け継がれ、息子、孫息子も作曲家となっている

「あめには栄え み神にあれや、
地(つち)にはやすき 人にあれや」と、
みつかいたちの たたうる歌を
ききてもろびと 共によろこび、
今ぞ生まれし 君をたたえよ。

さだめたまいし 救いのときに、
神の御座(みくら)を はなれて降(くだ)り、
いやしき賤(しず)の 処女(おとめ)にやどり、*
世びとのなかに 住むべき為に、
今ぞ生まれし 君をたたえよ。

あさ日のごとく かがやき昇り、
みひかりをもて 暗きを照らし、
つちよりいでし 人を活かしめ、
つきぬいのちを 与(あと)うるために、
今ぞ生まれし 君をたたえよ。

*現在は「聖霊(みたま)によりて おとめにやどり」と置き換えられる。

ボッティチェリ「神秘の降誕」
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Choir of King's College, Cambridge/Philip Jones Brass Ensemble/Ian Hare/Sir David Willcocks
収録アルバム: Carols from King's College, Cambridge - 25 of the most popular carols

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by CockRobin96 | 2017-12-24 10:21 | Trackback | Comments(0)

Mary's Lullaby《マリアさまの子守唄》


See the child that Mary bore
On her lap so softly sleeping
In a stable cold and poor
Ox and ass their vigil keeping
マリアさまが生んだ幼な子を見てごらん
おとめにふんわり抱かれて眠ってる
寒くみすぼらしい馬小屋の中
牛とロバが眠らずに見守ってる*1

*Sing lullaby, sing lullaby
My own dear son, my child
Lullaby, sing lullaby
Lullaby, my little baby
*ねんねんよ、おころりよ
 愛しいわが息子、わたしの子よ
 ねんねんころり、
 ねんねよ、わたしの赤ちゃん

Flights of angels round his head
Sing him joyful hymns of greeting
Peace on earth, goodwill to men
Each to each the song repeating
*Refrain
幼な子の頭を巡って天使たちが飛びまわる
喜ばしげに賛美歌を歌いながら
地には平和あれ、人には恵みあれと
お互いに歌を繰り返してる
*繰り返し

Shepherds kneeling by his bed
Offer homage without measure
Wise men, by a bright star led
Bring him gifts of richest treasure
*Refrain
羊飼いたちが幼な子の寝床にひざまずき、*2
計り知れないほどの敬愛を献げる
輝く星に導かれた賢者たちが*3
豪華な宝物を贈り物として持ってくる
*繰り返し

*1 参照↓

*2 参照↓

*3 参照↓

text & tune: John Rutter (1945- )

ララバイ(ルラバイ)は、よく子守唄と訳されるが、日本の「ねんねんよ」「おころりよ」などに相当するあやし言葉でもある。

ブーシェ「聖母子と聖ヨハネ」
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Choir of Clare College, Cambridge & Orchestra of Clare College, Cambridge & ジョン・ルッター
収録アルバム: 「キングズ・カレッジ/きよしこの夜~25のヒーリング・キャロル」

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by CockRobin96 | 2017-12-20 10:54 | Trackback | Comments(0)