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Christ Ist Erstanden《キリストはよみがえり(主生き給えば)》


Christ ist erstanden
キリストはよみがえり給いぬ、
Von der Marter alle,
あらゆる責め苦より解かれて、
Des soll'n wir alle froh sein.
それゆえに我らこぞりて歓ばん。
Christus will unser Trost sein:
キリストが我らを慰めんと欲し給えばなり。
Kyrieleis.
キリエライス。*1

Wär er nicht erstanden,
主のよみがえりなかりせば、
So wär die Welt vergangen;
かくして世界は滅びに向かわん。
Seit daß er erstanden ist,
主のよみがえられ給うたゆえに
So lob'n wir den Herrn Jesum Christ:
我らは主イエス・キリストを讃えん。
Kyrieleis.
キリエライス。

Halleluja,
ハレルヤ、
Halleluja,
ハレルヤ、
Des soll'n wir alle froh sein.
それゆえに我らこぞりて歓ばん。
Christus will unser Trost sein:
キリストが我らを慰めんと欲し給えばなり。
Kyrieleis.
キリエライス。

*1 ギリシャ語の祈り「Kyrie eleison(主よ、あわれみたまえ)」がドイツ語化したもの。「南無阿弥陀仏」が「ナンマンダブ」化したようなもの。

text & tune: 12世紀ごろのドイツ民謡をHans Leo Hassler(1562?-1612)がアレンジ

古くから伝わるイースターの聖歌。日本語聖歌では「主生き給えば死のおそれあらず…」として知られるが、実はこれはJesus lebt, mit ihm auch ich(イエス生き給えば、我らも生きん)という別の聖歌からとられた歌詞。讃美歌21「復活の主は」はちゃんと原詩から翻訳されたもの。



マイスター・フランケ(フラーテル・フランケ)(1383-1436)
聖トマス教会の祭壇画より「キリストの復活」
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Solistenensembles unter der Leitung von Gerhard Schnitter
収録アルバム: Gott loben




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by CockRobin96 | 2018-03-30 21:57 | Trackback | Comments(0)

In the Bulb There is a Flower(A Hymn of Promise)《球根の中には(約束の聖歌)》



Golden Gate Boys Choir & Bellringers, Steven Meyer
収録アルバム: International Choirs in the Cologne Dom


In the bulb there is a flower;
in the seed, an apple tree;
In cocoons, a hidden promise:
butterflies will soon be free!
In the cold and snow of winter
there’s a spring that waits to be,
Unrevealed until its season,
something God alone can see.
球根の中には、花があり
種の中には、りんごの木がある。
さなぎの中には、約束が隠されている、
蝶がもうすぐ解き放たれるという!
冬の寒さや雪の中で
春がじっと待って
自分の季節になるまで秘められている。
神さまだけがご存知のこと。

There’s a song in every silence,
seeking word and melody;
There’s a dawn in every darkness,
bringing hope to you and me.
From the past will come the future;
what it holds, a mystery,
Unrevealed until its season,
something God alone can see.
全ての沈黙の中に歌があり、
歌詞やメロディを欲しがっている。
全ての闇の中に夜明けがあり、
あなたやわたしに希望をもたらす。
過去から未来はやってくるもの、
それは神秘を抱え込んで、
自分の時が来るまで秘められている。
神さまだけがご存知のこと。

In our end is our beginning;
in our time, infinity;
In our doubt there is believing;
in our life, eternity,
In our death, a resurrection;
at the last, a victory,
Unrevealed until its season,
something God alone can see.
わたしたちの臨終にこそ始まりがあり、
わたしたちの時間にこそ、無限がある。
わたしたちの疑惑の中にこそ信仰があり、
わたしたちの生命の中にこそ、永遠がある。
わたしたちの死の中にこそ、復活があり
ついには、勝利がやってくる、
その時が来るまで秘められているものが。
神さまだけがご存知のこと。

text & tune: Natalie Allyn Wakeley Sleeth(1930-1992)

スリースはアメリカの女流音楽家。癌を診断された宗教哲学者の夫スリース教授に捧げられ、アメリカとカナダで人気の聖歌となった。

球根の中には 花が秘められ
さなぎの中から いのちはばたく
寒い冬の中 春はめざめる
その日 その時を ただ神が知る

沈黙はやがて 歌に変えられ
深い闇の中 夜明け近づく
過ぎ去った時が 未来をひらく
その日 その時を ただ神が知る

いのちの終わりは いのちの始め
おそれは信仰に 死は復活に
ついに変えられる 永遠の朝
その日 その時を ただ神が知る


日本語版はアマゾンにはなかったので教文館でご購入あそばせ



おまけ:同窓のよしみで

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by CockRobin96 | 2018-03-11 09:50 | Trackback | Comments(0)

I Believe In Springtime《春を信じて》


I believe in springtime:
fresh and new and bright;
I believe in morning dew
and shining morning light.
I believe in sunbeams,
melting all the snow;
And I believe when winter's done
The streams will run and rivers flow.
I believe in eagles soaring up so high;
I believe in trees and mountains
reaching to the sky.
春を信じてる、
みずみずしく、新しく、まばゆい春を。
朝露を信じてる、
輝ける朝の光も。
日光を信じてる、
雪を全て溶かす日光を。
わたしは信じる、冬が終わるころ
小川が流れ出し、大河を溢れさせることを。
鷲たちが高く舞い上がるのを信じ、
木々や山々が空にまで届くのを信じてる。

I believe in green things;
all the gifts of earth;
Growing up from tiny seeds
that spring has brought to birth.
I believe in summer;
I believe in fall.
But most of all I believe in God,
Who made it and blessed it all.
緑を信じてる、
大地からの贈り物すべてを。
小さな種から生い育つ、
それは春がもたらすもの。
夏を信じ、
秋を信じてる。
でも何にもまして神さまを信じてる、
万物を造られ、祝福されるお方を。

I believe in people,
living all as one;
Sharing all their songs and laughter,
happiness and fun;
I believe in friendship;
taking time to care;
And feeling sure of someone else,
And someone feeling glad you're there.
Then I start to wonder how it all might be
If the world could live together
just like you and me.
人を信じてる、
生きとし生けるものはみなひとつだと。
歌と笑いを分かち合い、
幸福と楽しみを分かち合っている。
友情を信じてる、
深く思いやることを。
誰かを深く想うこと、
あなたがいるだけで喜ぶ誰かがいることを。
そしてわたしはどうしたらそうなるかを思いめぐらす、
もしも世界中が手をとりあって生きることができたならと、
あなたやわたしみたいに。

I believe in hoping;
I believe in prayer;
I believe in trying hard
and learning how to share.
I believe in dreaming;
and, when dreams are through,
Then I believe in trusting God
To help me make dreams come true.
希望を信じてる。
祈りを信じてる。
努力を信じてる、
分かち合いを学ぶことを。
夢を信じてる、
そして夢がかなう瞬間も。
それから神さまを信じてる、
夢が実現するようにわたしを助けてくれることを。

text & tune: John Rutter (1945- )

ロビンは冬のほうが好きなので春がくるとがっかりするタイプです。

Cambridge Singers
収録アルバム: Rutter: Te Deum and Other Church Music




第2回プラチナブロガーコンテスト


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by CockRobin96 | 2018-01-12 22:49 | Trackback | Comments(0)

O Love, How Deep, How Broad, How High《大いなる愛に》


O love, how deep, how broad, how high,
beyond all thought and fantasy,
that God, the Son of God, should take
our mortal form for mortals’ sake!
愛よ、なんと深く、広く、高きかな
あらゆる思惑と夢想を超えたものよ
神が、その御子を遣わして
死すべき人のために死すべき人の姿をとられたとは

For us baptized, for us he bore
his holy fast and hungered sore;
for us temptation sharp he knew,
for us the tempter overthrew.
我らのために洗礼を受け、我らのために耐え忍ばれた
聖なる断食と痛ましい飢餓を
我らのために刺すような誘惑を味わわれ
我らのために誘惑するものを打ち倒された

For us he prayed; for us he taught;
for us his daily works he wrought:
by words and signs and actions thus
still seeking not himself, but us.
我らのために祈り、我らのために教え
我らのために日々の業を勤められた
み言葉とみしるしと行いによりてかくなされた
御身のためでなく、我らのためにこそ

For us to evil power betrayed,
scourged, mocked, in purple robe arrayed,
he bore the shameful cross and death;
for us gave up his dying breath.
我らのために悪しき力へ売り渡され
鞭打たれ、嘲られ、紫の衣で装わされた
恥辱の十字架と死をも耐え忍ばれ
我らのために息を引き取られた

(O love, how deep,
how broad, how high)
(愛よ、なんと深く、
広く、高きかな)

For us he rose from death again;
for us he went on high to reign;
for us he sent his Spirit here
to guide, to strengthen, and to cheer.
Alleluia.
我らのために死より再び目覚め
我らのために統べ治めるべく高き処へゆかれた
我らのために地へ聖霊を遣わされた
導き、力づけ、励まされるために
アレルヤ

All glory to our Lord and God
for love so deep, so high, so broad
the Trinity, whom we adore
forever and forevermore.
栄光が我らの主なる神にあれ
その愛の深さ、高さ、広さゆえに
三位一体に、我らの崇めるものに
とこしえに限りなくあれ

text: Robert Herrick (1591-1674)
tune: アメリカの作曲家で指揮者のPhilip R. Dietterich(1931-)による、Heinrich Schütz(1585-1672)の曲のアレンジらしいのだが、どの曲か不明。強いて言えばChrist ist erstanden《キリストはよみがえり》SWV470が怪しい気がするがアマゾンで買わないと聞けないからわからない。

「For us he rose from death again…」のくだりは、ドイツの古いイースターの聖歌Christ ist erstanden《キリストはよみがえり(主生き給えば)》が使われている。

この歌詞は聖歌としての方が有名で、ディートリッヒによるこの曲はほとんど知られていない。
もちろんアマゾンにもなかった。(正確にはCDに入ってたが売り切れ)

北村宗次による日本語歌詞:
大いなる愛に
神は御子送り
人の弱さをば
取りて生かしたもう

バプテスマをも受けて
神の御子世にて
サタンの試みと
強く戦えり

世に生き(我らに)
世に生きるわざを
(語るみ言葉は)
果たしつつ祈る
(深い主のみ旨)

売り渡す罪と
嘲りの中で
悩み苦しんで
死へと進みたもう

(広き愛
 深き愛
 高き愛)

よみがえり給い
父の元に座す
聖霊(みたま)遣わして
力与えたもう
ハレルヤ

大いなる神は
三つにましひとつ
高きみ栄えを
我らほめ歌わん

唯一入手可能なのは、教文館販売の立教女学院のCDに日本語歌詞による合唱。欲しかったら銀座に行くか通販でご購入あそばせ。

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クリスマスクワイヤー
松蔭女子学院大学聖歌隊 鈴木雅明
(運が良かったら中古で出るかもしれない)

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by CockRobin96 | 2017-04-22 09:25 | Trackback | Comments(0)

Hot Cross Buns《ホカホカ十字パン》

The Broadside Band
収録アルバム: Old English Nursery Rhymes

Hot Cross Buns,
Hot Cross Buns
One a penny, Two a penny
Hot Cross Buns!
ホカホカ十字パン!
ホカホカ十字パン!
ひとつ1ペニー、ふたつでも1ペニー
ホカホカ十字パン!

If you have no daughters,
Pray give them to your sons;
もしも娘さんがいないなら
息子さんにおあげなさいよ

But if you have none of these little elves,
Then you must eat them all yourselves.
でもちびっ子たちすらいないなら*1
ご自分でお食べなさいよ

Hot Cross Buns!
Hot Cross Buns!
ホカホカ十字パン!
ホカホカ十字パン!

*1 エルフはいわゆる小妖精のことだが、特にいたずら好きな子供、腕白小僧を指す。

text & tune: イギリスのマザーグース(ナーサリーライム)。18世紀に文献初出。

十字パンはイギリスによく見られる菓子パン。干しぶどうなどが入った甘いパンで、上にアイシングか切れ込みを入れて十字のしるしをつける。本来は聖金曜日(イエスが十字架に架けられたことを記念する。毎年月日が違う)に食べるとされるが、割と通年で売ってる。伝統に厳密に従うのであれば、聖灰水曜日から聖土曜日(イースターの前日)にかけては、乳製品と卵を入れない十字パンを食べることになる。(→Forty Days and Forty Nights《四十日(よそか)経(ふ)るまで》)
本来は街頭で十字パンを売る呼び歌だったものが、わらべ歌化したものと考えられている。
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十字パンのレシピ


「But if you have none of these little elves,/Then you must eat them all yourselves.」の2行は、省略されることの方が多い。


Anuradha Javeri
収録アルバム: Hoopla Kidz, Vol. 2

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by CockRobin96 | 2017-04-15 09:50 | Trackback | Comments(0)

O Lamm gottes, unschuldig《神の小羊よ、汚れなきかな(十字架の上にほふられたまいし)》


O Lamm gottes, unschuldig
神の小羊よ、汚れなきかな*1
Am Stamm des Kreuzes geschlachtet,
十字架の真中にて屠られ給いし。
Allzeit funden geduldig,
四六時中を耐え忍び給いぬ、
Wiewohl du warest verachtet;
御身の嘲笑われしを。
All Sünd hast du getragen,
よろずの罪をば御身に負い給わざれば、
Sonst müßten wir verzagen.
我らおののくは必定(ひつじょう)なり。
Erbarm dich unser, o Jesu.
我らを憐れみ給え、イエスよ!

O Lamm Gottes im Staube,
神の小羊よ、塵(ちり)のうちに
Mit Blut und Thränen bedecket,
血と涙にまみれ給う。
Dein tröste sich mein Glaube,
御身の慰めこそわが信仰なり、
Wenn Tod und Sünde mich schrecket,
死と罪とが我をおびやかすとも。
Dein Ringen, Seufzen, Klagen,
御身のいばらの冠、吐息、うめき
Dein Todeskampf, dein Zagen
御身の死、死相をば
Sei meine Ruhe, Herr Jesu.
わが安らぎとなしたまえ、主イエスよ!

O Lamm Gottes, unschuldig
神の小羊よ、汚れなきかな
Trugst du die herbe Verhöhnung
御身はかくも辛辣なるなぶりを受け給えり。
Und immer so geduldig
また御身はかくも絶えず忍び給えり、
Zu meiner Sünde Versöhnung.
わが罪を清めんがために。
Dein Bild schreck mich von Sünden,
御身のみ姿こそ我をして罪を恐れさしめ
Dein Bild soll mich verbinden
御身のみ姿こそ我を連ならせしめん、
Zu ewger Liebe, Herr Jesu.
とわの愛へと、主イエスよ!

*1 イエスの呼び名のひとつ、洗礼者ヨハネがイエスを指して「見よ、世の罪を除く神の小羊だ」(新約ヨハネによる福音書1:29)と言った故事にちなむ。また、いけにえとしてささげられるものでもある。→The Lamb《仔羊》

text&tune: Nikolaus Decius(1485-1546)

ルター派にとって重要な聖歌。ただし2番以降の歌詞が使用されることはあまりないようである。
イースター直前の受難節に使用される。

フランシスコ・デ・スルバラン「神の小羊」
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おまけ:いろんな編曲の《神の小羊》
Johann Eccardによる編曲。アマゾンではセットでしか販売していない模様。

Norddeutscher Kammerchor, Maria Jürgensen
収録アルバム: Eccard: Mein schönste Zier


バッハの次男カール・フィリップ・エマヌエルによる「聖ルカ受難曲」の中の《神の小羊》
Daniel Gloger
収録アルバム: Bach, C.P.E.: St. Luke Passion


少年愛を世に認めさせた少女マンガの金字塔、『風と木の詩』の章の一つに「神の子羊」があり、その中でこの歌詞の日本語訳(2番)が引用されている。また、作者の構想に協力した増山のり子氏のスピンオフ作品のタイトルも『神の子羊』。
あれってフランスじゃなくてドイツが舞台の方が良かったんじゃないかなとちょっと思っている。先生たちのキャラデザモデルがみんなドイツの作曲家の作曲家だし。


日本語訳詞:
十字架の上に ほふられ給いし
こよなく清き み神の小羊
わがため悩みを 忍び給いし
み恵み げにもとうとし

十字架の上に ほふられ給いし
こよなく清き み神の小羊
み救いあらずば 罪のこの身は
滅びを いかでまぬがれん

十字架の上に ほふられ給いし
こよなく清き み神の小羊
乏(とも)しくか弱き 我を憐れみ
安きを 常に給えや

Chamber Choir of Europe & Nicol Matt
収録アルバム: Choral Classics: Bach (Chorales), Vol. 2/3

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by CockRobin96 | 2017-03-20 10:08 | Trackback | Comments(0)

Hail, Thou once despised Jesus《万歳、かつて蔑まれしイエスよ(いばらのかむりを)》



The Festival Choir and Hosanna Chorus
収録アルバム: 100 Church Classics


The Bambinis
収録アルバム: 30 Easter Songs for Kids
児童のソロによる短いバージョン


Hail, Thou once despised Jesus!
Hail, Thou Galilean King!
Thou didst suffer to release us;
Thou didst free salvation bring.
Hail, Thou universal Savior,
bearer of our sin and shame,
by thy merit we find favor:
life is given through thy Name.
万歳、かつて蔑(さげす)まれしイエスよ、
万歳、ガリラヤびとの王よ!*1
御身は我らを解き放つため苦しまれた、
御身は自由という救済をもたらされた
万歳、万有の救い主よ、
我らの罪と恥を背負われたお方よ
御身の功(いさお)によりて我らはその恩寵を知る、
命が御身のみ名によりて与えられしを

Paschal Lamb, by God appointed,
All our sins on Thee were laid;
By almighty love anointed,
Thou hast full atonement made.
All thy people are forgiven
Through the virtue of thy blood:
Opened is the gate of heaven,
reconciled are we with God.
いけにえの小羊よ、神に定められしものよ、
我らの罪はことごとく御身の上に積まれた
全能の愛によりて聖別され、
御身は豊かなあがないをなされ給うた*2
御身の民は皆赦しを得る、
御身の血の功徳(くどく)によりて
天の扉は開かれ、
我らと神の間に和解が成し遂げられた

Jesus, hail, enthroned in glory,
There forever to abide!
All the heavenly host adore Thee,
Seated at Thy Father's side.
There for sinners Thou art pleading,
There Thou dost our place prepare,
Ever for us interceding
Till in glory we appear.
イエスよ、万歳! 栄光のうちに玉座へ着き給い、
とこしえにとどまられる!
天の万軍はみな御身を崇める、
父のお側に座し給う君を
罪びとらのために御身は嘆願され、
我らの居どころを備えてくださる
限りなく我らをとりなされる、
我らが栄光のうちに潔白となるまで

Worship, honor, power, and blessing
Thou art worthy to receive;
Loudest praises, without ceasing,
Meet it is for us to give.
Help, ye bright angelic spirits,
Bring your sweetest, noblest lays;
Help to sing our Savior's merits,
Help to chant Emmanuel's praise.
崇拝と、栄誉と、力と、祝福は、
御身こそが受けるにふさわしい
声高き賛美が、絶えることなく、
我らに与えられるのを目の当たりにする
助け給え、御身のまばゆい天翔ける霊らを、*3
こよなく甘美で高貴なるさえずりをもたらさせ給え
救い主の功(いさお)をほめ歌うのを助け給え、
インマヌエルへの賛美を唱えることを助け給え

*1 「兵士たちは、官邸、すなわち総督官邸の中に、イエスを引いて行き、部隊の全員を呼び集めた。 そして、イエスに紫の服を着せ、茨の冠を編んでかぶらせ、 『ユダヤ人の王、万歳』と言って敬礼し始めた。 また何度も、葦の棒で頭をたたき、唾を吐きかけ、ひざまずいて拝んだりした。」(マルコによる福音書15:16-19)より。なお、ヨハネによる福音書では提督ピラトが「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」と罪状書きを書き、祭司長たちから「自称したと書いてくれ」と要請されているが却下したことになっている。蔑称と敬称が表一体になっている訳である。
*2 ユダヤ教及びキリスト教に出てくる概念。「あがない」はもともと人手に渡った財産を買い戻す、身代金を払って奴隷を解放する、生け贄や金銭を払って罪をつぐなうという意味。ユダヤ教では異民族の奴隷となったイスラエルの民を解放する者として神をあがない主と呼び、キリスト教では罪から人類を解放する者としてキリストを指す。
*3 天使だけでなく天国にあげられた人々の霊魂をも指すと思われる。

text: John Bakewell(1721-1819)による歌詞を、Augustus Toplady(1740-1778)が一部改変。
tune: 通称In Babilone《バビロンにて》と呼ばれる、オランダ由来のメロディ。 1710年の 『Oude en Nieuwe Hollantse Boerenlities en Contradanseu(新旧オランダ民謡と対面ダンス曲集)』に初出。

「いばらのかむりを」で始まる日本語訳詞がある。

いばらの冠を 戴きましし
栄えの君なる 主のみ名とうとし
わがため打たれて わが罪を負い
世の人の救い 成し遂げませり

父なるみ神の 右にいまして
とこしえの住まい 備え給いて
我らをとりなす イエスきみをほめ
千万(ちよろず)の使い 絶えずぞ歌(うと)う

きみのみ恵みも きみの御稜威(みいつ)も
あまねくあらわれ たえにとうとし
み使いとともに 世の人こぞり
輝く栄えを ほめよたたえよ
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by CockRobin96 | 2017-03-12 10:28 | Trackback | Comments(0)

Haec dies《この日こそ》



Haec dies
この日こそ
quam fecit Dominus.
主の創り給いし日。
Exultemus,
歓べ、
et letemur
喜べ、
in ea.
この日ゆえに。
Alleluia.
アレルヤ。

text: 旧約聖書詩篇118:24
tune: William Byrd(1543-1623)

詩篇118編は、元来ユダヤ教では年3回の都に詣でる祝日、すなわち過越(すぎこし。出エジプトの直前、エジプトを襲った災いを神の加護により「過ぎ越した」ことを記念)の祭り、五旬節(ごじゅんせつ。十戒を与えられたことを記念)、仮庵(かりいお。出エジプトの後荒野でキャンプしたことを記念)の祭りで歌われたもの。このうち過越、五旬はキリスト教ではイースター、聖霊降臨節と化した。神の救いが示されたことを喜び祝う歌詞なのである。
なお、グレゴリオ聖歌ではイースターの昇階唱として使用される。


プレミアついちゃってるDVD


Trinity College Choir, Cambridge
収録アルバム: Byrd: Cantiones Sacrae, Book I and Ii (Excerpts)

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by CockRobin96 | 2016-03-11 19:59 | Trackback | Comments(0)

Stond wel, Moder《しゃんと立って、母上》


"Stond wel, Moder, under rode,
Bihold thi child wyth glade mode;
Blythe, Moder, mittu ben."
"Sune, quu may blithe stonden?
Hi se thin feet, hi se thin honden
Nayled to the harde tre."
「しゃんと立って、十字架の下の母上
 もっと嬉しげにあなたの子を見てください
 幸福な母となられるのですから」*1
「息子よ、どうして幸福そうに立っていられましょう
 あなたの足が、あなたの手が
 堅い木に釘づけられているのを見てるのに」

"Moder, do wey thi wepinge:
Hi thole this ded for mannes thinge;
For owen gilte tholi non."
"Sune, hi fele the dede stunde;
The swerd is at min herte grunde,
That me byhytte Symeon."
「母上、すすり泣くのはよしてください
 わたしの死の苦しみは万民のためなのです
 わたしの罪ゆえの苦しみではないのです」
「息子よ、死に至る痛手をわたしも感じています
 剣がわたしの心を貫いています
 シメオンがかつてわたしに預言した剣が」*2

"Moder, reu upon thi bern:
Thu wasse awey tho blodi teren,
It don me werse than mi ded."
"Sune, hu mitti teres wernen?
Hy se tho blodi flodes hernen
Huth of thin herte to min fet."
「母上、あなたの子を憐れんでください
 そして滴り落ちる涙を拭ってください
 その涙が死ぬことよりもつらいのです」
「息子よ、どうして涙を止められましょうか
 血が噴き出してほとばしり
 あなたの胸からわたしの足下にまで届くのを見てるのに」

"Moder, ny y may thee seyn,
Bettere is that ic one deye
Than al mankyn to helle go."
"Sune, y se thi bodi swngen,
Thi brest, thin hond, thi fot thur-stungen
No selli thou me be wo."
「母上、今こそ申し上げますが
 わたしひとりが死ぬ方がましでしょう
 全ての人が地獄へ行くよりも」
「息子よ、あなたの身体がぶら下げられ
 胸が、手が、足が貫かれているのを見て
 わたしが嘆くのも不思議はありません」

"Moder, if y dar thee tellen,
Yif y ne deye, thu gost to helle;
Hi thole this ded for thine sake."
"Sune, thu best me so minde.
With me nout; it is mi kinde
That y for thee sorye make."
「母上、あえて申し上げますが
 もしわたしが死ななければ、あなたが地獄に行くことになる
 わたしの死の苦しみはあなたのためなのです」
「息子よ、あなたは本当に優しい子
 責めないでおくれ、これはわたしの性分なのです
 あなたゆえに悲しみをあらわにしてしまうのは」

"Moder, merci, let me deyen,
For Adam ut of helle beyn
And al mankin that is forloren."
"Sune, wat sal me to rede?
Thi pine pined me to dede;
Let me deyn thee biforen."
「母上、ありがとう、どうぞ死なせてください
 地獄からアダムを
 全人類を救い出させてください」
「息子よ、わたしに何をさせようというの
 あなたの苦しみがわたしを死ぬほど苦しめる
 どうかあなたの前にわたしを死なせておくれ」

"Moder, mitarst thi mith leren
Wat pine tholen that childre beren,
Wat sorwe haven that child forgon."
"Sune, y wot y kan thee tellen,
Bute it be the pine of helle,
More sorwe ne woth y non."
「母上、今こそ理解なさったでしょう
 子を持つ者の悲しみ、
 子に先立たれる者の悲しみを」
「息子よ、はっきりと言えますとも
 地獄の苦しみの他には
 かくも大いなる苦しみはありますまい」

"Moder, reu of moder kare,
Nu thu wost of moder fare,
Thou thu be clene mayden man."
"Sune, help alle at nede,
Alle tho that to me greden —
Mayden, wyf, and fol wyman."
「母上、母心というものに憐れみを
 母とはいかなるものかお知りになったのだから
 清いおとめでもありながら」
「息子よ、全ての求めるひとをお助けください
 わたしに嘆願してくるすべての者を
 おとめを、人妻を、愚かな女を」

"Moder, y may no lenger duellen;
The time is cumen y fare to helle,
The thridde day y rise upon."
"Sune, y wyle withe funden.
Y deye ywis of thine wnden;
So reuful ded was nevere non."
「母上、もはやこれまでです
 時は至り、わたしは地獄にゆく
 三日目にはわたしは目覚めるでしょう」
「息子よ、わたしも共に逝きましょう
 わたしも死にます、まさにあなたの痛手ゆえに
 かくも痛ましい死は他にありますまい」

When he ros than fel thi sorwe:
The blisse sprong the thridde morewe
Wen blithe, Moder, wer thu tho.
Moder, for that ilke blisse
Bisech ure God, ure sinnes lesse,
Thu be hure chel ayen hure fo.
御子がよみがえられたとき、御母の悲しみも離れ去った
至福の春が三日目の朝におとずれた
そのときあなたは幸福な母となられたのだ
御母よ、この至福のゆえに
御子にとりなしたまえ、我らの罪が除かれんことを
あなたこそ、仇なす者どもからの我らの盾

Blisced be thu, quen of hevene,
Bring us ut of helle levene
Thurth thi dere sunes mith.
Moder, for that hithe blode
That he sadde upon the rode
Led us into hevene lith.
Amen.
祝されたまえ、天の女王よ
我らを地獄から連れ出したまえ
あなたの愛する御子の力をして
御母よ、かのまことの血ゆえに
十字架の上から流れ落ちた血ゆえに
天の光の中へ導きたまえ
アーメン

*1 blythe=blithe 「楽しげな」「快活な」「ハッピーな」
*2 赤ん坊のイエスを連れてきた聖母マリアに、祝福と預言を与えた預言者。→《シメオンの賛歌

text & tune: 13世紀イギリスの作者不詳の歌曲。歌詞はラテン語の宗教詩《Stabat iuxta Christi crucem》をもとにしている。

聖母マリアが崇敬されるのは、処女懐胎したからでも神の母だからでもなく、大衆に軽蔑され処刑される我が子に最後まで寄り添い続けた偉大な母だからである。キリスト教の各教派でもマリアの扱いはまちまちだが、キリスト教が世界に伝播するにつれ、元々あった女神信仰を吸収したことで、あらゆる人にとっての理想的な美しい慈母という命題を一手に引き受けた。聖母は実際の血縁を越えたあまねく万人の母として、そのイメージは不滅である。

関連 →《たたずめる御母
参考サイト

マティアス・グリューネヴァルト「イーゼンハイム祭壇画」
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Anonymous 4版



ヒリヤード・アンサンブル版(CDのみ)

(収録曲が入ってないけど、このアホみたいに高いCD『夏は来たりぬ』の新装版)

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by CockRobin96 | 2015-06-23 22:25 | Trackback(1) | Comments(0)

Ye Choirs of New Jerusalem《汝ら新しきエルサレムの聖歌隊よ》


*Ye choirs of new Jerusalem,
Your sweetest notes employ,
The Paschal victory to hymn
In strains of holy joy.
*汝ら新しきエルサレムの聖歌隊よ、*1
こよなく甘美な歌声をもて、
過越の勝利をほめ歌え、
この聖なる歓びの調べで。

For Judah's Lion bursts His chains,
Crushing the serpent's head;
And cries aloud through death's domains
To wake the in prison'd dead.
ユダの獅子がおのが鎖をひきちぎり、*2
蛇の頭を砕き給うたゆえに。*3
そして高らかに咆哮する、死の支配をひき裂いて、
囚われの死者を目覚めさせるため。

*Refrain
*繰り返し

Devouring depths of hell's their prey
at His command restore,
His ransom'd hosts pursue their way
Where Jesus goes before.
地獄の深みでむさぼられていた餌食達は
今や主のみもとに返され、
主に贖われた者達の群れはたどっていく、
イエスが先立って行かれた道を。

Triumphant in His glory now
To Him all power is given;
To Him in one communion bow
All saints in earth and heaven.
今こそ主の栄光のうちに勝ち誇れ、
全ての力は彼に与えられた。
主に献げる聖餐の場で、
地と天の全ての聖徒らが膝をかがめる。

While we, His soldiers praise our King,
His mercy we implore,
Within His palace bright to bring
And keep us evermore.
主の兵士(つわもの)なるわたしたちは、王を賛美する、
主の憐れみをわたしたちは乞い願う、
主の宮の輝きに導きいれ、
わたしたちをとこしえにお守りくださることを。

*Refrain
*繰り返し

All glory to the Father be,
All glory to the Son,
All glory, Holy Ghost, to Thee,
While endless ages run.
Alleluiah! Amen.
全ての栄光が父にあるように、
全ての栄光が子に、
全ての栄光が聖霊に、あなたに、
世々に限りなくありますように。
アレルヤ、アーメン!

*1 『ヨハネの黙示録』に登場する概念。キリストの再臨、最後の審判の後、善と正義に満ちた天地が新しく創造され、キリストの花嫁として新しいエルサレムが降りてくるとされる。
*2 キリストを指す。「見よ。ユダ族から出た獅子、ダビデのひこばえが勝利を得たので、七つの封印を開いて、その巻物を開くことができる。」(黙示録5:5)
*3 『創世記』でエバをそそのかした蛇は、神に「お前と女、お前の子孫と女の子孫の間に/わたしは敵意を置く。/彼はお前の頭を砕き/お前は彼のかかとを砕く。」(創世記2:15)と呪われた。絵画の中で聖母やキリストはしばしば蛇を踏みつけ、原罪を克服したことを示している。

text: Fulbert de Chartres (c.960-1028)
tune: Charles Villiers Stanford (1852-1924)

中世フランスでシャルトルの大司教だったフルベールによる詩を、Robert Campbell (1814-1868)が英訳したもの。人気のある歌詞で、さまざまなメロディがあてられた。


マティアス・グリューネヴァルト(c.1480-1528)
「イーゼンハイム祭壇画」より「キリストの復活」1511-1515年
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イギリスのことわざに「March comes in like a lion, and goes out like a lamb. (三月は獅子のごとく来たりて、子羊のごとく去る)」というのがあり、三月の天気の不安定さを表しているが、イースターが基本的に三月と四月のどちらかになることもかかっているのかもしれない。
獅子も小羊もキリストの象徴ではある。
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収録アルバム: Stanford: Anthems & Motets


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by CockRobin96 | 2015-04-07 22:21 | Trackback | Comments(0)